楽天グループの運営するフリマアプリ「楽天ラクマ」では9月下旬より、コメ兵と共同で、ラクマで商品を購入したユーザーが必要に応じ、商品の検品を依頼することができる「ラクマ鑑定サービス」を開始した。
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同サービスは、ラクマでユーザーが購入した商品をシームレスに検品できる環境の構築を目指して試験的に提供するもの。これまで楽天ラクマでは、24時間365日体制のパトロールをはじめ、検知システムの改善などを通じて偽造品の撲滅に向けた取り組みを強化してきたものの、出品されている商品について、オンライン上で得られる情報だけで偽造品と判定するには、不確実な部分がある点が課題となっていた。
楽天のラクマ事業部プロダクト・サービス企画課ヴァイスシニアマネージャーの樋口量祐氏は「ラクマにおいて、ラグジュアリーは存在感あるセグメントであり、もっと伸ばしていきたいと考えている。コメ兵とやりとりする中で、実物をコメ兵に見てもらえる仕組みを作れないかということで始まったプロジェクトだ」と語る。
一方、コメ兵営業本部KOMEHYOカンテイ事業Gシニアマネージャーの松波之浩氏は「親会社のコメ兵ホールディングスでは、ブランド品リユース市場の拡大に向けて、リユース品のノウハウ、いわゆる”目利き”を活用した”市場成長関与ビジネス”の構築を目指している。ラクマユーザーに目利きを提供することで、ラクマの市場活性化とともに、リユース市場の拡大にもつなげていきたい」と話す。同社の場合、中古品仕入れの多くは顧客からの買い取りであるため、リユース市場で流通する偽造品が増えると仕入れにも影響しかねない。リユース市場の健全化は、同社の利益にもつながってくるわけだ。
鑑定サービスは、ラクマで商品を購入したユーザーが、商品に不安を感じた場合などに取引画面から申請し、指定された住所に商品を発送、コメ兵が商検品をするというもの。商品は愛知県にあるコメ兵の拠点で検品。トップクラスの”目利き力”を有したラクマ専任のスタッフが検品を行う。さらには目利きだけではなく、精度の高いAIも活用。コメ兵では今回の試験提供をきっかけに、検品サービスを新たなビジネスモデルとして構築していきたい狙いだ。
現段階では、ユーザーが鑑定を依頼する際の料金は無料で、送料のみ必要となる。どうやってマネタイズしてくかに関して、コメ兵の松波シニアマネージャーは「どれぐらいのコストをかけながら収益化していかという部分については、テスト運用も踏まえて社内で議論していきたい」とする。
コメ兵では昨年4月から、リユース事業者などを集めた「ラクマ公式ショップ」に出店している。同社店舗の場合、40~50代女性がメインだが、ラクマの客層は10~30代が中心という。狙い通りに新規顧客が獲得できているようだ。
ラクマでは、精度の高い鑑定サービスを提供することで、競合である「メルカリ」に対抗、ラグジュアリージャンルの流通額を増やしていきたい考えだ。樋口ヴァイスシニアマネージャーは「ユーザーに安心・安全を提供するのはもちろん、努力してアクセスしなくても使える、フリクションレスなサービスにしていきたい」と今後の展望を語る。
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