百貨店区画なき「立川高島屋S.C.」がオープン、暮らしや体験に特化し食品やアミューズメントに舵切り
リニューアルオープンする「立川高島屋S.C.」
Image by: FASHIONSNAP
リニューアルオープンする「立川高島屋S.C.」
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百貨店区画なき「立川高島屋S.C.」がオープン、暮らしや体験に特化し食品やアミューズメントに舵切り
リニューアルオープンする「立川高島屋S.C.」
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高島屋の商業開発子会社である東神開発が、11月14日に「立川高島屋S.C.」を全館専門店としてリニューアルオープンする。開業に先駆けて、前日の13日には報道関係者に向けた内見会が行われた。同店は今年1月末に営業を終了した百貨店区画部分を中心に、新たに16店舗を誘致。生活ニーズや体験ニーズに特化した「食料品」「生活雑貨」「アミューズメント」系のテナントを中心に展開し、アパレルの売場は従来の半分、館全体の1割となる1フロアのみに縮小した。
同施設は、百貨店「高島屋立川店」として1970年6月に立川駅前に開業。1995年3月に現在の場所に移転し、2015年9月から東神開発が同施設全体を管理している。2018年10月には百貨店区画を3割残し、館の7割に専門店を導入して「立川高島屋 S.C.」として改装オープンしたものの十分な集客や買い周り効果が得られなかったため、2023年1月末をもって百貨店区画を全てクローズし、完全S.C.化に向けた準備を進めてきた。
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地下1階から屋上となる地上10階までの計11フロアのうち、今回のリニューアルでは今年1月末に営業を終了した地下1階、1階、3階の旧百貨店区画と、従来は一般開放していなかった屋上を改装し、16店舗の新たな専門店を導入することで刷新。「“立川暮らし”の場」をコンセプトに、「ニトリ」や「ジュンク堂書店」「ユザワヤ」といった既存テナントとの親和性が高く買い周りが見込める、より生活に密着した店舗や施設サービスの導入を意識したという。
地下1階には、従来の「デパ地下」に代わり、大型ディスカウントスーパーマーケットの「オーケー」や「おかしのまちおか」、地元の農家や生産者が手掛ける新鮮野菜や手作りの弁当・惣菜などを扱う「わくわく広場」、中華惣菜店「中華旬彩料理 東方紅」、立川市内初出店のわらび餅専門店「甘味処さびと」、「SUBWAY」、日本茶を中心としたお茶専門店「三國屋善五郎」、洋服のお直しおよびバッグ・靴修理の専門店「おしゃれ工房」など、より生活必需ニーズに特化した8つのテナントが出店する。
改装前は「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」や「グッチ(GUCCI)」といったラグジュアリーブランドや、眼鏡、宝飾、バッグなどのファッション雑貨、化粧品を展開していた1階には、100円ショップの「セリア」や、ペットからペット用品、トリミング、ショートステイまでを扱う総合ペットストアの「ペテモ」、「サンドラッグ」、立川市内初出店の菓子店「シャトレーゼ」、同じく立川市内初出店のバロックジャパンリミテッドが展開する観葉植物・ガーデニング雑貨ブランド「チュイン グリーナリー(TUIN greenery)」など6店舗を導入し、従来の高級路線から生活ニーズに即したカジュアルな生活雑貨を扱うテナント中心の構成に大きく舵を切った。
わくわく広場
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TUIN greenery
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また、今回のリニューアルのもう一つのテーマである「体験型コンテンツの拡充」の一環として、従来はアパレル売場を展開していた3階には、立川駅前エリア最大級となるエンターテインメントフロアをオープン。約2600平方メートルの広々とした売場に、「namco」や立川市内初出店の「ガシャポンバンダイオフィシャルショップ」「一番くじ公式ショップ」といった最新のアミューズメント景品やキャラクター商品を揃えるテナントを導入する。
一般開放する10階の屋上は「屋上コミュニティゾーン」とし、初心者でも野菜作りを楽しめる貸し農園の「シェア畑 garden」や、子どもが遊べる木製遊具や自由に描ける黒板、安全なゴムチップ製の床、イベントステージなどを設けたフリースペース「おにわ -oniwa-」を新設。あわせてモノレール下の「サンサンロード」に面する西側入口をリニューアルし、新たなエスカレーターの設置や、エントランスに風除室を設けて休憩や待ち合わせに使える空間を整備するなど、子ども連れのファミリーやお年寄りを含めたより多様な利用客が入店しやすく、くつろぎながら長く滞在できるような環境整備を心掛けたという。
おにわ -oniwa-
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同店は伊勢丹やルミネ、グランデュオなど、近隣に競合する商業施設が多い環境に店舗を構えるが、東神開発の事業部長 金子鎌治氏は「これまでも立川高島屋 S.C.は映画館『キノシネマ』や『ライザップゴルフ』など、買い物に留まらない体験やサービスの提供を少しずつ増やしてきたが、今回は『コト消費』や『トキ消費』といった体験型ニーズに応える機能を拡充したことが、他店との差別化に繋がると思っている」と話す。
立川はここ数年、2020年4月の「グリーンスプリングス」をはじめとした新施設の開業などをきっかけに、ファミリー層や若年層を含めた広域からの来街者が増加しているといい、今回のリニューアルは、そういった人の動きや周辺環境の変化を踏まえて、作るべき施設の方向性を考えたという。金子氏は、「このプロジェクトは2年ほど前から計画して進めてきたが、今回は若手社員が非常に活躍し、中心となって『新しいショッピングセンター』の具現化を進めてくれた。『シェア畑 garden』は社内起業制度で若手社員の提案がきっかけで導入が決まり、その他の新テナントの導入も全て若手社員の意見を積極的に採用し、契約や交渉などの実務も主導してくれた」と、若手社員を中心にこれからの世代や街を意識した店づくりを目指したリニューアルであることを強調。初年度の目標売上高や初年度入店客数目標などは非公開だが、「2022年度の実績である売上高149億円と入館客数500万人という数字は大きくクリアしていきたい」としている。
■立川高島屋S.C.
開業日:2023年11月14日(火)
所在地:東京都立川市曙町2丁目39番3号
電話番号:042-525-2111
公式サイト
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