ファクトリーブランドやロングセラーのデザイン雑貨を揃える
日常を上質なものに
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高崎高島屋の自主編集ショップ「メゾンドエフ」は、百貨店では珍しいファクトリーブランドやロングセラーのデザイン雑貨を揃え、新規客の獲得に成功している。地元群馬県を中心に、長野や新潟、埼玉など近県からの来店が目立つ。売り場のある4階紳士服フロアの既存客とは異なり、これまでリーチできていなかった30代からシニア層までを集客する。代理購買の女性客が半分以上を占め、新しいものを求める外商客の比率も高い。
メゾンドエフは社内起業制度で採用され、19年からスタートした。発案者の中里康宏バイヤーは「以前から産地や工場を訪れていたが、遠州のシャトル織機との出合いから、物作りの背景に関心をもったのがきっかけ。それを顧客に伝えられるのが小売りの役割と気づかされた」と振り返る。最初は約15平方メートルの小さな売り場から始まり、「日常を上質なものに」をテーマにした。ここでしか買えない商品構成が支持され、コロナ下でも売り上げ目標を上回り、売り場面積も拡大していった。現在、エスカレーター前の好立地で約80平方メートル。
桐生の刺繍メーカー、笠盛のアクセサリー「トリプル・オゥ」をはじめ、太田のニットや富岡のシルク製品など群馬県の良いものを掘り起こし、売り場で発信している。それによって産地の存在を知らなかった地元住民に再発見してもらうなど、作り手と使い手をつなぐ役割を担う。ただし、全てを地元の工芸品などで固めてしまうと土産店になってしまうので、コンセプトやバランスは意識しているという。
知名度向上へ限定店
同ショップはカジュアルブランドの「アールイーメイドイントウキョウジャパン」「カーリー」を軸に、国産羊毛のセーター「峯村サフォーク」(愛知県)や「新見本工場」(愛知県)のセットアップ、葛利毛織(愛知県)のウールコート、武藤(山梨県)のストール、羽田忠織物(山梨県)のローシルクタイ、米冨繊維(山形県)のセーターなどを扱う。そのほか、シーズンごとに商品を入れ替え、イベントスペースでの発信にも力を入れている。
「今は工場も発信できる時代。一般的に無名でも熱心なファンがいるファクトリーブランドは多い。互いに協力して新たなファン作りをしたい」と中里バイヤー。23年はショップの知名度向上へ首都圏にある高島屋でも仕入れ先と協力して期間限定店を開催し好評だった。24年1月中旬からは高島屋新宿店でも期間限定店を開催する予定。
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