あべのハルカス近鉄本店は、24年秋をめどにタワー館1階をラグジュアリーブランドフロアにする。24年中に改装するウイング館2階など他フロアは、段階的にカテゴリーミックス型の売り場編成に切り替えていく。レストラン街はFC店を増やす。
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(吉田勧、藤本祥子)
特選ブティックとアクセサリーのタワー館1階は、22年秋に「セリーヌ」、23年秋に「バーバリー」を導入しており、今秋にも新たに2ブランドが入る予定だ。現在あるアクサセリーはウイング館2階に移設する。
また、隣接する商業施設フープ1階へのラグジュアリーブランドの導入も検討している。化粧品、ハンドバッグ、婦人洋品、アクセサリー、「無印良品」などで構成するウイング館2階は、滞留性と回遊性を高める狙いでカフェを新規導入する。
FC店も増やしていく。すでにある「成城石井」「オンデーズ」「コクミンドラッグ」などに加え、23年春に「ベビーフェイス・スカイテラス」、同12月に「トウキョウメルカート」をレストラン街に開設した。今春もレストラン街に2店を開設する。
近鉄グループで開業10周年イベント
3月7日に開業10周年を迎えるあべのハルカスは、百貨店・美術館・ホテルなど同館各施設で、「こころ、晴れる場所へ」をキーワードに記念イベントを開始している。
抽選で当たる展望台入場券やホテル食事券を親子ペア(10歳の子供と家族が対象)で用意し、同館との思い出の写真とエピソードを募集するなどの特別イベントを開く。写真は百貨店内の特設会場で展示予定だ。3月7日には同館と同じ10歳になる地元の小学校4年生を展望台「ハルカス300」に招待し、10周年記念式典を開く。3月7~10日には同館の施設各所で、記念パッケージの「パインアメ」を来館者に配る予定だ。
近鉄グループの近商ストア、近鉄リテーリングでも関連イベントを行う。
心晴れ晴れする場所に
近鉄百貨店 千原昌和代表取締役専務執行役員本店長
一番は、地元客にいかに支持されるかです。また、大阪市内の都心型百貨店としてラグジュアリーブランドは強化しなければいけない。その上でインバウンド(訪日外国人)対応も、と考えています。フロア構成については、もはや婦人服、紳士服などカテゴリー切りの売り方だけでは通用しません。百貨店部分とテナントをいかにカテゴリーミックスで組み立てていくかを改装のテーマに掲げていますが、大きく変わるのはもう少し先になります。ミックスMDの一環としてFC運営も広げていきます。
開業10周年は、百貨店だけでなく「あべのハルカス」全体でPRしていきます。ハルカスは「晴れ晴れとさせる」の意の日本語の古語「晴るかす」が語源。「心晴れ晴れする場所に」をテーマに、百貨店では、当店限定の協業商品をいくつか準備しています。また、各ブランドの特別商品や「10S(数珠)」と題した地域共創の数珠つなぎイベントを計画してます。国内売上高は19年度実績を上回り始めています。利用率の高い近鉄百貨店アプリの会員数は現在約72万人(全社)。これを100万人ぐらいまで増やしていきたい。
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