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「リーチやエンゲージメントが目的になるのは違う」Instagram責任者アダム・モッセーリが文化服装学院を訪問

Instagram責任者アダム・モッセーリ

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「リーチやエンゲージメントが目的になるのは違う」Instagram責任者アダム・モッセーリが文化服装学院を訪問

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 Meta社のInstagram責任者アダム・モッセーリ(Adam Mosseri)が、2月27日に文化服装学院を訪問した。同氏は卒業制作の展示や実習室などを見学した後、学内の図書館でファッション流通高度専門士科の学生30人を対象としたトークセッションを実施。あわせて、Metaは文化服装学院と提携し、最新テクノロジーの活用方法について学ぶ場を提供する講義「Meta 次世代クリエイター支援プログラム」を6月に開講することを発表した。

 アダム・モッセーリはデザイナーとしてキャリアをスタートさせ、自身のデザインコンサルタント事業を運営した後、2008年にFacebook社(現Meta)のデザイン部門に入社。モバイルアプリやニュースフィードの開発に携り、その後インスタグラムへ入社し、現在はインスタグラムの責任者としてビジネスの全事業を統括している。

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左)文化服装学院 相原幸子 学院長、右)文化学園 清木孝悦 理事長

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 同氏は文化服装学院を訪れ、文化服装学院 相原幸子 学院長と共に生産管理実習室で二本針本縫中メス付きミシンの実演見学や、学生が制作した作品に関するプレゼンテーションを受けたりと校内の施設を巡回。前日に渋谷109でプリクラを体験してきたというモッセーリは「文化服装学院に来ることをとても楽しみにしていました。その理由のひとつは、ファッションが日本にとってとても重要な分野であるということ。そして2つ目は、若いクリエイティブな才能が最も重要だと感じているからです。そのため、新進気鋭の若い人たちから話を聞くことができたのは、本当にエキサイティングなことでした」と学生との交流を振り返った。

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 ファッション流通高度専門士科の学生とのトークセッションでは、学生のSNSに関するアンケート調査をもとにトークを展開。「インスタグラムで最も使う機能は?」という質問に対し、1位はリール(Reels)、2位はライブ配信(live streaming)、3位はストーリーズ(Stories)、4位はフィード(feed)、5位はメッセージ(DM)機能という結果だったことを受けてモッセーリは「市場によってそれぞれの違いがあり、それぞれの使い方があると感じています。若い世代の方はアカウントを複数持つという特徴があり、それは日本でも顕著です。そして世界的にみてもフィードより、ストーリーズやDMが多く使われているという現状があります」とコメント。加えて、「ストーリーズを実装しようと思ったきっかけは?」という学生からの質問に対しては「ここ5年のトレンドでもありますが、限られた人にだけ発信したいという需要が高まったからです。Snapchatもそうですが、カジュアルに投稿できる機能を実装しようと考え、ストーリーズのローンチを決めました」と経緯について説明した。

 一方、アンケート調査では厳しい意見も見られ、特にスレッズ(Threads)については「X(旧Twitter)と機能が一緒」や「スレッズの独自性が見えない」などの声が上がった。モッセーリは「貴重なご意見ありがとうございます。我々としてもフィードのキュレーション機能の充実や関連性が高いものがランキングに表示されずらい状況など、改善点はまだまだあると考えています。直近では保存機能を追加しましたが、今後も改善していく予定です」と回答した。また、インスタグラムの改善点について「リール投稿を消すことはできるけど、戻すことができない点を改善してほしい」という学生の意見に対しては「いいアイデアですね」と前向きな検討を示唆した。トークセッションを振り返り、モッセーリは「ファッションスクールでこのようなイベントをやるのは初めてでした。インスタグラムはクリエイティブを通じて人が繋がる場。同じ関心を持つ人が繋がる場になれればと考えてきたので、これからもそこを追求していきたい」と今後の展開について言及した。

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 FASHIONSNAPの取材に対して同氏は「インスタグラムを使う上で重要なのは、リーチのためのリーチやエンゲージメントのためのエンゲージメントを目的とするのではなく、プロフェッショナルな目標を達成するためにどのようにプラットフォームを活用できるかを意識することです」とMetaが推奨する活用方法について説明。また「インスタグラムとスレッズは異なるプラットフォームであり、それぞれに独自の利用方法があります。インスタグラムは主に視覚的なクリエイティビティの共有に焦点を当てていますが、スレッズはアイデアやコメントの共有に適しています。特定の業界、例えばファッションやスポーツなどでは、スレッズがより効果的なプラットフォームになる可能性があります。レッドカーペットの衣装がどんなものだったかを自分なりに分析してスレッズに投稿すれば、ファッション評論家になれるかもしれませんから」とアクティブアカウント数20億以上のインスタグラム(2022年Q4の決算時点)と1.3億以上のスレッズ(2023年Q4の決算時点)の違いについても改めて解説した。

 6月に開講する特別講座「Meta 次世代クリエイター支援プログラム」は、2025年3月までの期間で約20人を対象としたゼミ形式で行われ、文化服装学院の学生であれば所属する学科や学年を問わず誰でも応募できる。全6回の講義には、インスタグラムを活用して情報発信することでファンを獲得し、自身のブランドを立ち上げたファッション系クリエイターや、AIやNFTなど新しいテクノロジーを取り入れたアート表現に挑戦するクリエイターなどを特別講師として招く予定で、学生たちが第一線で活躍する講師たちから直接学ぶことができる機会を設けるという。

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