1990年代後半に発売したおもちゃ「ファービー」が、再上陸する報せが届いた。新作の発売は12年ぶりだが、日本に初上陸した1999年から26年経った今でも、日本国内では推し活ならぬ“ファビ活”が盛んに行われており、国外でも新作ファービーが売り切れ続出するなど、令和のいま、にわかにファービー旋風が巻き起こっている。
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旧型ファービーの歴史
ファービーが日本に初上陸したのは1999年のこと。現在のタカラトミーから発売され、話しかけたり、なでたり、一緒に遊ぶおしゃべりペットとして話題に。発売から3年で世界累計約4000万個を売り上げた。その後、2005年に“初代”よりも眠たげな表情と、話しかけると返事をしてくれる「疑似会話」機能が強化されたファービー2が発売。2代目発売直後から、2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)の「ニュース速報VIP板」にもファービーにまつわるスレッドが立ち上がるようになり、「モルスァ」や「ブルスコ…ファー」などファービーをきっかけにした有名なコピペが誕生するなど、ネットで“いじられキャラ”として浸透したのもこの頃だ。2012年に液晶ディスプレイになった目で更に表情豊かになったファービー3が国内展開されたが、その後12年間、ファービーは沈黙を守っていた。
沈黙の12年間でも起きていたファービー愛好家たちによる“ファビ活”
しかし初上陸から26年、最後に発売された2012年から12年経った現代でも、ファービーは静かに流行を続けていた。インスタグラムのハッシュタグ「#ファービー」は4.2万件がヒットし、アクスタの様に旅先の風景や食事と一緒に映り込むファービーや、オリジナルの着せ替え服に身を包んだファービー、果ては有名な絵画を模したファンアートなどが投稿されている。また、Twitter(現X)上で、「#全ファ連リペア部」「#全日本ファービー連盟」「#全ファ連」といったタグが爆誕。コロナ禍の2021年頃には、ファービー愛好家の発案で、リサイクルショップなどで、ボロボロの状態で売りに出されているファービーたちを“救出”する、ファービーシリーズの修理方法の集約が始まった。
6万円で取引される旧型ファービー、アニメのカメオ出演も
ファービー愛好家たちの長く、熱い想いが届いたのか、近年はメルカリでも高値で取引されるように。特に、国内では比較的販路が縮小していたファービー2がそのアンニュイな顔のデザインもあって、高いもので約6万円前後で出品されている。2021年には、配信されたNetflixのオリジナルアニメ映画「ミッチェル家とマシンの反乱」にも、ファービーがカメオ出演。ショッピングモールでミッチェル一家に襲い掛かる「ジャイアント・ファービー」が登場する。
“令和版ファービー”は旧型とどう違う?
インターネットを中心に行われている一部界隈で盛り上がりを見せていた“ファビ活”だったが、今回の再上陸は大衆にも受け入れられるのか。今回、再上陸を果たす“令和版”ファービーは600種類以上の歌や言葉を話すだけではなく、歌ったり、踊ったりすることが特徴で、仰向けに寝かせると寝息やいびきが聞こえてくるスリープモードを搭載。さらに、日本で発売されるモデルは日本語に対応しているという。欧米では既に昨年8月に発売されており、アメリカだけではなく、各国で売り切れが続出。新旧を問わず、世界中でにわかにファービーブームが巻き起こっている、と新作ファービーの販売代理店と務めるハズブロジャパン合同会社の担当者は説明する。
「近年の平成レトロブームの文脈で日本だけではなく、各国でファービーブームは巻き起こっています。国内では『昔のファービーで遊んでいます』といった声を多数いただいたことをきっかけに、バージョンアップした今のファービーを楽しんでほしいと再上陸に至りました。今回新たに展開する約5cmのミニサイズの『ファービー ファーブレッツ』は、友だち同士でおそろいにしたり、バックにつけて一緒におでかけすることもでき、ファービーを知らない世代も知っている世代も含め、幅広い年代の方に楽しんでいただけると思っています」(ハズブロジャパン合同会社の担当者)。
旧型のファービーに対して新作ファービーはフェイスデザインが大きく異なっていることも特徴で、一部ユーザーからは「昔の方が可愛かった」という声が上がっているのも事実だ。担当者は今回のデザインについて「今の子供たちがファービーに何を求めているかを長い期間リサーチをして開発を進め、ファービーのおかしく、かわいいDNAは残しつつ『新しいともだち!』をコンセプトにした生まれた」とデザインが一新した理由について説明した。
12年ぶりに生まれ変わって復活を果たすファービーは、旧型を凌ぐ人気が出るのか。今後の展開に期待が高まる。
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