アマゾンジャパンは8月から、北海道への受注日の翌日に配送する取り組みを開始した。商品配送に航空輸送の活用を始めたことで実現した。従来まではトラックとフェリーを活用して輸送していたことから受注から配送まで数日間を要していた。札幌市内など一部の地域へは受注当日の配送にも対応する。同社は昨年に沖縄県内への翌日配送にも対応しており、今回の北海道での実施で全国47都道府県での翌日配送に対応したことになる。同社では物流・配送関連業務の安定・強化などのため、物流施設や配送ネットワーク構築などへの投資を強化する方向性を打ち出しており、今回の取り組みもその一環とみられる。
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アマゾンジャパンは8月上旬から、羽田空港から新千歳空港へ運航する全日本空輸(ANA)の旅客機の空き貨物スペースを活用。1日数便を利用して商品を北海道まで空輸する。対象商品は他地域と同様、アマゾンで取り扱う商品のうち、約700万点。前日の正午までの受注分を翌日までに配送する。従来はトラックとフェリーを使って輸送しており、受注から顧客への配送完了まで2日以上かかっていた。航空輸送の活用で配送リードタイムを短縮した。北海道への航空輸送は月間数十万点の商品を配送できる見込みという。
道内でも札幌市や旭川市、函館市、帯広市など新千歳空港に近く、同社の配送網がしっかり整っている一部地域では売れ筋商品を中心に約20万点については当日配送にも対応する。
同社で物流部門を統括するアマゾンロジスティクスのヴァニシュ・ナライン・シング代表(画像㊦)は「物流ネットワークの整備にはコストが伴うが、十分に投資に見合った見返りがあるはず。北海道での顧客の単価・頻度が上がったり、新規顧客が増えることを期待している」と、航空輸送を活用した北海道への配送実施の理由について説明した。
アマゾンジャパンによると、ここ数年間にわたって物流・配送ネットワークの構築のために、物流施設の新設など関連投資を年間数千億円以上、行ってきたという。今年は同等額の投資を行うことに加えて、ラストワンマイル配送の強化のために別途、250億円以上を追加投資することを明らかにしており、今回の北海道への空輸導入のほか、追加投資で「デリバリーステーション」と呼ばれる現在、全国に50カ所ある最終配送拠点の増設や配送を委託する配送事業者の育成・支援、再配達抑制のための専用宅配ロッカーの増設や顧客不在時でも配送員が置き配ができるようマンションのオートロックを解除できる「AmazonKey」の対応マンション数の拡大などを進め、「物流の24年問題」で懸念される輸送力不足を打破していきたい考えのようだ。
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