

ルミネ史上最大規模となる商業施設「ニュウマン高輪」の大部分が開業してから半年を迎えた。首都圏のターミナル駅に直結または隣接する既存のルミネやニュウマンとは異なり、新駅である高輪ゲートウェイ駅直結という立地条件であり、「TAKANAWA GATEWAY CITY」が全面開業していない中で「集客に苦戦している」という声も一部テナントからは漏れ聞く。しかし、3月28日には食にフォーカスした新エリア「ミムレ(MIMURE)」やミュージアムなどの開業を控え、鈴木和馬店長はニュウマン高輪が目指す「本質的価値を追求した新しいまちづくり」が今後さらに進み、形になっていくと展望する。
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ニュウマン高輪は、東日本旅客鉄道(JR東日本)が品川車両基地跡地で進めているまちづくりプロジェクト「TAKANAWA GATEWAY CITY」の中核施設と位置付けられている。未開拓の地で「まちづくり・社会づくりの共創」の役割を担うだけあって、ルミネとしても昨年9月の大部分開業時は、富裕層が住む住宅近接地であるものの、集客が望めるのか、「開業してみないとわからない」「可能性は未知数」と見ていた。






Image by: FASHIONSNAP
ニュウマン高輪の出店テナント
すでに開業しているエリアには約180店舗が出店し、テナントの業種はファッション4割、ビューティ3割、飲食・サービス3割。そのうち新ブランドは11店舗、新業態は10店舗の構成だ。「初上陸」や「新業態」「新ブランド」が占める割合は低く、近年開業してきた新施設と比べるとやや話題性に欠ける印象もあった。「業種構成を数字に落とし込んだ途端に“商業っぽく”なってしまう。初上陸や新ブランドを集積することは僕らがニュウマン高輪で目指す価値ではない」(鈴木店長)とし、あくまでも普遍的かつ本質的価値を追求しているという。
そうしたリーシングの結果、既存のルミネ運営施設では20代、30代の働く女性にフォーカスが当たることが多いが、ニュウマン高輪ではベビーカーを押して歩く子育て中の女性の来館が平日・休日問わず目立ち、具体的な数字は非公表だがルミネにとってもこれまでにない新規顧客層の獲得につながっている。
その背景には、都心でありながらも約5万平方メートルを超える広さを活かした空間づくりがある。各テナントにゆったりとした売り場面積を用意したほか、通路や休憩スペースはいずれも広々とした空間を活かした設計で、子連れ客からも高い評価を得ている。集客が好調なフロアとしては、ルミネとして初めて子どもから大人までが共に過ごせる「こもれびら」を導入したサウス棟5階や、500本以上の植物と富士山を望む絶景空間が広がる高層階の28、29階「ルフトバウム(LUFTBAUM)」などで、コンセプトが立っていることが共通項だという。孫と一緒に来館する高齢者の姿も多く見られるといい、「高輪ならではの街の絵が作れたのは、最初の一歩としては大きな収穫だった」と鈴木店長。






サウス棟28、29階に位置するルフトバウム
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3月28日には食にフォーカスしたエリア「ミムレ」が開業するほか、ミュージアム「MoN Takanawa: The Museum of Narratives」、プレミアムレジデンス「TAKANAWA GATEWAY CITY RESIDENCE」といった施設が稼働を開始し、TAKANAWA GATEWAY CITYがグランドオープンを迎える。今まではオフィスワーカーが少なく、ホテル(ラグジュアリーホテルブランド「JWマリオット」)も本格稼働していなかった。レジデンスにも住民が入っておらず、定住のお客さまがいらっしゃらなかった。いわゆる僕らが得意とするこれらの層が増えていった時、よりパフォーマンスが発揮される部分になるのでは」と相乗効果を期待する。「ザ リンクピラー 1」のサウス棟、ノース棟、そして「ザ リンクピラー 2」に入居するミムレと、売り場が3棟にまたがるが、回遊性は重視せず、「来館目的によって使い分けてほしい」と話す。








ミムレ2階は小川珈琲の新業態が1フロア出店
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ミムレの館内
ミムレもニュウマン高輪の既存エリアと同様に、テナント賃料に依存しない空間づくりを特徴とする。ルミネは「ECでモノが買えるようになった今、坪効率を重視した“集客して入店させるだけ”のショッピング体験には限界がある。モノを買う体験やお金の価値が社会や未来へとつながる、すなわち人の英知を結集し、空間としてサービスを提供することこそがエンゲージメントを生む時代になる」との考えを示す。既存の商業施設にはない価値訴求を徹底し、新たな商業施設のあり方に挑戦することが「ニュウマン高輪の務め」だとし、街の拡張とともに、未完成だからこそ生まれる新しい魅力の発信を目指す。

鈴木和馬ニュウマン高輪店長
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