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インスタカートが画像認識AI企業を買収 ケイパーカートが「売場の目」になる日

客がケイパーカートを押して売場を歩くだけで、搭載カメラが商品の在庫や欠品を検知する。インスタカートはアーパルスの画像認識AIを組み合わせ、リアル店舗の棚とオンライン上の在庫情報をリアルタイムで近づけようとしている。

客がケイパーカートを押して売場を歩くだけで、搭載カメラが商品の在庫や欠品を検知する。インスタカートはアーパルスの画像認識AIを組み合わせ、リアル店舗の棚とオンライン上の在庫情報をリアルタイムで近づけようとしている。

客がケイパーカートを押して売場を歩くだけで、搭載カメラが商品の在庫や欠品を検知する。インスタカートはアーパルスの画像認識AIを組み合わせ、リアル店舗の棚とオンライン上の在庫情報をリアルタイムで近づけようとしている。

在米28年のアメリカン流通コンサルタント
激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

ネットスーパーの「在庫あり」は本当か

ネットスーパーでハーゲンダッツのバニラを注文したのに、配達直前になって「在庫切れ」と通知され、好みではない味への代替を迫られる。

あるいは夕食用に頼んだ牛乳が届かず、結局コンビニへ走る。生活者が不便に感じるのは配達の遅さだけではない。

アプリに映るデジタルの棚と、実際の売場にあるリアルの棚が一致していないことがオンライン食品購入の根深い問題なのだ。

インスタカートが棚認識AIを獲得

インスタカートは7月16日、食品スーパー向けの棚認識技術を開発するアーパルス(Arpalus)の買収を発表した。買収額は明らかにしていない。

アーパルスはスマートフォンやカメラで商品棚を短時間撮影し、そこに何があり、どこが欠品しているかをリアルタイムでデータ化する画像認識AI企業である。

暗い売場でも95%超の認識精度*

食品スーパーの棚はAIにとって難敵である。似たような箱や缶が隙間なく並び、照明は一定ではなく、店内の通信も安定しない。

アーパルスはこうした環境でも、商品を平均95%超の精度で識別できるとしている。

特別な大型機器は不要で、ショッパーが普段使うスマートフォンでも動く。

ただし95%超はインスタカート側の公表値であり、店舗や商品カテゴリーで精度が変わる可能性はある。

60万人が動く棚センサーになる

インスタカートには約60万人のショッパーがいる。彼らは大型店を平均して1日15回以上訪れ、商品の発見、欠品、代替といった情報を集めている。

アーパルスの技術が組み込まれれば、ショッパーは注文品を探すついでに棚を撮影できる。

専用ロボットを全店に置かなくても、日々売場を歩く人そのものが巨大な棚情報ネットワークになるのだ。

カートも歩きながら棚を読む

さらに重要なのが、ケイパーカート(Caper Cart)との連携である。

外側にカメラを備えたケイパーカートは、客が押して通路を進む間に棚を読み取り、店頭在庫の情報を更新できる。

ケイパーカートは商品を自動認識してレジ待ちを減らす決済端末として知られてきた。

今後は客が買物をするほど売場の状態を学ぶ、移動式の「売場の目」という第2の役割を担う。

欠品連絡が届く前に注文を正す

生活者への恩恵は具体的である。例えば、アプリでコカ・コーラ12缶パックとバナナ、ハーゲンダッツを注文したとする。

従来はデータ上で在庫ありでも、ショッパーが棚へ着いて初めて欠品が判明した。

棚情報が高頻度で更新されれば、注文前から「バニラは品切れ、ストロベリーなら在庫あり」と表示したり、代替候補を先に選ばせたりできる。

配達直前の電話、勝手な代替、欠品による返金、夕食の買い直しを減らせるのである。

店側は売り逃しを先回りできる

小売企業にも効果は大きい。夕方のピーク前に牛乳棚の空きや人気スナックの欠品を検知できれば、従業員へ補充を促せる。

メーカーも自社商品が棚の正しい位置に並んでいるか、特売品が十分に補充されているかを把握しやすくなる。

これは年に数回の棚卸しではなく、客とショッパーが歩くたびに更新される「連続棚卸し」に近い。

16億件の注文履歴と棚がつながる

インスタカートはこれまで16億件超の注文を扱い、北米約10万店舗の在庫情報に接続してきた。

毎日の注文、ピッキング、代替から得る固有データは1000万件超に達するという。

ここにアーパルスの棚画像が加われば、「何が注文されたか」だけでなく「実際に棚に何があったか」まで学習できる。

これは生成AIが提案する献立や買物リストの信頼性にも直結する。

AI買物では棚の真実が土台になる

チャットGPTに「今夜のカレーを4人分作りたい」と頼めば、材料を考えて注文まで進めるエージェント型買物が現実になりつつある。

しかしAIがどれほど賢くても、棚にないジャガイモを注文してしまえば夕食は完成しない。

AIショッピングの競争で最後に問われるのは会話の上手さではなく、現実の在庫をどこまで正確に把握できるかである。

買物代行から食品小売のOSへ 

アーパルスの技術は、インスタカートのリアルタイム売場分析「ストアビュー(Store View)」にも組み込まれる。

現在はスプラウツ・ファーマーズ・マーケットなどが試験導入しており、ケイパーカートも世界100都市超へ広がった。

インスタカートの狙いは配達手数料を得ることだけではない。オンライン注文、店内カート、広告、棚在庫を1つの情報基盤で結び、食品小売のOSになることである。

客の一歩が売場を更新する*

これまでスマートカートの価値は、商品登録と決済を簡単にし、レジ行列をなくす点にあった。

そこに棚を読む機能が加われば、客は意識しないまま売場のデジタルツインを更新する。

客が1歩進むたびに棚の情報が新しくなり、その情報が次の客の「ちゃんと届く買物」を支える

インスタカートが買収したのは画像認識技術だけではない。リアル店舗の棚をデジタル経済につなぐ、新しい神経網なのである。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です!

インスタカートが買収したアーパルスは、スマートフォンで棚を撮影し、何が並び、どこが欠品しているかを平均95%超の精度で読み取る画像認識AI企業です。

この技術は約60万人のショッパーだけでなく、外側にカメラを備えたケイパーカートにも組み込まれます。

つまり客がカートを押して買物するだけで、売場の情報が更新されるのです。

これまではアプリでハーゲンダッツを注文できても、配達直前に「バニラがないので抹茶でいいですか?」と聞かれることがありました。

棚とアプリがリアルタイムで近づけば、注文前に品切れを知らせ、代替品も先に選べます。

ケイパーカートはセルフ会計機から、店内を巡回する売場の目へ進化します。

スーパー側には補充の早期化、メーカーには陳列確認、生活者には欠品や買い直しの削減をもたらします。客は棚卸しを手伝っているつもりなどありません。

それでもカートが賢くなっても、買う予定のなかった特売ラーメンまで見つける私の目には、まだ勝てないようです。

最終更新日:

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