
アイスタイルの2026年6月期連結決算は、売上高が前期比19.0%増の818億700万円、営業利益が同29.1%増の40億8500万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同29.4%増の30億1100万円の大幅な増収増益だった。特に、リテール事業との連携により売上・利益が大きく伸長したマーケティング支援事業が業績を牽引した。
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事業別では、コスメ・美容の総合サイト「アットコスメ(@cosme)」を基盤にBtoBサービスを展開するマーケティング支援事業が、売上高同25.2%増の120億8300万円、営業利益が同24.6%増の35億1600万円と大きく伸長した。リテール事業のECと店舗における顧客接点を活用した販売促進施策が好調に推移し、大手ブランドに加えて新たな中堅ブランドとの取引規模が拡大したことを主な要因とした。
店舗およびECサイトを展開するリテール事業は、売上高が同15.4%増の616億9500万円、営業利益が同15.6%増の35億9900万円だった。店舗では、地政学的な影響による一部インバウンド客の減少や地方店舗における成長率の鈍化が見られたものの、2025年6月にオープンした「アットコスメ ナゴヤ(@cosme NAGOYA)」などが貢献し、過去最高の売上高を記録。ECでは物流倉庫の移転に伴う一時的な出荷遅延の影響があったが、毎年6月に開催する販売イベント「アットコスメ スペシャルウィーク(@cosme SPECIAL WEEK)」や「@cosme BEAUTY DAY」の成功が増収を支えた。
グローバル事業では、中国越境ECの復調に加えて2025年12月にオープンした海外初の旗艦店「アットコスメ 香港(@cosme HONG KONG)」の売上が寄与し、売上高は同37.9%増の57億5700万円。一方で営業利益は3億5600万円の赤字となり、前期(1億7600万円の赤字)から赤字幅が拡大した。香港旗艦店において上期だけで2億5100万円のオープン関連費用を計上したことや、オペレーションの最適化に時間を要して売上高が当初計画を下回ったことが主因だ。
美容部員を中心とした人材派遣や企業への投資育成などを展開するその他事業は、売上高が同53.5%増の22億7200万円、営業利益が同1.4%増の1億9100万円だった。第4四半期に海外美容関連企業の営業投資有価証券を売却したことが大きく寄与した。一方で、BtoC課金サービス「BLOOMBOX」が前期2024年12月で終了した影響や、2025年7月にローンチしたサプリメント事業の先行費用の発生が利益を下押しした。
吉松徹郎 代表取締役会長 CEOは「メディア・EC・店舗の“三位一体”の事業基盤が確立でき、次の成長に向けて力強い手応えを感じた1年」と振り返る。現在の化粧品業界については、「大手企業の時価総額減少、インバウンドへの依存、海外輸出額の低迷などといった変革の最中にある。SNSの多様化・細分化によりマーケティングが高度化し、システム投資の肥大化が原因で収益性の維持が困難になりつつある」と認識を示した。
現在の状況を踏まえ、アイスタイルは、次の未来を見据えた3つの成長戦略を推進。「アットコスメは従来のメディア・EC・店舗の“三角形”から、SNS・イベント・AIを加えた“六角形”のサービスへとアップデートする。さらに、サプリメントやフェムケアに続く、新領域での事業展開。そして、東アジアを中心とした『ビューティー経済圏』の確立を目指す」と吉松CEOは語った。
そして、Amazonが保有する第24回新株予約権(合計4360万4700株相当、潜在株式希薄化率約42.5%)の全てを31億5000万円で取得することを発表。取得した新株予約権は2027年6月期第1四半期中に消却する予定で、これに伴い特別損失30億3600万円を計上する見込みだ。Amazonで展開している@cosme SHOPPINGストアについての業務提携は、引き続き継続する。
また、自己株式の取得についても、上限28億円・上限750万株(発行済株式総数の7.5%相当)を2026年8月14日から2027年6月30日の期間で東京証券取引所における市場買付で実施する。配当については、1株当たり年間配当金を前期の1円から2円へ引き上げる。
2027年6月期の連結業績予想は、売上高が同10.0%増の900億円、営業利益が同22.4%増の50億円、経常利益が同20.2%増の51億円とした。親会社株主に帰属する当期純利益については、第24回新株予約権の消却に伴う特別損失の計上により同53.5%減の14億円となる見通しだが、当該損失の影響を除いた場合は同12.9%増の34億円となる。
マーケティング支援事業では、既存の広告・ソリューションサービスにおける取引ブランドの拡大を進めつつ、AI・DX人材の強化やセキュリティコストなどの先行投資を行う。リテール事業では京都と福岡に新規2店舗の出店と、既存3店舗の増床を計画。また、昨年11月に初開催した「Tokyo Beauty Week」を今年も開催を予定する。グローバル事業では、アットコスメ 香港が下期から本格的な利益貢献を見込むとし、前期のオープン関連費用の剥落も寄与してセグメント黒字化を目指す。2029年に向けた中期事業目標では、連結売上高1000億円、連結営業利益80億円を掲げている。
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