
Image by: FASHIONSNAP
「フォーティーセブン('47)」とファッションキュレーターのPOGGYが選出した9ブランドによるコラボレーションベースボールキャップ「JAPAN 9」を先行販売するポップアップが伊勢丹新宿店 メンズ館 1階 プロモーションでスタートした。異例の9ブランド同時コラボ、そして東京発デザイナーズブランドとフォーティーセブンという意外な組み合わせには、ファッション好き&野球ファンたちからも注目が集まっている。フォーティーセブンのブランド担当者が「何もかもが初の試み、だからこそベースボールキャップの新しい可能性に気がつくことができた」と語る同コラボはどのように実現したのか? ポップアップの開催に先駆けてPOGGYに話を聞いた。
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「見たことがない」キャップができるまで
今回のプロジェクトは、フォーティーセブンの本国 アメリカチームからPOGGYにコラボの打診があったことから実現。キャップがトレードマークのPOGGYは「私自身、キャップがとても好きなので嬉しかったです。しかし、今年50歳を迎えることもあり、ただ自分一人がコラボするだけではない、もっと社会のためになることができないだろうかと考えました」と話す。
そこで思い出したのが、20年以上前、セレクトショップのPR時代に自身が企画したプロジェクト「JAPAN 9」。9人制スポーツである野球から着想を得て、スタイリスト9人に、予算やデザインの制限をかけず各々が自分の理想を詰め込んだキャップを作ってもらうという企画で、雑誌への売り込みもPOGGY自身で行った思い出深いものだったという。


当時の企画が掲載された雑誌
2024年8月に「ニューエラ(New Era®)」の傘下に入ったフォーティーセブンは、同じベースボールキャップを主力とする同社との差別化が課題だった。競技用のニューエラに対し、フォーティーセブンはスーベニアショップ発祥でファッション性を重視してきたのが特徴。そこで今回のコラボではPOGGYが“監督”となり、「より多くの人に知ってほしい」と考える注目の若手ブランドを起用。帽子のイメージがないブランドも揃えることで、既成概念にとらわれない“ファッショナブルで新しいベースボールキャップ”を企画した。参加したのは、独自の世界観とクリエイションで人気を集める「アンセルム(ANCELLM)」「ベータ ポスト(beta post)」「カネマサフィル(KANEMASA PHIL.)」「コッキ(KHOKI)」「ミスターイット(mister it.)」「ムッシャン(mukcyen)」「プロレタ リ アート(PROLETA RE ART)」「シュタイン(ssstein)」「ヨーク(YOKE)」の9ブランド。
9ブランドのデザインを深掘り!
「話していると、実は意外と野球と縁のあるデザイナーやチームが多いことを知りました」とPOGGY。コラボでは、各ブランドがベースボールカルチャーへのリスペクトを持ちながら、それぞれのシグネチャーを取り入れたデザインを提案した。ベースとなったモデルには、プロレタ リ アートは四角型のフラットバイザーと深めの被り心地が特徴の「キャプテン」を、それ以外の8ブランドは柔らかいクラウンとカーブしたバイザーを組み合わせた「クリーンアップ」を採用した。
◾️プロレタ リ アート

既存のプロダクトを分解・再構築する制作手法を取り入れたプロレタ リ アート。ブランドがハンドメイドで製作したパーツを、ブランドが指定する刺繍糸や縫製糸を使用してフォーティーセブンが縫製。縫製後には、デザイナーのPROT自ら手作業でヴィンテージ加工を施し、独自の表情を作り込んでいる。「従来のキャップづくりとは全く異なるプロセスで驚きの連続だった」とフォーティーセブンの生産担当者は語る。27万5000円。
◾️アンセルム


ニューヨーク・ヤンキースのキャップをベースに、適度な硬さと端正な表情を持つホースレザーを採用したアンセルム。縫製後に岡山のアトリエで洗い加工を施し、使い込まれたような色ムラを加えることで、ブランドが得意とする経年変化の風合いを表現した。あえて裏地はつけずに仕上げ、革の質感を存分に楽しめる。3万800円。
◾️ベータ ポスト


ダンボールや梱包資材から着想を得たデザイン。表側には木材パルプとポリオレフフィンの複合素材を和紙漉きの製法で仕上げた素材を、内側にはプリーツ加工を施した豚革を使用しており、手触りまでまるでダンボールのよう。通常の生産ラインでは縫製が難しい素材を高い縫製技術によってキャップに仕立てた実験的なアイテムで、フロントには、梱包資材に取り付ける取っ手をモチーフにしたワッペンを配した。3万8500円。
◾️カネマサフィル


老舗丸編みニットメーカーを背景に持つカネマサフィルは、丸編みで仕立てたオリジナルのコットンナイロン生地を使用。繊細な光沢や透け感があり、ヘアスタイルに合わせて柔らかく動くしなやかなドレープやストレッチ性が特徴の軽やかなアイテム。取り扱いの難しい繊細な生地を高度な縫製技術でキャップに落とし込んでいる。1万3200円。
◾️コッキ


デザインチームに野球好きのメンバーがいることから、チーム全員でロサンゼルスでドジャーズの試合を観戦したことがあるというコッキ。そうした体験から、ロサンゼルス・ドジャーズのキャップをベースにしたカーフレザーキャップをデザインした。アップリケのエッジ部分にまで加工を施すなど、細部にもコッキらしさが光る。1点ごとにレザーの風合いが異なるのも特徴。2万2000円。
◾️ミスターイット



ベーシックなフォーティーセブンのキャップをベースに、バイザーのステッカーを刺繍で表現するなど独自のアレンジを加えたミスターイット。「包む」というブランドのアプローチを取り入れ、キャップを包むことでフォルムに丸みを与えるキャップカバーが付属。カバーは、後部に垂れるリボンを結ぶと、キャップを収納して持ち歩くためのミニバッグとしても使用できる。コレクションでもキャップや、服を掛けられるハンガーバッグなどを発表しているミスターイットならではのエッセンスと、フォーティーセブンの持つベーシックなシルエットを融合している。1万7600円。
◾️ムッシャン


ウェアでも使用しているオリジナルのジャカード生地を採用したムッシャン。クラウンとバイザーの刺繍の柄を合わせるなど、緻密な加工が施されている。アジャスター部分には、1943年に設立した全米女子プロ野球リーグのモットーである「Do or die!」を引用した「DOD 1943」のメッセージを加えることで、ムッシャンの提案する女性像とベースボールカルチャーを重ね合わせている。1万3200円。
◾️シュタイン

ブランドオリジナルの高密度コーデュロイ生地を使用した、深い光沢と端正な表情が特徴のシュタインのキャップ。フロントにはフォーティーセブンの創業者である双子の兄弟 アーサーとヘンリーをオマージュした、架空のスポーツクラブの名前を刺繍している。なお、シュタインのデザイナー浅川喜一朗は、まだ知名度の低い若手注目株の野球選手にも詳しく、「今回の9ブランドの中でも特に野球熱の高いデザイナー」だとPOGGYは話す。1万4300円。
◾️ヨーク


ヨークは、通常のコレクションでも使用している一見デニムのような風合いをもつオリジナルのレザー素材を使用した。エンボス加工と中白染めで独特の表情を生み出し、厚みのあるレザーを縫製可能な厚みに調節することで、素材の存在感とヘッドウェアとしての完成度を両立している。2万2000円。
同コレクションは10月中旬からフォーティーセブンの公式オンラインストアでも取り扱う。なお、フォーティーセブンは今回のコラボレーションを通して、「デザイナーたちの感性がキャップに新しい可能性を与えてくれる手応えがあった」とし、今後も東京のデザイナーズブランドとのコラボを続けていく予定だという。
最終更新日:
◾️ポップアップ
期間:2026年9月30日(水)〜10月6日(火)
会場:伊勢丹新宿店 メンズ館 1階 プロモーション
公式オンラインストア
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