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アシックスの循環型シューズ、初代モデルの回収は現状60足 再資源化の難しさ明かす

文・五十君花実

「ニンバス ミライ」の初代と2代目モデルの画像

アシックスの循環型スニーカー「ニンバス ミライ」の初代(左)と2代目モデル

Image by: FASHIONSNAP

「ニンバス ミライ」の初代と2代目モデルの画像

アシックスの循環型スニーカー「ニンバス ミライ」の初代(左)と2代目モデル

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「ニンバス ミライ」の初代と2代目モデルの画像

アシックスの循環型スニーカー「ニンバス ミライ」の初代(左)と2代目モデル

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 アシックスが、シューズからシューズへのリサイクルを目指して設計・開発したランニングシューズ「ニンバス ミライ(NIMBUS MIRAI)」の回収状況を報告した。2024年4月に初代モデル(2万2000円)を発売し、このたび10月15日から2代目となる「ニンバス ミライ2」(2万4200円)を販売している。初代モデルは現状で60足を回収しており、2代目モデルのニットアッパーの一部に、初代モデルから再資源化したポリエステルを使用した。

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店頭回収をしない理由は?

 使用される素材が多く、構造が複雑で、ソールに接着剤も使われるシューズは、一般的にリサイクルが難しい製品とされている。ニンバス ミライは、アッパーをハトメなども含めてポリエステルのみの単一素材とし、熱処理でソールとアッパーを分離できる自社開発の接着剤を使用することで、回収後にシューズからシューズへの再生を可能にした。ただし、「使用後の製品を、どうすればお客さまから回収できるか」という点に大きな困難を感じているという。「循環可能な製品を作ることより、回収の仕組みを作ることの方が難しい」と、アシックスの担当者は実感を込めて話す。

アシックスの発表会に登壇した立石部長ら

発表会に登壇した、右からアシックスの立石純一郎サーキュラーエコノミー推進部部長、パラアスリートの一ノ瀬メイ氏、サーキュラーエコノミー研究家の安居昭博氏

Image by: ASICS

 60足という初代モデルの回収数は、販売数量の1%未満という。「初代モデルは発売からは約2年半で、まだ履き続けていただいている可能性も多いにある」(立石純一郎アシックス サーキュラーエコノミー推進部部長)が、予想していた回収率よりはかなり少なかったと明かす。回収の仕組みは、米テラサイクル社とのパートナーシップで構築。ユーザーが履き古したと判断した段階でウェブから回収申請をする形になっている。

 近年は、店頭に衣料品の回収ボックスを設置するケースも増えている。ニンバス ミライも同様に、ウェブ申請による回収に加えて、アシックスの直営店店頭などに回収ボックスを設置すれば、回収率が上がり、製品やリサイクルの取り組み自体の認知向上にもつながる可能性はある。しかし、日本では廃棄物処理法への対応の必要性から、「衣料品のような店頭回収の仕組みをシューズで構築するには課題がある」と立石部長は話す。

アディダス、オンも方針転換

 アシックスはニンバス ミライ2の発売に合わせ、日本だけでなく中国でもウェブ申請による回収の仕組みをスタートした。これにより、回収数の拡大を目指す。なお、初代モデル由来の再生ポリエステルは、2代目モデルのアッパーの「アシックスストライプ」と呼ぶ柄部分に使用している。重量にして、アシックスストライプの約1%が初代モデル由来の再生ポリエステルだ。2代目モデルのCO2排出量は、初代から約20%削減。また、サステナビリティに注力すると同時に、ランニングシューズとしてのパフォーマンス性の向上も追求し、2代目モデルは初代に比べて片足で約37グラム軽量化した。

「ニンバス ミライ2」の画像
「ニンバス ミライ2」の画像
「ニンバス ミライ2」の画像
「ニンバス ミライ2」の画像
「ニンバス ミライ2」の画像

アシックスが10月15日に発売した「ニンバス ミライ2」(2万4200円)

Image by: ASICS

 スポーツシューズメーカーでは、アディダスが2019年に、製品設計段階から再資源化を念頭に置いたシューズ「フューチャークラフト.ループ(FUTURECRAFT.LOOP)」を発表した。しかし、2024年以降は循環型製品の専用コレクションの新規展開は終了。オンは2022年に使用後に回収する循環型シューズをサブスクリプション形式で提供開始したが、2026年3月にサブスクリプションの終了を発表。循環型シューズの販売は続けつつ、リセール・寄付・リサイクルを組み込んだ仕組みに変更した。

 このように、「リサイクル可能なシューズを作ること」と、「実際に使用済みのシューズを回収・再資源化すること」の間には、依然として大きな隔たりがあり、後者は業界全体として課題となっている。「シューズに使用する素材の開発や選択は各ブランドの価値の源泉に直結するため、業界で共通素材を使うなどして再資源化を働きかけることも難しい」と立石部長。しかし、資源循環の実現は、環境負荷の低減を目指す上で避けては通れない。アシックスが今回、販売数量に対して1%未満だという回収実績を公表したことは、課題も含めて消費者に伝えようとする姿勢の表れ。現状をシェアし、消費者を巻き込むことで、循環型製品の普及を目指す。

最終更新日:

文・五十君花実

Hanami Isogimi

FASHIONSNAP ディレクター

1983年愛知県出身、早稲田大学政治経済学部卒。繊研新聞記者、WWDJAPAN副編集長、編集委員を経て、25年10月から現職。山スキー、登山、ラン、SUPを愛するアウトドア派。ビジネスからクリエイション、ライフスタイルまで、多様な切り口でファッションを取材。音声、動画、コミュニティーなど、活字以外のアウトプットも模索中。

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