コム デ ギャルソン 2020年春夏コレクション
Image by: COMME des GARÇONS

Fashion 注目コレクション

コム デ ギャルソン「オーランドー」第二部作は時を超える——2020年春夏コレクション

コム デ ギャルソン 2020年春夏コレクション
Image by: COMME des GARÇONS

 デザイナー 川久保玲が手掛ける「コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)」の2020年春夏コレクションは、ヴァージニア・ウルフ原作の「オーランドー(Orlando)」に関連した三部作のうちの二部作目。過去から未来へと時を超えるコレクションとなった。

 コム デ ギャルソンは、12月8日からウィーン国立歌劇場で上演するオペラ「オーランドー」で衣装制作を手掛けることが決定している。劇場の創立150周年を記念したもので、作曲のオルガ・ノイヴィルト(Olga Neuwirth)と演出のカロリーネ・グルーバー(Karoline Gruber)、そして衣装の川久保玲、いずれも女性が手掛けることでも注目を集めている。

 オーランドーといえば、主人公が16世紀から20世紀まで300年以上にわたり時代を超えて生き、男性から女性に転換するというジェンダーを扱った稀有な小説として知られる。コム デ ギャルソンは、そんなオーランドーの生き方に共鳴してコレクションを制作。パリで6月21日に発表した「コム デ ギャルソン・オム プリュス(COMME des GARÇONS HOMME PLUS)」と9月28日に発表した「コム デ ギャルソン」それぞれの新作コレクション、そしてオペラの舞台衣装、合わせてオーランドー三部作と位置付けている。

 

 第一部作として発表したコム デ ギャルソン・オム プリュスの2020年春夏コレクションでは、男性服でありながら女性服の要素を持ち合わせ、性別や時代性が交錯するディテールが取り入れられていた。続くコム デ ギャルソンの発表は9月28日、会場はパリ8区にあるコンサートホールSalle Pleyelのロビー。赤いカーペットに一本のシンプルな白いランウェイが設置され、第一部のオム プリュスから更に時代性を色濃く感じさせるコレクションとなった。オーランドーが生きたエリザベス朝からエドワード朝、そして現代へ。

 

 前半は貴族を連想させる華やかな色柄で、ファーストルックは織り柄と立体的な装飾で花々をあしらったローブ。ラウンドするフォルムとカッティングが特徴だ。エリザベス一世のような赤毛を結い上げ、メイクは骨格がはっきりとしていて男性的。続くルックも時代性が織り混ざり、女性がスカートを膨らませるために腰に巻く詰め物があらわになっていたり、ちょうちんのように膨らんだスカートは男性が履いていたトランク・ホーズにも見える。

 オムでも登場したブランドロゴをあしらったジャケットや、ロゴがフリンジになっているセットアップもある。足元はヒール部分にギャザーを寄せたパンプスや、コラボレーションとして「レペット(Repetto)」のショートブーツ、「ジョン・フルーボグ(John Fluevog)」のサイドゴアブーツを履いていた。

 

 中盤から色が消えてモノトーンの世界に変わり、華美な装飾を控えてボリュームやフォルムで表現。「ナイキ(NIKE)」のコラボレーションスニーカーを履いた現代的でスポーティーなレギンスや、前半に登場したルックを黒一色に変えたスタイルも混ざる。

 

 そしてラストはコム デ ギャルソンの未来を創造するような4ルック。黒一色でそぎ落とされたデザイン、残るのはフォルムのみ。ラスト一体は、音楽が止み足音だけが響く中、光の中へと消えていった。

 時代は繰り返されながらも変化し、解放へ向かう。そんな時と性の感覚を揺るがすような一連のコレクションだった。12月に発表されるオーランドーのオペラでは両コレクションとは全く異なる衣装になるというが、どのような結末を見せてくれるのだろうか。

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