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Dior 2026-27年秋冬コレクション

Dior 2026-27年秋冬コレクション

Image by: Dior

ディオールの夢の庭園へ ジョナサン・アンダーソンが花や草木から紡ぐ「装いの芸術」

2026-27年秋冬コレクション

Dior 2026-27年秋冬コレクション

Dior 2026-27年秋冬コレクション

Image by: Dior

 ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)が「ディオール(Dior)」のクリエイティブ ディレクターに就任して2シーズン目となる2026-27年秋冬。前季に提示したメンズ、ウィメンズ、オートクチュールという3つのコレクションの延長線上にあり、さらにアイデアを深めつつ、より軽やかに表現した。舞台となったのは、パリ中心部のチュイルリー庭園。蓮が浮かぶ池の上に設けたランウェイで、花々のようなコレクションが陽光を浴びて輝いた。

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緑の椅子と夢のような庭園

 ショーの招待状として届いたグレーの箱の中に入っていたのは、ミニチュアの緑の椅子2脚。パリの公園内に点在し自由に座ることができる、公共の椅子を模したもの。憩いの場には欠かせない、パリの象徴的な存在だ。

 今シーズンの着想源は、ディオールが過去に何度もショーを行ってきたチュイルリー庭園そのもの。1564年にカトリーヌ・ド・メディシスにより整備が始まり、ルイ14世の要望で再設計、1667年に市民へ開かれた公園となったが、当時は厳しい服装規定があったという。さまざまな装いの人々が集う現代も、園路は自然と“見られる場所”になっている。ジョナサンはそこに、パリの生活が持つ日常の舞台性を見出した。

 ショー会場の池に、あえて人工の蓮を浮かべることで現実と非現実が混ざり、まるで夢の中のような雰囲気を漂わせる。客席は池をぐるりと囲む散歩道の緑のベンチで構成され、池の中央の橋からモデルが登場した。

自然と人工物の対話 

 ファーストルックは、メゾンを象徴するバージャケットをニットで仕立て、幾重にも重なるフリルのスカートを合わせた。フリルには、ムッシュ ディオールが好んだポルカドットとスカラップ刺繍が施されている。ペプラムがラッフル状に広がるシルエットは花弁のようでもあり、今季の核となるシルエットのひとつだ。また、花や草木といった自然と、職人の手仕事による人工物の対話は、今年1月発表の2026年春夏オートクチュールコレクションを引き継いでいる。

ダメージデニムに刺繍 日常着を更新

 コレクションテーマについて「パリの生活ならではの絶え間ないアイデアと日常の劇場性」とジョナサンが語る通り、デイリーウェアがベースとなったスタイルも多い。ジョナサンのプレタポルテに欠かせないデニムは、日本製のダメージジーンズにビジューを刺繍するなど、手仕事によって価値を高めた。クロップ丈のバージャケットの内側にクリスタルを散らしたフリルをたっぷりと仕込んだ花束のようなトップスには、ブリーチデニムをスタイリング。絶妙なバランスは、ジョナサンとタッグを組み続けるスタイリスト ベンジャミン・ブルーノの手腕も大きい。

アーカイヴの大胆なアレンジ

 ジョナサンがファーストコレクションから着目しているメゾンのアーカイヴを、より軽やかなイメージで更新。1949年の「ジュノン」ドレスのフリル、1948年の「デルフト」ドレスの重なるひだといった意匠を、ウェアラブルに解釈し直している。歴代デザイナーの一人であるポール・ポワレに着想した2026年秋冬メンズコレクションのブロケードを、今回のウィメンズでも多用。鮮やかでドラマティックなドレスやスカートは、過去にメゾンを率いたジョン・ガリアーノを彷彿とさせながら、ジョナサンの溢れるアイデアによって大胆にアレンジを加えている。

蓮やカエルがアクセサリーに

 花の装飾はテキスタイルで作り込まれ、クチュールメゾンの技術を端正に伝える。一方でコスチュームジュエリーや小物は、愛らしいモチーフが満載だ。瑞々しい蓮がデザインされたイヤリングやサンダル、カエル型のミニバッグなど、庭園の植物や小さな生き物にフォーカス。さらに、1月のオートクチュールで発表したピーナツ型のクッションバッグも登場している。

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3つのコレクションが1つの物語に

 メンズとウィメンズの連動、プレタポルテからオートクチュールへの昇華、さらにはオートクチュールの技術をプレタポルテに落とし込む。ジョナサン・アンダーソンという1人のディレクターだからこそ可能な、メゾンの全コレクションをシームレスにつないだ物語が、ファーストシーズンを経て熟度を増している。歴史あるメゾンを担う重圧を背負いながらも、軽快さと遊びを感じさせるほど、アイデアは尽きることがない。日常の中でファッションが担う普遍的な役割と、自然の美から見出した装いの芸術が響き合い、新時代に突入したディオールの道筋を色鮮やかに照らすコレクションとなった。

DIOR 2026年秋冬

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2026 AUTUMN WINTERファッションショー

最終更新日:

FASHIONSNAP ファッションディレクター

小湊千恵美

Chiemi Kominato

山梨県出身。文化服装学院卒業後、アパレルデザイン会社で企画、生産、デザイナーのアシスタントを経験。出産を経て、育児中にウェブデザインを学びFASHIONSNAPに参加。レコオーランドの社員1人目となる。編集記者、編集長を経て、2018年よりラグジュアリー領域/海外コレクションを統括するファッションディレクターに就任。年間60日以上が出張で海外を飛び回る日々だが、気力と体力には自信あり。

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