ADVERTISING

「バックパックは退屈だった」 リュックの固定観念を覆す伊発「DONE!」とは

聞き手&文・橋本知佳子

 イタリア・ミラノ発のライフスタイルブランド「ダーン!(DONE!)」が、関西エリア初となる期間限定店を阪急うめだ本店1階で開催している。期間は10月14日まで。

ADVERTISING

 ダーン!は、2024年5月にデビュー。ローマ空港やミラノ中央駅での大型ポップアップに続き、今年9月には名古屋で国内初のポップアップを開催するなど、ビジネスをグローバルに広げている。SNSで発信するファッショナブルな世界観も特徴だ。手掛けるのは、ファッション業界未経験でブランドを立ち上げたCEO・ファウンダー・デザイナーのステファニア・ヌッティ(Stefania Gnutti)。「これまでのリュックは退屈だった」と語るステファニアに、ブランドの展望について聞いた。

ダーン!CEO・ファウンダーのステファニア・ヌッティ(Stefania Gnutti)

Image by: FASHIONSNAP

バックパックはどれも似ていてつまらない

── ダーン!は「ライフスタイルブランド」を掲げながら、シグネチャーとしてバッグパックを提案しています。なぜ、「バックパック」に注目したのでしょうか。

 私はよく旅をして人々の写真を撮るのですが、旅行者もビジネスパーソンも、誰もがバックパックを背負っていることに気がつきました。しかし、どれも同じような縦型のデザインで、素材もブランドも似たり寄ったり。市場にはスタイル、機能、デザインを融合させた、単なる日用品(コモディティ)以上の“一歩進んだバックパック”がない。ならば作ろうと思ったんです。

── これまで、ファッションに携わった経験は?

 ファッション業界での経歴はまったくありませんでした。大学で経済や企業法務を学び、マーケティングの修士号を取得した後、機械産業の世界で働いていました。ブランドを立ち上げると決めてから、最初の3年間はひたすら学ぶことに費やしましたね。世界各地の工場を回り、専門家に話を聞き、独学でものづくりのノウハウを蓄積したんです。

──ブランドを運営するメンバー構成は?

 ミラノのショールームを拠点に7人のチームで運営しています。営業、PR・マーケティング、物流・Eコマース、プロジェクトマネージャー、事務、そして最近、素材リサーチなどを担当するデザイナーが新たに加わりました。20代から50代まで幅広い年代のメンバーが集まっており、男性1人を除いて全員が女性です。

──シグネチャーのバックパック「EAST+WEST」は、横長のフォルムが特徴です。

 市場の主流である「縦型」の逆を行きたいと考えました。インスピレーションソースになったのは、1930年代に見られた横型のヴィンテージバッグです。横型は背負った時に背中の高い位置に収まるため、従来のリュックよりも美しく、ファッション性が高いと考えています。

イースト+ウエストLサイズ (9万6800円)

Image by: DONE!

── 旅行好きならではの機能面でのこだわりを教えてください。

 バックパックとしてだけでなく、ショルダーバッグやハンドバッグとしても使えるようにしました。電車の中やカフェなど、バッグを背負っていると邪魔になりがちな場所でもスマートに持ち運ぶことができます。着脱可能なストラップは、ライフスタイルに応じて脱いだジャケットやヨガマット、カメラの三脚を固定するのにも使えますし、ベビーカーのハンドルに通して吊り下げることもできます。

イースト+ウエストMサイズ (7万9200円)

 ファスナーは安全性と外見の美しさのために全てカバーで隠し、ライナーは持ち物を探しやすいよう、鮮やかなオレンジに統一しています。内側のポケットはマグネット式で、ポーチとして取り外して使うことも可能。素材は、認証済みリサイクルナイロンや、生産工程で生じる端材を活用したアップサイクルレザーなど、環境負荷に配慮した素材を採用しています。

── 素材だけでなく、社会的なサステナビリティ活動にも力を入れていますね。

 素材の環境配慮は当然のことですが、私たちが特に重視しているのは「社会的サステナビリティ」です。「Save the Planet」という団体を通じて、年に2回アマゾンのマナウスにある学校へ赴き、週に4時間、自ら持続可能なプロジェクトの作り方などの授業を行っています。サステナビリティにおいて「教育」こそが最も重要だと考えているからです。シグネチャーの「East + West」というネーミングには、バッグの形状のほか、北から南への“上下関係”を示唆する縦長ではなく、東と西を水平に文化的につなぐという思いが込められています。来年はモロッコのマラケシュでも、女性の権利やジェンダー平等に関する教育支援プロジェクトをスタートする予定です。

固定観念を崩して、一歩先のバッグを提案する

──ヒールやスーツに合わせたスタイリング提案など、従来のバックパックブランドとは異なるアプローチが印象的です。

 多くの人が日常的にバックパックを使用しているのに、市場に溢れる既存のデザインは「とても退屈だ」と感じていました。仕事用やアウトドア用として機能性に振り切り、デザイン性は二の次であるというようなバックパックの固定観念を崩し、「ファッションアイコン」として打ち出したいと考えています。毎日持ち歩くバッグだからこそ、機能的でありながら自分らしさを表現できるものにしたいんです。

 ヴィジュアルやスタイリングは、数ヶ月におよぶ丁寧なリサーチに基づいて企画しています。既存のバックパックブランドが提案するスポーティなイメージや、クラシックなイメージではなく、現代のライフスタイルに合わせた提案をしたい。そのために今年からはスタイリング提案を織り交ぜた動画の発信にも力を入れています。

 ブランドとして目指すポジショニングは、日常生活とファッションの中間。私たちは大手ブランドでも、高級ブランドでもありません。しかし、実用性もファッション性も諦めたくない。そのために、カプセルコレクションではパイソン風のプリントやメタリック素材などを取り入れ、遊び心のあるカラーや柄を選べるようにしています。

ビューティバッグ(4万2900〜4万9500円)

── 新型として、ショルダーバッグやクラッチバックとしても持てるバニティバッグ「ビューティバッグ」も発表しました。

 バスルームで使っていたコスメポーチから着想を得たものです。これも、固定観念を崩して、一歩先のバッグを提案するという点では「East + West」と共通しています。

ビューティバッグ

Image by: DONE!

── ターゲットにはどの層を設定していますか?

 メインターゲットは35歳以上の大人です。想定しているペルソナ像やライフスタイルはさまざまですが、共通しているのは「スタイリッシュでエネルギッシュ、オープンマインドで、周囲に良いエネルギーを与える人たち」という点でしょうか。

バッグのように持てるPCケースも新登場した(2万9700円)

──ブランドを立ち上げて約2年が経ちました、現在までの手応えと、日本市場への期待を教えてください。

 立ち上げ当初は、横型リュックが全く認知されておらず、価値を伝えるのに苦労しました。しかし、今年に入ってからイタリアを中心にSNSなどで少しずつ反響が表れてきたように感じます。急激で一時的なトレンドではなく、人々の生活の拠り所となるような、長く続くブランドに育てたい。日本市場は、簡単な市場ではなく、「信頼を獲得すること」がとても重要なマーケットだと理解しています。しかし、3年の研究をかけて磨き上げたデザインのこだわりは、日本の方々にも理解していただけると確信しています。

最終更新日:

◾️DONE! POP UP STORE in 阪急うめだ本店 開催概要
期間:2026年10月7日(水)~10月13日(火)
会場:阪急うめだ本店1階プロモーションスペース12
所在地:大阪府大阪市北区角田町8-7
営業時間:10:00~20:00

聞き手&文・橋本知佳子

Chikako Hashimoto

FASHIONSNAP 編集記者

東京都出身。映画「下妻物語」、雑誌「装苑」「Zipper」の影響でファッションやものづくりに関心を持ち、武蔵野美術大学でテキスタイルを専攻。大手印刷会社の企画職を経て、2023年に株式会社レコオーランドに入社。ファッション小物・アクセサリー、繊維企業を中心に取材。

ADVERTISING

現在の人気記事

NEWS LETTERニュースレター

人気のお買いモノ記事

公式SNSアカウント