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ファストリが2期連続で過去最高業績更新、海外ユニクロ事業が奏功<2018年ハイライト>

 ファーストリテイリングは今年、大型コラボや著名スポーツ選手とのアンバサダー契約に加えて、サステナビリティへの取り組みやパリでの展示会で海外からも注目を集めた。特筆すべきは、前期に続き過去最高の業績を更新した裏で、海外ユニクロ事業の売上収益が国内を上回ったことだ。2019年の出店計画を含め、同社の2018年の動きをまとめた。

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【目次】
グループの業績と全体の取り組み
ユニクロの取り組み
GUの取り組み
【まとめ】
1年間のできごと

グループの業績

 2018年8月期の連結決算では、国内ユニクロ事業、海外ユニクロ事業、ジーユー事業において増収増益を記録。前年に続き過去最高の業績を更新した。特に海外ユニクロ事業は好調で、初めて国内ユニクロ事業の売上収益を超えた。主な背景として、グレーターチャイナや東南アジアが事業の柱として成長ステージに突入。米国ユニクロ事業は赤字幅が大幅に縮小しており、来期には黒字化を目指すという。

 一方で、グローバルブランド事業の営業利益は41億円の赤字となった。減損損失を99億円計上したコントワー・デ・コトニエ事業をはじめ、プリンセス タム・タム事業およびJ Brand事業で赤字が継続したことが要因。セオリー事業は増収増益だった。

2018年8月期連結決算
【全体】
売上収益:2兆1,300億6,000万円(前期比14.4%増)
営業利益:2,362億1,200万円(同33.9%増)
当期利益:1,693億7,300万円(同31.4%増)
【国内ユニクロ事業】
売上収益:8,647億円(前期比6.7%増)
営業利益:1,190億円(同24.1%増)
【海外ユニクロ事業】
売上収益:8,963億円(同26.6%増)
営業利益:1,188億円(同62.6%増)
【ジーユー事業】
売上収益:2,118億円(同6.4%増)
営業利益:117億円(同13.1%減)
【グローバルブランド事業】
売上収益:1,544億円(同9.5%増)
営業利益:マイナス41億円(前期は5億円の黒字)

グループ全体での取り組み

島精機製作所との関係強化

イノベーションファクトリーで開発された無縫製ニット「3D U-Knit」 Image by: FASHIONSNAP.COM

 島精機製作所との取り組みは、ホールガーメント製品を生産する合弁会社「イノベーションファクトリー」の発足を機に本格化。2017年秋冬シーズンから縫い目が無い立体成型が特徴の「3D U-Knit」を展開している。今年は戦略的パートナーシップを強化し、中長期的で包括的なニット商品の開発と技術革新への取り組みを加速すると発表した。

サステナビリティへの取り組み

 同社は「原材料」「動物愛護」「商品の品質と安全性」の3つをテーマに、サステナブルな商品の実現に向けて取り組んでいる。2018年秋冬商品からはリアルファーの使用を禁止。また、2020年までにユニクロ事業に加えて、セオリー事業やプラステ事業など傘下の全7ブランドにおいてモヘアの使用を停止すると表明している。

 このほか、同グループが運営するロサンゼルスのジーンズの研究・開発施設 「ジーンズイノベーションセンター(JEANS INNOVATION CENTER)」で、ジーンズの加工工程の水使用量を最大99%、平均90%以上削減する技術を開発。ナノバブルやオゾンでジーンズを洗うウォッシュマシーンと、ジーンズデザイナーの技術をかけ合わせることで、品質やデザインを保ちながら加工工程の水使用量を大幅に削減するという。技術の詳細は、2019年初頭に発表を予定している。

ユニクロについて

 ユニクロでは、展覧会やコラボレーション、プロスポーツ選手とのグローバルブランドアンバサダー契約などを通して、ブランドの世界観や技術をアピールする機会が目立った。今年の大きな動きを4つのポイントでまとめた。

①パリで初の展示会
②大型コラボレーション
③スポーツ選手との契約
④海外出店

①パリで初の展示会

ユニクロのニットの展覧会 Image by: FASHIONSNAP.COM

 ファッションウィーク期間中のパリで、一般公開する大規模な展覧会としては初となる特別展覧会「The Art and Science of LifeWear: Creating a New Standard in Knitwear」を開催。ユニクロのニットウェアを2つのテーマから掘り下げ、島精機製作所の技術「ホールガーメント」の製造プロセスや、中国にある生産工場の内装を再現したインスタレーションなどを公開した。初日に行われた柳井正社長によるプレゼンテーションには、世界18ヶ国からメディアが集まった。

②大型コラボレーション

スペシャルコレクション「UNIQLO and ALEXANDER WANG」の新製品発表会に登壇したユニクロ R&D統括責任者 勝田幸宏(左)と仲里依紗 Image by: FASHIONSNAP.COM

 今年も様々なブランド、キャラクター、アーティストとコラボレーションを発表した。上半期には「マリメッコ(Marimekko)」や「ジェイ ダブリュー アンダーソン(JW ANDERSON)」と協業。「トーマス・マイヤー(Tomas Maier)」とのコラボレーションではユニクロ初のリゾートウェアを製作し、有明に構える社屋UNIQLO CITY TOKYOでコレクションを披露した。下半期にはファッションデザイナーのアレキサンダー・ワン(Alexander Wang)と10年ぶりとなるコラボレーションが実現。インナーウェアにとどまらないヒートテックを提案した。

③スポーツ選手との契約

 ユニクロは、世界をリードするアスリートたちとパートナーシップを結び、ユニクロブランドとLifeWearコンセプトの価値観を表象する「グローバルブランドアンバサダー」に起用している。これまでプロテニスプレイヤーの錦織圭をはじめ、プロ車いすテニスプレイヤーの国枝慎吾やゴードン・リード(Gordon Reid)、プロゴルファーのアダム・スコット(Adam Scott)などと契約を結んできたが、今年は新たにプロテニスプレーヤーのロジャー・フェデラー(Roger Federer)とプロスノーボーダーの平野歩夢の2選手がアンバサダーに加わった。

■ロジャー・フェデラー

 7月2日にグローバルブランドアンバサダー契約を締結したと発表。複数年にわたる契約で、契約額は非公開としている。なお、フェデラーにとっては「ナイキ(NIKE)」から乗り換えたかたちとなり、2018年のウィンブルドン選手権からユニクロのウェアを着用している。

■平野歩夢

グローバルブランドアンバサダー契約を締結したプロスノーボーダーの平野歩夢選手Image by: FASHIONSNAP.COM

 今年の平昌オリンピック男子ハーフパイプで銀メダルを獲得した平野。アンバサダー契約により、2018年と2019年の冬季シーズンから競技中のアウターはカスタムメイドのユニクロのスノーボードウェアを、インナーにはユニクロの通常商品を着用する。なお、ウェアの一般発売は予定されていない。

④海外出店

 今年は秋にオランダハワイに進出し、フィリピンには東南アジア最大のグローバル旗艦店を出店するなど、グローバルで出店を拡大している。2019年にはデンマークインドベトナムイタリアへの出店を計画。イタリアはユニクロにとってヨーロッパで10ヶ国目の市場となり、ファッションの本場であるミラノに店舗を構える予定だ。

 

GUについて

初のデザイナーコラボ

 ブランド初となるファッションデザイナーとのコラボレーションが実現した。相手はキム・ジョーンズ(Kim Jones)。昨年大行列を作った「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」と「シュプリーム(Supreme)」のコラボレーションの仕掛け人でもある。

 コラボレーションでは、10年前に終了したキム自身の名前を冠したブランド「キム ジョーンズ(KIM JONES)」の過去のコレクションピースを復活。3回にわたりアイテムが発売された。

キム・ジョーンズ Image by: FASHIONSNAP.COM

■その他のコラボレーション

 キム以外にも「エヴァンゲリオン」や「PEANUTS」「Barbie」「NASA」とコラボレーションしたほか、アーティスト兼イラストレーターの澁谷忠臣とのメンズコレクション「EYES LOVE TOKYO」を発売。来年1月4日にはMTVとのコラボ商品の販売を予定している。

原宿に"試着専門店"オープン

「GU STYLE STUDIO」店内 Image by: FASHIONSNAP.COM

 ショールーミング形式の次世代型店舗「GU STYLE STUDIO」が11月30日にオープン。同店専用のデジタルサイネージ「ジーユースタイルクリエイタースタンド(GU STYLE CREATOR STAND)」や、新公式アプリ「ジーユースタイルクリエイター(GU STYLE CREATOR)」を活用し、オンラインとオフラインをつなぐ新しい購入体験を提供している。

韓国への出店

 9月に韓国1号店をオープン。また初の試みとして、オープンに先駆けて公式アプリを8月1日に、オンラインストアを9月1日に公開した。現在は韓国の他に、上海、台湾、香港などで海外店舗を展開しており、2017年春に初出店した香港が特に好調だという。

次ページは>>ファーストリテイリングの1年間の出来事をニュース記事でおさらい

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