Image by: fuuka
人気ヘアスタイリストを紐解く連載第5回。今回フィーチャーするのは、“自分を曲げない”ポジティブな信念を持つデビュー2年目のune、fuukaさん。自身がインスタントカメラで撮影した日常風景とともに、彼女の今とこれからに迫ります。
#5 fuuka ふうか
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1996年10月29日生まれ。島根県出身。広島美容専門学校卒業後、1店舗を経て2020年にuneに入社。2021年1月にスタイリストデビュー。
une ウネ
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2019年にオープンした表参道のヘアサロン。オーナー・英香を筆頭にナチュラルの中に“その人らしさ”を織り交ぜたおしゃれなヘアスタイルが人気。インテリアにもこだわった美術館のような店内も魅力的。
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ー美容師になろうと思ったきっかけを教えてください。
小さいころから物を作ることが好きで、将来は自分がデザインが何らかの作品になればおもしろいなと漠然と思っていました。 “美容師”という選択肢が一気に具体的になったのは、高3のとき母に「美容師になったら? 美容師になってお母さんの髪を切ってよ!」と言われたときでしたね。
ーお母さんも美容師だったのでしょうか?
いいえ。でも母には、地元島根を出て上京したかったのに祖母の反対で叶わなかったという過去があり、娘の私には「自分の好きな道に進んでほしい」と思ってくれていたようです。
母の後押しもあって、高校卒業後は広島の美容の専門学校に進学しました。中国・四国地方の中でも広島は大都会。卒業後は地元に戻ってくるようにと私も母に言われていたのですが、刺激をたくさん受けた私には、「(これから)やるんだったら東京に行きたい!」という気持ちが芽生えていきました。そして東京のサロンの面接にタイミングよく受かり、思い切って上京したんです。
ー次は東京で挑戦したいと思うほど、広島が刺激的だったのはどんなところだったのでしょう?
もう本当にすべてが衝撃でした。人は島根より格段に多いし、駅周りの華やかさも地元とは全然違う。美容師さんのモデルハントを初めて見たのも広島でした。
それと専門学校のブライダルの先生との出会いも、今の私の人生に大きく影響していると思います。今でも先生にいただいた「明・元・素」という言葉は、私の座右の銘となっています。
ー「明·元·素」とはどんな意味なのでしょうか?
文字通り、「明るく、元気に、素直に」の頭文字をとった言葉で、何事も明るく元気に素直に挑戦していけば、楽しみながら自分の身になっていく、という先生のオリジナルの格言です。デビューした今もこの言葉を大切にしています。
ーまさにfuukaさんの明るいお人柄を表すような言葉ですね。お話を聞いているとすごく前向きな性格でいらっしゃるなと感じます。
わりと嫌なことがあってもすぐプラスに考えられるほうかもしれません。というより、「辛いことでも切り替えて良いように捉える」というのは毎日心がけていることかも。
そのブライダルの先生も何事も前向きに考えるハッピーな方だったので、先生に出会ってから物事をよりプラスに捉えられるようになった気がします。
ー上京後に入社された1社目のサロンでは、“なりたい美容師像”などはあったのでしょうか?
1社目に入社したサロンは大手だったこともあり、ブライダル撮影や外部の仕事をたくさんしているサロンでした。いつか私も撮影をやってみたい。そう思って入社を決めたこともあり、“撮影に携われる美容師になる”というのは目標のひとつでしたね。ありがたいことにアシスタント時代にはたくさん撮影に同行させてもらって勉強の機会をいただきました。
ー新人時代から、髪を切る以外で努力していたことはありますか?
人に左右されず、「自分のアイデンティティはぶらさずに生きていこう」と思っているのは、今も昔も常に努力していることかもしれません。環境が替わるたび、「飲み込まれないようにしなくちゃ」みたいな気持ちは美容師1年目のときからありました。自分は自分らしくポジティブで前向きに生きていきたいというのは、今までもこれからも大事にしていきたいというのはあります。
ーその後、現サロンuneに入社されます。uneに入ろうと思った決め手は?
1社目のサロンに入社して3年目、デビュー間際のころにuneのオーナーの英香さんに出会ったんです。実はオーナーのところで髪を切るまでは、自分のサロン以外で髪を切ったことがなくて。ふと、他のサロンで髪を切ってみようと思い立って向かったのが英香さんのところでした。そこで、新しくuneができると聞いて、スイッチが入ったんですよね。初対面だったのですが、「この人についていきたい!」って。
ー運命みたいですね。ついていきたいと直感したのはどんなところでしたか?
何よりも話し方や雰囲気、英香さんの佇まいなどに惹かれたんだと思います。私、髪を切ってもらう上では“人柄”を大切にしたいと思っていて。技術やセンスももちろん大切な要素ですが、英香さんのほがらかな雰囲気に惚れ込んだんだと思いますね。
あとは、女性がトップの組織に身を置きたかったというのもあります。いずれ自分もお店を持つタイミングや、例えば結婚出産となったときも、どう動き、どうあるべきかなども含めて学んでいきたかった。今後自分にとって大切なのは女性がトップである組織に身を置くことなんじゃないかなと思って、一緒に働きたいです!と猛アピールしました。
ーuneで働き初めて今年で3年目とのことですが、振り返ってみていかがですか?
来てよかったなって思います。今uneのメンバーは8人と少人数。するとスタッフ同士もいい意味で仲が深くなります。そういう仲の良さもお客さまに自然と伝わって、「仲いいですね」と言われたときに「そうなんです!」と嘘じゃなく言える環境がある。それがuneのいいところだなって。
1社目のサロンが比較的大所帯だったこともあるかもしれませんが、こうやって一人ひとりの想いや考えていることを汲み取ってもらえる環境で働けているのはとても幸せだなと思いますね。
ーこれまでで一番うれしかったことを教えてください。
日々のサロンワーク中に、お客さまに感謝されることですね。uneでは一人でサロンワークをこなすことが多いので、自然とお客さまと1対1で話す機会が多くなります。「親身になって話してくれるのがうれしい」というお客さまからの言葉がうれしいから、これからもそういう時間を大切にしたいなと思いますね。
ーやっぱりfuukaさんにとって人柄や人との繋がりが大切なのですね。
そうですね。私も大事にしたいし、お客さまもそれを大事にしてくれている方が来てくださっていると思うので「会えてよかったです」という言葉を聞けたときが一番嬉しいですね。日々、ありがたいなって。
ー普段のサロンワークと平行して成人式のプロジェクトもやられているようですね。
はい、成人式を諦めてしまった方に成人式の撮影会を提案するMOBRIGHTというプロジェクトをボランティアの形でやらせていただいています。貧困や家庭環境など何らかの理由でできなかった成人式の思い出を「やってよかったな」という、いい思い出に変えられるお手伝いができればと、1社目の先輩と一緒に始めました。毎月行っているわけではないのですが、20歳以外の方の前撮りもお手伝いすることもあります。
ーMOBRIGHTのInstagramを拝見すると、多くの方の晴れ着姿をサポートされてきたことがわかります。やってみていかがですか?
日々のサロンワークとはまた違ったやりがいがありますね。じつは将来、介護ホームや身体が不自由な子どもたちの元へ行って髪を切りにいく活動をしてみたいと考えていて。こういったボランティア活動の経験を積極的に積みたいと思っています。まだまだ勉強しなくてはならないことは山積みですが、髪を切るという自分の技術が活かせるのであれば、さまざまな場所で活かしていきたい。そう思っています。
ー最後にこれから美容師になる方々へ向けてのメッセージをお願いします。
私もスタイリストになってまだ2年目の未熟者ですが、そんな私から言えることは、何事も恐れずに挑戦しようということです。美容師になりたてのころは、楽しいことがある反面どうしても乗り越えられないことや苦しいこともたくさんあると思います。でも、挑戦して失敗をすると、そこに学びや次につながるステップをつかめるはずです。周りの人や自分自身への感謝を忘れずにこれから美容師になるみなさん、一緒に頑張っていきましょう!
「『#今日のふう』というオリジナルのハッシュタグ付きで毎日コーディネートをInstagramに投稿しています」
(写真:fuuka、企画・編集:福崎明子)
編集者、ライター
出版社2社を経て独立。書籍の企画・編集、ブックライティング、記事等のインタビューなど活動中。ペンギンが好き。「now&then」の聞き手、文を担当する。
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