Fashion インタビュー・対談

【インタビュー】デザビレ村長 鈴木淳「趣味でモノを作る人にデザイナーが負けてしまう時代が来る」


■デザイナーに必要なこと

―「writtenafterwards」の山縣良和氏との思い出は?

 みんなそれぞれ印象深いですが、「writtenafterwards」の山縣くんはよく悩んでいて話す機会も多かったですね。毎月定期的に各デザイナーを指導する補習メニューを組んでいたのですが、「writtenafterwards」もその1つでした。当時は洋服を作っていなかったですし、デザビレに入った時は資金もなくて色々試行錯誤していましたね。2010年に「TABLOID(タブロイド)」でショーを行いましたが、業界からの評判は正直良くありませんでした(笑)。その後コレクションをしばらくインスタレーション形式で続けていて、渋谷の宮下公園での「THE SEVEN GODS-clothes from chaos-」のショーで評価がガラッと変わったのではないかと思っています。

writtenafterwards 7th COLLECTION


―これから入居を希望するデザイナーに言いたいことは?

 他の創業支援施設では、何をやったら自分で稼げるんだろうかということを考えてビジネスを起こします。これまで積み重ねてきたノウハウや自分の強みなどから、どうやったらマネタイズできるかを考えた上で自分の事業をスタートさせるのですが、ファッションの人は好きで作り始めて、でも儲からないからどうしようと悩む人が多い。どんな服を作るかということも大事ですが、どんなビジネスをするかということも真剣に考えてほしいですね。

―ブランドの目指すべきところはSPA?

 今は販売も自分で手掛けていかないと厳しいと思いますね。そうなることが理想かもしれません。

―伸びるブランドの共通点は?

 「writtenafterwards」や「ネバアランド」などに共通しているのは、自分の活動のファンを作っているということです。自分の活動を核にしたコミュニティを、ものを作るより先に作っていて、そのコミュニティをベースにどう収益を上げるかということをそれぞれが考えて様々な手法を試しています。

 既存のファッションブランドは、どんな服を作るかっていうのを考えて、洋服を並べた時に買ってくれたらラッキー、買ってくれなかったら頑張るよという感じでしたが、これからは着実に自分の洋服を買ってくれるファンや仲間を増やす、いわゆるタレント活動のようなビジネスモデルの方が時代に合っているのだと思います。そもそも作ってある服を選んで買う事自体にそこまでの娯楽性がないと思いますし、作った本人と一緒に活動したいとか、作った本人の言ってることが好きとか、デザイナーも含めて共感できるコミュニティを作るという考え方にしたほうが伸ばしようがあると思っています。


■デザビレの存在を知らしめたプロジェクト「モノマチ」

―2011年から始まった台東区南部・徒蔵エリアで「街」と「ものづくり」に触れるイベント「モノマチ」を立ち上げ、成功しています。

 デザビレでは施設公開をして、クリエイターの職場を見てもらい実際に商品を手に取ってもらえる機会を設けています。商品を作ったクリエイターの思いを伝えると、みなさんとても喜んで購入してくださっていたので、じゃあこれを街に広げましょうということで始まったのがモノマチです。

 この企画立案時にはスカイツリーの開業も迫っていて、メディアなどで必ず東東京に注目が集まると思っていましたから、とにかく開業までに有名になっておかなければいけないと思っていましたね。スカイツリー開業の時に始めるのでは遅く、少なくとも開業までには有名になっていなければならないと思っていました。時間に追われ焦りながらでしたが、なんとかいいタイミングでローンチさせることができました。

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―「モノマチ」を立ち上げて変わったことは?

 各デザイナーがメディアにアプローチするようになりましたね。ここは下請けの街だったので、メーカーにしろ問屋にしろあまり情報を発信していませんでした。知る人ぞ知る静かな街という感じだったのですが、卒業生が出て行ってお店を出すと、お店の情報を発信しないと商売に繋がりません。卒業生がメディアにアプローチをするようになり、そうするとメディアの方は台東区にクリエイターが増えてきて面白くなってきたよっていうところで特集を組んでくれます。実はこのエリアは上野、浅草、秋葉原といった大観光地に隣接している好立地で、観光に来た方を誘導することで、台東区でモノを作って台東区でモノを売れるシステムが作れるのではないかという思いもありました。

―「モノマチ」を今年から刷新しました。

 今年「モノマチ」を「モノマチ協会」という名称に変えて、規模縮小する代わりに単発のイベントではなく年間通した活動をしていくという方針に変えました。協会を今年の2月に立ち上げて、私は運営から外れてあとは地元の人たちにお願いするようにしました。


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