BoFシニア・エディトリアル・アソシエイツのケイティ・シトラコーン
Image by: FASHIONSNAP

Media インタビュー・対談

業界人必読サイト「BoF」の若手精鋭記者が見た東京ファッションウィーク

BoFシニア・エディトリアル・アソシエイツのケイティ・シトラコーン
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 "ファッション版フィナンシャルタイムズ"と呼ばれるファッションビジネス専門のニュースサイトがある。「ビジネス・オブ・ファッション(以下、BoF)」は2007年にロンドンで創業してからおよそ10年で世界のファッション業界人の必読サイトへと成長した。今回、BoFシニア・エディトリアル・アソシエイツのケイティ・シトラコーン(Kati Chitrakorn)が初めて東京ファッションウィークを6日間に渡って取材。日頃から世界のファッションマーケットを追っている若手の精鋭記者の目に、東京のファッションウィークはどう映ったのか。そして最も影響力のあると言われるファッションニュースサイトの世界基準のニュースの切り取り方とは?

 

ー今回なぜ東京ファッションウィークに参加することになったのですか?



 日本には2年に1〜2回のペースで来ているのですが、前回来た時に文化服装学院を取材したんです。その記事が好評で、縁もあってJFW(一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構)からの招待を受けたのをきっかけに、媒体としてファッションウィークに記者を派遣することが決まりました。世界でも関心の高い東京ファッションがどういったもので、何が起きているのかを伝えるために今回参加しました。

ー

初めての東京ファッションウィークの感想は?

 

 とてもいいエネルギーを感じました。特にハイライトとなったのは「マメ(Mame Kurogouchi)」ですね。2015年頃から「ネクスト・サカイ」と紹介され、フォローしてきましたが、今回初めてのショーということで、ブランドの進化を見ることができて嬉しく思います。彼女のデザインは、エレガントでありながらコマーシャルピースとしても成り立っていますよね。コマーシャルであることは、決して悪いことではありません。売れないと意味がないですから。まだ国外での取引や露出は少ないようですが、今シーズン初めてパリでプレゼンテーションを行ったことをきっかけに、販路が広がる可能性を大いに秘めていると思います。

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ー以前から知ってるブランドは他にありましたか?



 「ドレスドアンドレスド(DRESSEDUNDRESSED)」は知ってました。あと、個人的に「ハイク(HYKE)」は好きなブランドです。夫婦で手掛けていて、出産や子育てを経てブランドを再開したというストーリーに共感しますし、彼らのクリエイションにも好感を持っています。

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ー取材中、印象に残ったショーはありますか?

 

 伝統を大切にしつつイノベーションを取り入れているという点で、「クオン(KUON)」は良い例だったように思います。日本古来のボロ"や伝統的な技術がデザインに反映されていました。


 「アンブッシュ®️(AMBUSH®️)」のショーも印象に残っています。シアトルは共通点のアマゾンとブランド(シアトルはデザイナーのYOONが生まれ育った地)のコラボレーションがとても自然でしたし、芝生が敷き詰められた会場と髪が濡れたモデルの雰囲気もテーマに合っていました。

 

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 東京ファッションウィークの目指す姿が、ショーにも表れていた気がします。私は残念ながら会えなかったのですが、会場には藤原ヒロシさんや「サカイ(sacai)」の阿部千登勢さん、ローラさんなど日本のファッションシーンの今を代表する著名人が来場していたと聞いています。アマゾンは「AT TOKYO」を通じて、キャッチーな仕掛けを含めて東京のファッションをグローバルに発信することを一つの目的としていました。それが体現されていたのではないでしょうか。




ーファッションウィークを振り返って、気になる点や課題は見受けられましたか?

 今回は初めてだったこともあり、フラットな視点でファッションウィークに参加しました。やはり東京は他の主要ファッションウィークに比べると、インターナショナルメディアが少ないようです。クリエイションにおいては大いに関心させられましたが、多くは世界での知名度が低く、デザイナーもグローバルにビジネスを展開することに未だ躊躇しているようにも見受けられました。

 東京ファッションウィークは、本当の意味で日本のファッション業界を反映しきれていないと感じます。ここをアマゾンが「AT TOKYO」のようなプロジェクトで集中的に力を入れているのだと思いますが、日本のファッションに本当に影響を持っているクリエイターやデザイナー、メディアやセレブリティなどのキープレイヤーたちをさらに絡ませていくなど、グローバルへの訴求は改善の余地があるように思いました。

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