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【バックステージ】「kotohayokozawa」26AWコレクションのヘアメイクをレポート

 ファッションとメイクの切っても切れない密接な関係。そんな結びつきの強さがわかるファッションショーのバックステージをレポート。今回は、東京コレクションに参加した「コトハヨコザワ(kotohayokozawa)」2026年秋冬コレクションに潜入。メイクアップは「M•A•C」チームが手掛け、同ブランドのシニア アーティストの池田ハリス留美子氏が統括。ヘアは、サロン「トニーアンドガイ ジャパン(TONI&GUY JAPAN)」CEOの雑賀英敏氏が指揮。ネイルカラーはMiku Machida氏が担当した。今回の特徴や、私たちが“真似”できるポイントなどを聞いた。

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Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)

コトハヨコザワ 2026秋冬コレクション

 「IN THIS TEMPORARY CITY」をテーマに、東京・西新宿の街に集う多様な人々の姿から着想を得た。観光客や留学生、出張者、ランナーなど、異なる背景をもつ人々が一時的に交差する都市の風景を、自由なレイヤードや鮮やかなカラーで表現。コンプレッションウェアを思わせるトップスやレギンス、スイムウエア、ビーチサンダルなどを組み合わせ、旅先で限られた服を自由に着回すようなスタイリングを提案した。ユニセックスの発想も強め、性別や用途の境界を軽やかに超える、都市生活の流動性と包容力を体現したコレクションとなっている。

メイク:池田ハリス留美子氏

Image by: FASHIONSNAP(Ippei Saito)

◾️池田ハリス瑠美子
東京を拠点に活動するメイクアップアーティスト。「M•A•C」のシニア アーティストとして国内外のファッションショーや広告など、幅広い現場で活躍している。現在はパリやニューヨーク、東京などのコレクションでバックステージに参加するほか、セミナーやメイク提案を通じてブランドのクリエティヴを発信している。Instagramは@rumikoikedaharrismakeup

テーマの中で"個"を表現する

⎯⎯ 今回のメイクアップのテーマを教えてください。

 日本の中心である東京、とくに新宿のダイバーシティを表現しています。新宿は多様なカルチャーが交差する場所。例えば新宿中央公園は、観光客を含め、さまざまな人たちが日光浴をしたり、リラックスしたりと自然体で過ごしています。そうした場所では、人々がいつもより大胆になり、のびのびしている。そんな開放的な空気感からインスパイアされたルックで、メイクアップもこれを踏襲しました。

Image by: FASHIONSNAP(Ippei Saito)

⎯⎯ インスピレーションを得るために、改めて新宿に行きましたか?

 改めて、というよりはこれまで東京で過ごしてきた人生経験を生かしながら自分が感じたことを交差させて表現した感じです。新宿や渋谷のカルチャーには、サブカルチャーを含めてたくさん触れてきたので、その中で生まれるアイデアをデザイナーにも提案しながらブラッシュアップしてきた、という意識ですね。

⎯⎯ 新宿の空気感はメイクでどのように表現していますか?

 まずグローバルで共通している傾向の、“スキンファースト(素肌感)”を取り入れました。昔はそのときどきのトレンドごとに、「これが東京っぽいメイク」というイメージがありましたし、海外でも「ニューヨークっぽい」「パリっぽい」といったものがあったと思います。でも今はSNSが普及して、それぞれが自分の形で表現できる時代。"個"をどう表現していくかなんですよね。

⎯⎯  個性が多様化すると、それを一つのテーマにまとめるのが難しい気もします。

 テーマがクリアであれば方向性がはっきりしますから、そこで悩むことはありませんでした。テーマが揺れていると複雑になってしまう。でも明確であれば、観客にしっかり伝えられると思うんです。今回は"新宿で過ごしている人"というテーマがクリアでした。その中で服の個性を引き立たせるメイクアップを、モデルそれぞれに施しました。

スキンファーストの普及と90年代メイクの再来

⎯⎯ スキンファーストについて具体的に教えてください。

 リアルで素肌のようなフィット感があり、かつ骨格を美しく見せることです。色の使い方で言えば、内側から外側に、ふわりと広がっていくイメージ。雲のようにやわらかくナチュラルな仕上がりが特徴です。濃淡を繊細に調節して美しいグラデーションをつくることを意識しています。

Image by: FASHIONSNAP(Ippei Saito)

⎯⎯ 今回のコレクションのキーアイテムは?

 「M•A•C パウダー キス リップ + チーク ムース」です。カラーバリエーションが豊富ですが、中でもニュートラルな色をメインでリップとチークに使用しました。例えば「950 イッツパーソナル」。少量を手のひらの下半分になじませ、頬を優しく包み込むようにのせます。ツヤでもマットでもないという使用感が肌の質感にフィットする。短い時間で美しく仕上がるというところも使いやすいですね。

Image by: FASHIONSNAP(Ippei Saito)

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⎯⎯ スキンファーストのほかに、今年のメイクトレンドについてどう考えますか?

 ハイライトはガラス仕上げのムーブがさらに加速すると考えています。自然な中にも何かひとつ遊び心を持たせるという点で、若い世代にも広がるんじゃないですかね。あとは引き続き、スモーキーアイ。内側からふわっと広がるような、全体的に薄い仕上がりですが、今年は下まぶたをやや濃くしてグラデーションをつくり、'90年代を思わせるグランジ感を演出するメイクに注目しています。

ヘア:雑賀英敏氏

Image by: FASHIONSNAP(Ippei Saito)

◾️雑賀英敏
ヘアサロン「トニーアンドガイ ジャパン」の代表を務めるヘアスタイリスト。1996年に渡英し同社に入社後、インターナショナルアーティスティックチームの一員として世界各地のファッションショーやコレクションのバックステージに参加。ロンドンアカデミーで教育にも携わった経験をもつ。帰国後は日本法人を率いながらショーやヴィジュアル制作、セミナーなどを通じて国内外でヘアデザインを発信する。Instagramは@hsaiga

"いつもの新宿"をランウェイで魅せたヘアづくり

⎯⎯ ヘアのテーマを教えて下さい。

 新宿の街を旅している旅行者たちが、朝に歩いているような質感をイメージしています。時差ぼけで起きたばかりだったり、滞在して何日か経っているような雰囲気の髪というのがお題でした。今日のランウェイは街をイメージしたセッティングなので、そこになじむような雰囲気を考えました。ただコレクションですから、洗練されたきれいなニュアンスも足していきたいという思いがあって。そのバランスをどうとるかがヘアとしてのチャレンジでした。

⎯⎯ 具体的にはどんなヘアスタイルが出来上がりましたか?

 例えば、かき上げるようなロングヘアだったり、髪を洗いたてのまま出てきたようなウェットヘア。基本的にはそれぞれのキャラクターを生かしていく形で多様なヘアスタイルを作り上げていきました。そうしながらも、1つのコレクションとして統一感が出るような雰囲気をまとわせています。

Image by: FASHIONSNAP(Ippei Saito)

"飾らないけれど美しいヘア"への挑戦

⎯⎯ 難しかったスタイルはありますか?

 ウェットヘアはかなり悩みました。この質感は、そこを目指して作り上げたうえで完成するタイプのスタイルなので、"ウェットだけど無造作"というのは相反する要素なんです。ストレートだけどカーリー、のような...。

Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)

⎯⎯ その質感を表現するためにはどんなテクニックを?

 まず濡らした髪にハードスプレーを多めにつけて立たせ、メイク中に固定しておきます。毛先にはオイルを少しつけて、ずっと湿った状態を保ちます。一度ピンで止めて固定し、自然に乾かしておいて、本番直前に毛先を濡らす。そうすると、全体としては濡れているけれどボサっとした感じが出る。部屋の温度などでも状態は変わってくるので、その調整も必要ですね。仕上げとしてスプレーで光沢を出します。

⎯⎯ 日常のヘアセットにも応用できますか?

 できますね。タオルドライして、ジェルをつけて、オイルで立ち上げて終わり。出かける直前まで、立ち上げたいところをピンで止めておくといいかもしれません。

⎯⎯ ロングヘアのかきあげスタイルも、どのようにキープしているか気になりました。

 ポイントは、オールバックに乾かすこと。かき上げたい方向と逆に乾かすと形がつきます。形を維持するにはムースがおすすめ。乾かしてから、前髪のヘアラインのフロントから5センチくらいにムースをつけてもう一度乾かすと、長時間持ちます。耳にかけると頭頂部もピタッとしてしまうので、固定するなら板付きのピンがいいと思います。

Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)

ネイル:Miku Machida氏

 今回のコレクションでは、ヘア・メイクに加え、一部のモデルにフットネイルを施すネイルアーティストも参加した。

◾️Miku Machida
指先を美しく魅せるフォルムづくりにこだわり、肌の色や爪の形に合わせたカラー提案とデザインで手元をより魅力的に飾るネイリスト。シンプルからトレンド感のあるデザインまで幅広く対応し、繊細な技術力を誇る。今年2月にプライベートネイルサロンをオープンした。

⎯⎯ 今回施したペディキュアの特徴を教えて下さい。

 ビーチサンダルを履いている7人のモデルにフットネイルを施しました。スタイリングとのバランスをとりながら、目立ちすぎずアクセントになるようワンカラーを基本とし、着用している服の色みを拾ってカラーをセレクトしています。仕上がりはマットをベースにしていますが、シースルーの衣装を着ている数人にはラメを取り入れるなどで調整しています。

 サンダルを履いていてもフットネイルをしないモデルもいるんですが、それはルックによってナチュラルな印象を強めるための意図です。デザインを問わず、カラーの塗布前に自爪のケアをしっかりすることを大切にしています。

Image by: FASHIONSNAP(Ippei Saito)

Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)

FASHIONSNAP 編集記者

木村耀

Hikaru Kimura

学生時代に外資系ファッションメディアでアシスタントを務めたのち、大学卒業後、ファッション誌で編集として従事。2025年12月からレコオーランド「FASHIONSNAP」でビューティエディターとして幅広い分野を取材・執筆。プライベートでは坂本裕二や今泉力哉などの脚本家が描く日本語表現が好きで、彼らの作品を何度も見返すオタク気質。趣味は作詞作曲。公私問わず言葉を綴っている。

最終更新日:

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