
[Alexandros]川上洋平
Image by: FASHIONSNAP

[Alexandros]川上洋平
Image by: FASHIONSNAP
アイウェアブランド「金子眼鏡」が、ロックバンド[Alexandros]のボーカル&ギター 川上洋平とコラボレーションしたサングラスを4月3日に発売する。普段から同ブランドのアイテムを愛用してきた川上が、「自分の理想の一本を作りたい」という思いから実現した今回のプロジェクト。小学生の頃に憧れた90年代UKロックや、長年のアイウェア遍歴、そして“好き”を貫く自身のスタイルまで。こだわりの一本に込めた思いを川上に聞いた。
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──今回のコラボはどのようにして実現したのでしょう?
僕からアプローチして実現しました。金子眼鏡は普段からめちゃくちゃ愛用しているんです。ファンの人は知っていると思うんですけど、いろいろ買っては無くして、壊しては修理していただく、ということを繰り返しているほどのファンで。メジャーデビュー後、本格的に自分たちの存在を世に示していこうという時期に手に取って以来、かれこれ10年以上愛用しています。
そんな中である日、元[Alexandros]のドラマー庄村聡泰がやっているファッションプロジェクト「スナック NGL」が金子眼鏡さんとコラボアイウェアを発売しているのを見て、「あ、金子眼鏡ってコラボするんだ」と思って。それがすごく可愛かったので、いつか機会があったら僕も何かやりたいなと思い、いろいろな人に伝えていたら今回の機会につながり、念願が叶ってサングラスを製作することになりました。ライブグッズ以外でファッションアイテムを作ったのは今回が初めてですね。

Yoohei Kawakami×KANEKO OPTICAL Collaboration Sunglasses(全2色、各3万3000円)
──服好きとして知られている川上さんが、今までグッズ以外でファッションブランドとコラボされていないのは意外です。
自分は音楽は作りますけど、洋服は作らないです。これからも作ることはないかな。
デザイナーやファッション業界のど真ん中で活躍している友人たちと話していると、彼らは自分の服にすごく愛情を持っていると感じるんです。命をかけて、毎シーズン限られた時間の中でコレクションを作っている。そういう姿を近くで見ているからこそ、その領域は彼らのものだと感じていて。迂闊に踏み込めないというか、ファッションを生み出すことについてあれこれ言う立場ではないと感じています。なので、がっつり服を作ることは、今のところ自分は違うかなと。
──ということは、サングラスに関しては自信があると。
僕、サングラスは相当な本数試してきたんですよ。それこそ、小学生の頃はジョン・レノンやオアシスのリアムとノエルに憧れて、ライトカラーでレンズがまんまるのサングラスを親にねだって買ってもらっていました。自分にとってサングラスは、幼い頃から憧れていた90年代のUKロックカルチャーとかなりリンクしているアイテムなんです。だからこそ、自分のルーツを匂わせるようなデザインのものをいつか作りたいと、ずっと思っていました。 あとは、眼鏡をかける人には共感してもらえると思うんですけど、完全にしっくりくるデザインを見つけるのって本当に大変で。形や色味など、自分好みの一本に出会うまでは本当に時間がかかる。服は意外としっくりくるものが見つけやすいんですけど、アイウェアは本当に難しい。だからこそ、自分の理想の一本を作りたいと思ったことも、サングラスを作ってみたいと思った理由の一つですね。
──そんなコラボアイウェアのこだわりは?
まずはフレーム。この細身のメタルフレームは、実は廃盤になってしまったモデルなんです。もともと愛用していた形で、廃盤になったときは結構ショックで。なので、コラボの話が出たときに「今しかない!」と思って、復刻の交渉をしました。元のデザインを活かしつつ、コラボの印としてテンプルに僕のロゴを入れてもらっています。これを機に、ぜひこの形の素晴らしさをみんなに知ってほしいですね。


テンプルにあしらわれたロゴ
そしてレンズカラー。今回はパープルとイエローの2色展開です。パープルは、僕のイメージカラー。イエローは、さっきもお話しした90年代のロックアーティストをイメージしました。彼らはイエローやレッドのレンズをかけていることが多かったので、それを踏襲しています。もう一つイメージしていたのが、スカーフを巻いてライトカラーのアイウェアをかけて買い物をしている、ヨーロッパのおばあちゃんのファッションスタイル。ああいうラフだけどオシャレな雰囲気が好きなんですよ。UKのロックスターたちのムードと、そういうローカルな空気感のあいのこみたいなイメージで作りました。
──カラーレンズのサングラスはあまり普段使いすることに慣れていない人も多そうです。
そうかもしれません。特に日本では、サングラスをかけていると「キザに見えるんじゃないか」と気にしてしまう人が多いと思うんです。でも、このサングラスは、むしろそういう人にこそかけてもらいたい。金子眼鏡さんのいいなと思うところの一つに、サングラスでもキザに見えない雰囲気があります。アイウェアにあまり縁がなかった人にこそ試してもらえたら嬉しい。華奢なデザインなので、服装や顔の形もあまり選ばないと思います。
もし欲しいと感じて試着してみて、仮に似合わないと思ったとしても、挑戦の意味も込めてぜひ買ってみてほしいです。もちろんこれは売り上げを伸ばすために言っているわけではなくて。僕は「欲しい」だとか、「手に入れたい」という欲望を一番大事にしているんです。何かを好きだと思う気持ちはすごく大事で、その感覚がその人自身を変えることもあるし、周りからの見え方も変えていくものだと思うんです。
似合わないって周りに言われていたとしても、どうしてもこの服が欲しいと思ったら買う。そして、とにかく沢山着る。最初は周りから「その服は似合わないよ」と言われることもあるんですけど、着続けていくうちにだんだん馴染んできて、周りの見方も変わっていくんですよね。すると「あれ、意外といいかも」と思われるようになる。自分が好きだと思うものを着続けていれば、それがそのまま自分のスタイルになっていくし、周りの見方も変わっていきます。
──2022年のベストバイにご出演いただいた際も「買ってから少し時間が経つと、だんだん周りがフィットしてくる」とおっしゃっていました。
そうでしたね。その頃から、このスタンスは変わっていません。なので、今回のコラボサングラスも、似合わないとか自分っぽくないかもしれないという理由で迷っているのであれば、ぜひ一度買ってみてほしい。何度か試しているうちに、今がかけるタイミングだと感じる瞬間がきっと来るはずです。


──好きを起点としたコーディネートを組む際のこだわりはありますか?
ないですね(笑)。合ってなくても別にいいんじゃないのって思うんです。あんまりバランスを考えすぎたくなくて、むしろその違和感がいいじゃんって思うから。コーディネートって、考えれば考えるほど正解みたいなものがあるのかもしれないけど、自分が何気なく選んだ服が結果的に合っていたら素敵だし、もし合っていなかったとしても、それはそれでその日に自分が選んだ一つの正解だと思うんですよ。だから、全体の見え方はあまり考えすぎないようにしています。直感のままに、好きなように楽しむのが一番かなと。
デザイナーのヨウジさん(山本耀司)が昔、「男は家から外に出るときに服の雰囲気なんか考えるな」みたいなことを言っていて、この言葉がすごい好きなんですよね。もちろん今の時代にそのまま当てはめられる言葉かどうかは分からないですけど、これくらいの、いい意味での無頓着さがかっこいいなと思っていて。そういうところには影響を受けています。
──では、今の気分でコラボサングラスを使ったコーディネートを組むとしたら、どんなスタイルになりそうですか?
ストリートっぽい服装はもちろん、スーツに合わせても良さそうですよね。モード系のスタイルにも合うと思います。最近は古着を着ることが多いので、僕の場合そういうテイストのコーディネートに落ち着きそうです。例えば「リーバイス(Levi's®)」のデニムだったり、ここ数年で「シュプリーム(Supreme)」ってやっぱりいいなと思い始めて、結構買っているのでそれに合わせたり、好きでよく着ている「マリアーノ(MAGLIANO)」も良さそうですね。日本のブランドだと「ベッドフォード(BED j.w. FORD)」だとかもいい感じになりそう。色々なアイテムに合わせて楽しみたいですね。
少し話が変わるんですけど、音楽の情報を仕入れるために最近、今注目されているアーティストの音楽をBGMにしながら、世界各国の街を歩く様子を撮影したYouTubeチャンネルを流しっぱなしにしているんです。その中で日本の動画も流れてくるんですが、2016〜17年くらいの新宿を歩いている映像を見ると、みんなのファッションが一辺倒なんですよね。グレーや白、アースカラーみたいな配色が多くて、似たような格好をしている人ばかり。でも、2020年以降の映像になると、一気に服装が個性的になってきているんです。それを見ていると、年代が進むにつれて受け入れられるファッションの幅も広がっていくんだなと感じて。
──興味深いお話です。
例えばフレアパンツ。これはすごく象徴的だと思っていて、履いているだけである意味いちばんキザに見えるアイテムだったと思うんですよ。もともとはパンタロンなんて呼ばれていましたけど、今ではフレアパンツとして普段着に定着していますよね。
つまり何が言いたいかというと、カラーレンズのサングラスも同じだと思うんです。数年前まではキザに見えると嫌厭されていたかもしれませんが、最近はどんどん受け入れられてきて、見慣れたアイテムにさえなってきています。だから、合わせ方を気にしすぎなくていいというか、まずは「好きだ」と思ったものを身につけてみてほしいんです。そうしているうちに、だんだん自分のものになっていく。ファッションって、そうやって広がっていくものだと思うので、直感を大事にしながら楽しんでほしいですね。

──これまでベストバイに2回ご出演していただいていますが、1度もアイウェアがランクインしたことはありませんでした。
あれ、そうでしたっけ(笑)。多分、アイウェアは日常に馴染んだアイテムすぎて、いい意味で選択肢に入らなかったんだと思います。次出るときはご紹介するかもしれません。
──楽しみにしています! ちなみに、昨年のベストバイにはスケジュールの都合で残念ながらご出演が見送りに。ぜひこの機会に、2025年のベストバイを教えてください。
いや本当に、来年こそは出演したいですね。むしろ今から「やり残したベストバイ」という体で記事にしてほしいくらいです(笑)。
2025年は、家具にハマりにハマった年でした。ここ数年は、なんなら服よりも家具のことで頭がいっぱいなくらいで。去年のいちばん大きな買い物は、インダストリアルデザイナーのディーター・ラムス(Dieter Rams)が手掛けた壁掛けのセット。「シュタイン(ssstein)」の店舗に置かれているものと同じです。今では家のアイコンになっていますね。

シュタイン店舗で撮影した川上が所持する壁掛けセット
昔から部屋づくりやインテリアコーディネートのような空間づくりが好きで、ここ数年でさらに興味が強くなってきています。興味を持ち始めた頃はシュタインのデザイナーの浅川くん(浅川喜一朗)に教えてもらうことが多かったんですが、最近は自分でもいろいろなお店に足を運んで情報を仕入れるようになりました。好きが高じて、インテリアコーディネーターの資格を取りたいなとも考え始めています。よく行くお店はいくつかあるんですけど、どこかは秘密です(笑)。

──川上さんはライブでもよくサングラスをかけられています。
それこそ、さっき例に挙げたスーツに合わせたスタイリングをよくします。基本的には、だいたい3曲目あたりまでかけていて、そのあと外すことが多いですね。なぜかというと、自分が好きなアーティストのライブに行って、ずっとサングラスをかけられていると、ちょっと半分お金を返してほしいなと思っちゃうから(笑)。だって、せっかくお金を払って好きなアーティストのライブを見に来ているんだから、ちゃんと全部顔を見たいじゃないですか。リアムは外しているほうがレアで、なんなら帽子までかぶっていることもありますけど、「せっかくなんだから見せてよ!」って思っちゃう。だから自分のライブでは、ファンにはちゃんと顔を見せたいなと思って数曲歌ったあとには外すようにしています。
──今後ライブでファンとお揃いでコラボサングラスをかけることもありそうですね。
それはもう確実に。ライブでは振り落としたり、床に置いたまま踏んでしまったりして壊すこともあるので、コラボサングラスはライブでも着用することを想定して、落ちにくいデザインにしてほしいと金子眼鏡さんにお願いしました。今まで何本のお気に入りをダメにしてしまったかは、考えると恐ろしいので考えないようにしています(笑)。
日常からライブのような非日常まで、いろいろなシーンで気軽にかけてもらえたらうれしいですね。こればかりは実際に試してみないと分からないので、ぜひ試着して良さを感じてほしいです。そしてぜひ、お揃いで楽しみましょう。
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