Art インタビュー・対談

【インタビュー】写真家 レスリー・キー 母の死、孤児院、逮捕劇 、それでも写真を撮る理由は?


―今もメンズヌードを撮っている?

 今もたくさん撮っていますが、逮捕された後は性器は隠すようにしています。昨年、渋谷パルコで開催した私の15年の軌跡とコラボレーション作品を一同に披露する写真展「SUPER LESLIE KEE 15th Anniversary Photo Exhibition」でも展示しました。


SUPER LOVE by LESLIE KEE - 15th Anniversary Photobook

―ヌードもそうですが、日本では同性愛に関しても閉塞的です。

 もっとオープンマインドになってほしいですね。私はニューヨークでパートナーと式を挙げましたが、日本でも挙げられるようになればいいなと思います。

―ヌードはオファーがあって実現するのでしょうか?

 両方ありますが、撮ってほしいという方が7、8割ですね。今も撮りたいと思う人は数えきれないくらいたくさんいます。あなた(※インタビュアー)のことも撮ってみたいですし。そしてゆくゆくは大きなミュージアムでヌードの写真展を開催したいですね。そのためには日本のルールを変えなければいけないので、今後も積極的に行動して社会に働きかけていこうと思っています。必ず変えていくので信じて待っていて下さい。

―アーティストは日本で活動がしづらいのではないでしょうか。その日本でまだ活動を続けていく理由は?

 恩を返したいという思いがあるからです。日本はたくさんのチャンスを私にくれたので、この1度きりの人生の全てを捧げるつもりです。私の取り組みは一貫して様々な人やモノを繋げることだと思っていて、各世代の人々やアート、音楽、ファッションなどジャンルを飛び越えることで生まれる新しいことを広めていきたいと考えています。


■フォトグラファーの仕事は「未来を見て、未来をつくること」

―直近の仕事は?

 哀川翔さんのデビュー30周年を記念して制作した「元不良、いま不良、これからも不良」です。アートディレクターは「COMME des GARÇONS(コム デ ギャルソン)」なども手掛けた井上嗣也さんです。

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―美術手帖で連載もしている。

 「Beautiful Inspiration」という連載で毎月10ページに渡り特集を組んでいただいています。コンセプトは「ワンブランド×ワンアーティスト×ワンアート」で、例えば第1回目は、沢尻エリカさんに「LOUIS VUITTON(ルイ・ ヴィトン)」を着用してもらい、Andy Warhol(アンディ・ウォーホル)の作品をイメージした写真を撮りました。次は松岡モナさん×Frida Kahlo(フリーダ・カーロ)× 「PRADA(プラダ)」です。この仕事も井上嗣也さんとコラボレーションしていて、いつか必ず一冊の本にまとめたいと思っています。

―今後について。

 アーティストは各分野の第一線で好きなことするというのが大事で、流行を追ってはいけないと思っています。今日本のマジョリティーは、可愛いものや草食男子などだと思いますが、私はかっこいい人や強い人のほうが好き。もしかすると時代との齟齬があるのかもしれませんが、私がいいなと思う人たちをフィーチャーした作品をこれからも継続して撮りながらその過程で見つけたことを新しいメッセージとして発信できればと考えています。


■LESLIE KEE(レスリー・キー)/写真家
1971年シンガポール生まれ。1998年にフォトグラファーとしてデビューして以来、数多くのファッション誌や広告など国内外で活動。2004年に創刊した自費出版誌「SUPER」シリーズはYOJI YAMAMOTOやLADY GAGAとのコラボレーションで話題となっている。2011年TIFFANYとの共同チャリティ写真集「LOVE & HOPE」でAPAアワード経済産業大臣賞を受賞。2013年10月には自身のデビュー15周年記念写真集「SUPER LOVE」を刊行。AKB48 32ndシングル「恋するフォーチュンクッキー」がAPAアワード2014美しい日本賞を受賞。

(聞き手:芳之内史也)

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