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ルクア大阪にビューティブランド続々出店 客層の特徴捉えた誘致で好調

ルクア大阪にビューティブランド続々出店 客層の特徴捉えた誘致で好調

 大阪駅直結の商業施設ルクア・ルクア イーレ(ルクア 1100)に、ビューティブランドの出店が続く。9月にアットコスメが初の関西旗艦店「@cosme OSAKA」を拡張移転オープンし、旧店舗から売り場面積が約5倍となり充実な品揃えも注目を集めた。そのほかのブランドでも、関西を拠点とするショップや、国内最大規模などでの出店が目立つ。両館は順調にビューティカテゴリーを成長させ、今年7月末時点で前年比25%増で推移。その背景には、館の特性と客のニーズに合わせたテナント誘致、区画整備の工夫があった。

 ルクア大阪は2011年に開業し、その後2015年にルクア イーレも営業を開始。当時ビューティブランドのテナントは少なく、ライフスタイル・ファッションが中心だった。2017年に「アットコスメストア」と「シロ(SHIRO)」が出店。ルクア大阪事業本部 ビューティ&ウェルネス担当の橋本香里氏は、「2店舗のオープン後、ビューティカテゴリーが成長し、特に20代のお客さまからの支持が得られたのを見て、ビューティの勢いを実感した」と当時を振り返る。

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 ルクア(大阪およびイーレ)の客層は25〜34歳が中心で、加えて、駅直結の立地から「暇つぶし・待ち合わせ」で訪れる客が多く、ギフト需要が高いといった特徴がある。こうしたデモグラフィックを踏まえ、「イソップ(Aēsop)」や「バウム(BAUM)」といった、フレグランスおよび関連商品で男女に人気が高いブランドを揃えたほか、「イプサ(IPSA)」「オルビス(ORBIS)」などのスキンケアブランドでの予想外に男性客が多く、今後この強みをより生かしていく考えだという。

 テナントによる“ジェンダーレス” 化に加え、各ビューティショップをファッションや雑貨店とランダムに配置し、いわゆる「化粧品フロア」をあえて作らなかったことも功を奏した。「ふらっと当館を訪れた男性客が、ビューティショップも自然と目にするような区画整備をしている。各店舗の面積もゆったりとしているため、男性でも入りやすい空気感なのではないか」(橋本氏)。

  また、近年の日本におけるフレグランス人気の高まりも、好調を支えている。「ノーズショップ(NOSESHOP)」は2021年当時、国内最大級となるショップをオープンし、ファッション感度が高い男女から支持を集めている。イソップやシロも主にフレグランスが好調だ。ルクア内のジェイアール西日本伊勢丹による編集ゾーンに、「ディプティック(Diptyque)」や「ジョー マローン ロンドン(JO MALONE LONDON)」といった人気ブランドが揃うことも客足に貢献。「コロナ以前から徐々にフレグランスの好調は感じていたが、近年は急速に普及している。特に若年層は自分用・ギフト用でフレグランスを購入する際の予算が以前よりも上がっている印象。“憧れ感”のある特別な贈り物としてフレグランスが選択肢に入っている」と橋本氏は分析する。コロナ禍でも、若年層を中心としたギフト購入に支えられ、バスグッズやフレグランスの需要が高まったことでビューティカテゴリーでは大幅な売上減少を免れたという。

 さらに、エリア初や規模感が大きいショップが並ぶことも、トレンドに敏感な若年層へのリーチにつながっている。今年オープンした韓国発メイクアップブランド「ヒンス(hince)」や、資生堂が手掛けるバウム(2020年出店)は関西初の常設店で、「ウカ(uka)」はブランド最大規模となる「uka store Osaka LUCUA 1100」をオープンした。

 これらのブランド軸での発信に加え、最近では館起点での発信にも力を入れる。2022年9月には、「パーソナルサービス」に特化したイベントを展開するスペース「ニアユー(nearU)」をルクア イーレの5階に開設。パーソナルカラーや顔タイプの診断を踏まえてプロと一緒にまわるショッピングツアーなど、一人ひとりの「似合う」を探すポップアップイベントを不定期で開催している。出店テナントとコラボレーションする場合もあり、実際に、パーソナルカラー診断と掛け合わせたイベントを行ったコスメセレクトショップ「ショップ イン(shop in)」は開催中の客数・売上が好調だった。そのほか、去年はルクア大阪の1階、館内ディスプレイで7つの気分に合わせて、ブランド横断でフレグランスを紹介するプロモーションを展開。参加ブランドからは好評を得たといい、今年も実施する方向で進めている。

 ルクアの新規出店・リニューアルのタイミングは春と秋。次回2024年の春のリニューアルでも、ビューティブランドの出店を調整中。順調なフレグランスカテゴリーは更なる成長を見越し、新店舗やイベントで積極展開する考えだ。「フレグランスは館の現状のコアターゲットに加えて、未来の顧客となり得る20代前半の獲得にも寄与しているため、都度ニーズを把握して提案していく」。加えて、ビューティ・ファッションの両方で「パーソナライズ」をキーワードにした発信にも力を入れる。「ビューティ・ファッションのどちらにとっても、一番はお客さまのニーズに応えられるかどうか。今回のアットコスメ大阪のリニューアルオープンでビューティのイメージは強くなるとは思うが、どんな理由で館に立ち寄ってもらったとしても楽しんでもらえるように、常に進化させていく」と意気込みを語った。

■ルクア大阪:公式サイト

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