Fashion フォーカス

新卒2年目が行く、世界最大のトレードショー「MAGIC」inラスベガス

■上陸間近のブランド、海外に攻め込む日本ブランドなど...

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 こちらは歌手のセリーヌ・ディオンが手掛ける、昨年8月にローンチしたばかりのブランド「CÉLINE DION」。セリーヌ・ディオンのファッションやアート、音楽に対する愛からインスパイアされ、機能性と実用性に配慮して製作されたハンドバッグやウォレットなどを展開しています。価格は200〜400ドル程度と手頃な価格。今回の「MAGIC」では高評価を得ているそうで、何やら日本上陸に向けた動きもあるとか。

oxfordlads-20180301-001.jpg すでに日本でも複数取り扱いがあるLA拠点のメンズシャツブランド「オックスフォードラッズ(OXFORD LADS)」。「白シャツなどシンプルなものはみんな作っているのでそこで勝負するより、楽しいプリントものを"安くはないけど手頃"な価格で提供したい」という思いでプリントシャツを100〜120ドル程度で展開しています。1シーズン130種類ものバリエーションを発表していることには驚きです。

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 大山一哲さんが手掛けるシューズブランド「numero uno」は、まずは海外に注力し、その後に日本で展開するという戦略をとっています。「日本市場は人口が減少し、シュリンクしている状況ですが面白いものは支持される。例えばブルックリンで人気のブランドが、実はメイドインジャパンで初上陸するとか、ブランド側からも売りやすい形にもっていきたい」(大山さん)とデザインだけではなく、売り方のクリエイションも追求しています。

 MAGICでは野球グローブに用いられる革を使った靴などを発表。はんだごてで穴を開けたユニークなフォルムのシューズや、表面に3Dプリントを施し、葉脈や木など見た目通りの感触が楽しめるシューズなどを展示していました。実は前回の出展時にサイズ展開が少なく後悔があったそうで、今回はその教訓を活かしてサイズをそろえて挑んだところ、プロバスケットボール選手御用達シューズ専門店で卸が決まるなど手応えがあった様子。そのほかNYブルックリンや、ロサンゼルスなどアメリカ国内で約14店舗での取り扱いがあり、来年には日本への出展も視野に入れているといいます。

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 アヒルのロゴが特徴的なイタリア発アウターブランド「セイブ ザ ダック(SAVE THE DUCK)」。ブランド名の通り、世界中で採取される羽毛を持つダックを守るという信念のもと、特殊ポリエステル素材「PLUMTECH®」をダウンフェザーの代わりに使用しています。柔らかく軽量で、高い保温性など機能面にも優れ、豊富なカラーバリエーションをラインナップ。環境問題や動物愛護への関心が高い欧州を中心に支持されていて、日本でも伊勢丹でポップアップショップが開催されるなどネクストアウターブランドとして注目ですね。

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shoes-20180304-000.jpg アイコニックな世界中のお菓子のパロディーシューズを展開している新進シューズブランド「Switfish」。くすっと笑ってしまうようなデザインやポップなカラーリングは、見ているだけでも気分が上がります。日本への出展にも興味を示していたので、日本上陸が楽しみですね。

■一番の盛り上がりを見せる"109系"ブランド

wwdmagic-20180304-002.jpg どのフロアも活気がある印象を受けましたが、中でも一番の盛り上がりを見せるのが「WWDMAGIC」ゾーン。比較的低価格なウィメンズアパレルや雑貨を展開していて、日本で例えるなら"109系"ブランドが集まっているイメージです。多くがLAを拠点としていますが、オーナーはアジア系アメリカ人がほとんど。父親がアジアで工場を経営していて、その子どもたちがアメリカで育ちブランドを立ち上げているケースが多いようです。

 ブランドとして出展していますが、一方でOEM対応や、大手ファストファッションブランドに商品を売り、商品のタグを変えてそのまま販売することも多々あるとのこと。ラベルを変えて他のブランドとして販売されるというのは衝撃的です。

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 WWDMAGICを監修するKelly Helfmanさんは、出展ブランドの特徴について「工場を持っているブランドが多いので、例えばファッションウイークで刺激を受けた商品を6週間後には製造するといった生産能力の高さ」をあげます。若い世代の間でコト消費が増えているようで、「最近の若者は高い服をあまり買わないですが、一方で安い服を沢山購入しているのでハイエンドのブランドに比べて打撃は少ない」と、WWDMAGICに出展するブランドは順調のようです。

 4月に日本で開催される「IFF MAGIC JAPAN」には、「WWDMAGIC」から約10ブランドが出展を予定。日本では109系ブランドは自店舗や自社ECサイトで販売していることが多いのですが、どんなブランドが日本市場へ挑むのでしょうか。次回「IFF MAGIC JAPAN」に出展予定の3ブランドを直撃しました。

doublezero-20180304-002.jpgdoublezero-20180304-003.jpg 「double zero」は、ハイエンド・ベーシックを提案しているブランド。オリジナルの生地開発や染め、縫製といった高品質なものづくりを強みとしていて、生地は滑らかで柔らかいクセになる触り心地でした。中国と韓国にオフィスを構え、ベトナムや中国、韓国で生産。現在は卸のみで、日本の一部店舗や、LAのジャパンタウンのセレクトショップでも展開されています。次回「IFF MAGIC JAPAN」への出展について、「すぐに日本のセレクトショップでの卸が決まるとは思いませんが、まずは自分たちのブランド名を覚えてもらいたい。そして将来的に卸をしてもらってお客さんにブランドを知ってもらい、もしかしたら日本と韓国限定で自社店舗を作ることもありえるかもしれない」と話してくれました。

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 「sneakpeek」は、デニムをメインに"カリフォルニアルック"を提案するブランド。デザインチームによるトレンドを取り入れた新しい提案をしつつ、ハイクオリティの素材や、洗いなどの加工にもこだわっていて、中心価格はパンツが40〜60ドル、ショーツが40ドル程度と手に取りやすい価格に設定。自社工場は所有していませんが、10年以上の付き合いがあるベトナムの工場を現地の従業員がコントロールすることでクオリティを保っているといいます。日本への出展については「ブランドとして卸ができたら理想ですが、ディストリビューターまたは店舗数の多いセレクトショップに対してODM・OEMもできるという打ち出し方をしたい」と柔軟に対応していくようです。

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 「MOLLY BRACKEN」は「femme(女性)」をテーマに、レースをあしらったり、クラシックかつボディラインを綺麗にみせるなど"女性のための服"を手に取りやすい価格で提案しています。中心価格は75ドル。ヨーロッバやアメリカなどで幅広く展開していて、アメリカ国内だけでなんと2,000件程のアカウントを持っているそう。日本でもすでに取り扱いがあり、今シーズンからディノス(dinos)と新たに契約し一気に販売網の拡大を狙います。日本市場に対しては「ショールームを持っているエージェントを見つけ、年間を通してショールームに置いてもらいつつ、個人事業主のリテーラーにアプローチをかけてもらいたい」と日本国内のパートナーとの提携にも意欲を見せます。

■アパレル不況の打撃なし?

 近年アパレル不況が叫ばれますが、トレードショービジネスの現状についてChristopher Griffinさん(International Business Development PRESIDENT, UBM Fashion Group)は「確かに一部のリテーラーは厳しい状況に置かれていますが、MAGICとしては不況を感じていません。例えば大手SPAブランドは全て商品を自社で作っているわけではなく、MAGICの出展者の商品をタグを変えて販売するケースもとても多く、大手通販会社もMAGICで発注をかけています」とコメント。また「約20年前、デパートがオリジナルレーベルを作ってそれがお店の大半を占めてしまう時もありましたが、消費者にも飽きがきてマニアックなブランドが支持を集めてデパートの卸の割合が増えたということもあります。今、SPAがシェアを伸ばしているのもそういったサイクルの1つにすぎないのではないでしょうか」と現在のアパレル市場の動向についても語ってくれました。

 今年4月に日本で行われる「IFF MAGIC JAPAN」で、MAGICが日本に上陸して3シーズン目を迎えます。「1回目はホームランを打ったような感覚。日本のファッションコミュニティーの出展者もバイヤー層も満足できるイベントを開催できたと思っています。規模や来場者数、かっこよさ、全ての面でアジアナンバーワンを目指したい」とGriffinさん。今後の動向が楽しみです。

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