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【インタビュー】ニコパンダからガガまで Nicola Formichettiが語る今と夢

Nicola Formichetti
Nicola Formichetti
Image by: Fashionsnap.com

 Nicola Formichetti(ニコラ・フォルミケッティ)が手掛けるキャラクターレーベル「NICOPANDA(ニコパンダ)」が日本に初上陸した。「NICOPANDA」は、LADY GAGA(レディー・ガガ)をはじめとする著名アーティストのスタイリストや、「Thierry Mugler(ティエリー・ミュグレー)」のクリエイティブディレクター、「VOGUE HOMMES JAPAN」のファッションディレクターなど幅広く活躍する二コラが初めて手がける自身の名を冠したキャラクター兼ブランドだ。ニューヨークの限定店舗で初披露され香港を経て日本にやってきたファニーなキャラクター「NICOPANDA」は、日本を拠点に本格展開していくという。ファッションに精通する二コラがなぜキャラクターレーベルを立ち上げたのか? なぜ日本から発信したいのか? 「NICOPANDA」に込めた思いからガガとの関わり、そして今後についてまでを聞いた。

――まずは「NICOPANDA」のことから教えてください。ファッションの分野で幅広く活動されてきた二コラが、一番最初に自身の名前を冠してスタートしたのがアパレルブランドではなくキャラクターだった理由は?

 いくつか理由はあるんだけど、まずは自分自身を追求することで自分の中にあるものを出したかったんだよね。ビジネスではなくて、単純にピュアなことをやりたいと思ったんだ。ただ単にもっと自分のために何かやれたらいいなっていうのが今年の自分のモットー。友達が知っているような、自分のピュアな側面を、作品としてみせたいと思ったんだよ。大好きなハローキティみたいなキャラクターが作れたらいいなって(笑)

――「NICOPANDA」が生まれたきっかけはなんだったんですか?

 初めはタンブラーにイラストを描いたり、オンラインで友達のキャラクターを作ったりと、ただの遊びとして始めたものだったのですが、ある日、「何か作ってよ」と言われたので「じゃあ作ろっか」という感じ。ピュア&ジョイみたいな気持ちでやってるのでプランは全くないんだよね。今、僕の手掛けているミュグレーや、ガガとやっていることとは正反対なんだけど、僕からすると両方とも好きだから、同じような感覚なんだけどね。

――「NICOPANDA」はファニーでかわいらしいですよね。

 うん。日本ぽくてかわいいでしょう。ロンドンとかニューヨークでスタートさせてもいいくらいのことなんだけど、アジア、日本でスタートさせたかった。

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ニコラ初のショップ「Nicola Formichetti Pop-Up Store」の店舗

――もともとはニューヨークで販売をスタートされたんですよね?

 そうだね。去年のニューヨークのポップアップストアでTシャツなどのアイテム販売をちょこちょこと始めたよ。ショップに来るお客さんに、家に何かを持ち帰ってほしかったんだよね。若い頃に、エキシビジョンに行ったり、憧れのお店に行っても、何か買いたいんだけど買えないっていう経験あるでしょ。僕もそういう経験があったから、いつもその店で一番安いもの探して買っていたんだ。

 それと同じで、スーベニアみたいな感覚で考えたときに、オープン一週間前に『「NICOPANDA」を商品化してみよう』って考えついたんだよね。マッチや大きなライター、ペン、Tシャツ、インスタントなんだけど、今までのファッションとはまた別の感覚でつくりあげられるものとしてデビューさせたんだ。

――ニューヨークの次は、香港でも販売されてましたね?

 先月、レーン・クロフォードと一緒にニューヨークでやった「ニコラーズ」というポップアップストアを、香港と北京でスタートしたんだけど、そこは僕の世界が体感できるキシビジョンみたいな空間なんだ。ヤングデザイナーの手掛けているものや、僕が気に入ってるデザイナーのアイテムを集めているお店なんだけど、そこにたまたま「NICOPANDA」の商品があったぐらいの感覚で販売しているよ。ローンチは日本でやりたかったからね。

ーなぜ日本でデビューさせたかったんですか?

 中国に1カ月間いたんだけど、中国はお金の使い方が違うから、全部売り切れになるなど、凄かったのね。クリエイターとしては、自分が作ったものを人が買ってくれるわけだからすごく気持ちいい。「NICOPANDA」をビジネス的に考えると、たぶん外国でスタートした方がもっと儲かるかもしれないね。でも僕が絶対日本でスタートさせたいって思ったのは、日本に元気を持ってもらいたいとか、一緒に盛り上げていきたいっていう気持ちが大きかったんだよね。

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「BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS」の外観

――「NICOPANDA」としてのプロモーションは、日本が初めてということなんですね。

 ポップアップショップの時期もあって、たまたま米国で初披露したけど、ちゃんとお店に入ったのは日本が初めて。日本では4店舗に絞って展開したんだけど、初めて僕の作った世界、空間じゃないところに「NICOPANDA」が置かれたのは初めてで、僕自身とても興味深かった。ちょっと、変なことされたらどうしようとかね(笑)。

 その不安と同時に、「NICOPANDA」を限定させたキャラクターにはしたくなかったから、例えば「OPENING CEREMONY(オープニングセレモニー)」みたいな可愛いお店にもあれば、「BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS(ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ)」みたいなクラシックなお店にもあるし、原宿の「L.H.P(エルエイチピー)」みたいなすごく元気があるお店とか。全部僕が好きだったお店なんだけど、ある意味"賭け"みたいなところもあったよね。

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ツアー中、「L.H.P」ではファンと交流も

――実際に4店舗に行ってみてどうでしたか?

 すごくフレッシュだったね。「ちゃんとディスプレイしてもらえるのかな」ってちょっと不安だったけど、どのお店もちゃんと力入れてやってくれてて、それが本当に嬉しかったね。今そういうお店ってあんまり無いじゃない、一つのブランドのためにお金をかけてディスプレイするとかさ。

――「NICOPANDA」に関しては日本を拠点に発信していくということですか?

 もちろん。今までやったことないような、僕が作る初めてのブランドだからね。ゼロからだからルールも知らないし、適当なフィーリングで作りたいんだ。思ったことを話して、どんどん修正しながら感じで進めたい。もっと簡単にクリエイションできるブランドにしたいからこそ、今、思ってることを表現していきたいんだ。

――デビューから間もないですが豊富なアイテムをリリースしていますよね。

 スタッフのみんなに、いっぱい頑張ってもらってるおかげかな。リスクとかマーケティングとかは考えてないし、とにかくルールはない。常にみんなをすごくわくわくさせたいなって考えてる。

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「L.H.P」店内。ハローキティーとのコラボアイテムも並ぶ。

――発売初日のツアーは当日に発表されて、ゲリラ的な感じでしたね。

 ちょっとシェイクしたいのよ、今の日本はつまらないでしょ。 全員じゃないけど、何も興味ない若い子たち多いよね。こんなに大事な時に何もわかってないっていうかさ。僕は静岡の沼津出身だから、(日本の)みんなにも頑張ってほしいと思うんだ。僕のことを遠い世界にいると思ってる人もいるみたいだけど、「そうじゃないんだよ」って伝えたい。僕が持ってるインスピレーションをあげたいし、みんなに「夢とリアリティはもっと混ぜて良いんだよ」というメッセージを発信したいんだ。

――先ほどもキティちゃんが好きだと言っていましたが、もともとキャラクターが好きなんですか?

 キティちゃんはもちろん大好きだし、漫画も好きだよ。「ドラゴンボール」から「聖闘士星矢」まで「週間少年ジャンプ」の漫画は全部好きだったな。でも、記憶に残るのはキティちゃんみたいな凄くシンプルなアイコンだよね。ものすごく日本ぽく感じる。

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――どんなキャラクターに育てたいですか?

 ユニセックスでバウンダリー(境界線)がなくて、ちっちゃい子からおばあちゃんまで凄いピュアな感じでハッピーになれる。かわいいっていうのはすごく大事なことだと思う。僕のスタイルは、ハッピーな雰囲気ではなくてダーク&ファンタジーみたいな"とんがっているもの"を作ることが多いんだけど、「NICOPANDA」ではポジティブやハッピーを広くみんなに表現していきたいんだ。

 僕は今、「NICOPANDA」のためにこうやってインタビューしてるっていうのもおかしいし、面白いんだよね。「NICOPANDA」自体、思ったことをすぐ形にしてできたもので、それが派生して今こういうことが起こってる。でも、これがモダンな方法なのかなって思った。初めからビジネスとかお金儲けを考えてやるビジネスは絶対今の年代ではうまくいかないって。ピュアじゃないからね。特に今のゴタゴタの時にもっと自分が信じてるものをやらないといけないって、すごく実感してるよ。

次のページではLADY GAGAとの関わりや、ガガパンダ、Nicola Formichetti自身の今後についてを探ります。

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