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【体験レポ】現役ポケモントレーナーが“泊まれるモンスターボール”に泊まってみた

文・村田太一

 2026年は、ポケモン誕生から30周年。「ポケットモンスター ルビー」でポケモンデビューした筆者も、気づけばすっかり大人になりました。しかし、年齢を重ねてもあの頃味わった感動やワクワクは色褪せません。今年開業した「ポケパーク カントー」には既に2度足を運び、ポケモンバトルに特化したゲーム「Pokémon Champions」では好きなポケモンを使って勝てるよう、(仕事に支障のない範囲で)日夜研究に励んでいます。そんな現役ポケモントレーナーである筆者の夢の1つが「モンスターボールに入ること」。窮屈そうな印象のあるモンスターボールですが、実は内部はポケモンにとってとても居心地の良い空間になっているそう。一体どんな居心地なのか。そんな長年の夢が、ついに現実に!

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 NOT A HOTELと、睡眠ゲームアプリ「ポケモンスリープ(Pokémon Sleep)」がコラボレーションしたモンスターボール型宿泊施設「Poké Ball-Themed Hotel」が北海道 苫小牧に登場しました。大自然の中にNOT A HOTELならではの建築とテクノロジーによってモンスターボールを再現したという同ホテル。これはポケモン歴20年以上の筆者としては絶対にチェックしておきたい.....。そんな願いが通じたのか今回、宿泊する機会をいただいたので、ロマン溢れる施設の全貌をレポートします。

※このレポート記事は宿泊体験のネタバレを含みます。これから泊まる人は予めご承知おきのうえ、読み進めてください。

舞台は雄大な自然が広がる北海道、いざポケモンの世界へ!

 ホテルがあるのは、北海道の苫小牧。雄大な自然が広がる森の中にポツンと“泊まれるモンスターボール”は佇んでいます。担当者曰く、「大自然の開放感と、モンスターボール内部の秘密基地のような没入感でコントラストを作り出したかった。ポケモンスリープのテーマである『睡眠や休息』が苫小牧の自然の静けさや空気感と相性が良いと考え、ロケーションから設計した」とのことです。

 東京・羽田から新千歳空港へ。ワクワクして前日の夜あまり眠れなかった筆者は、自身のポケモンの“原点”である『ポケットモンスター ルビー』のパッケージがデザインされたTシャツを着用した“たんぱんこぞう”のようなスタイルで来道。流石は北海道、着いたタイミングで雨が降っていたこともありますが、本州と比べると肌寒いです。

 車を走らせ、ホテル付近のヴィラに到着。NOT A HOTELの現地スタッフからカードキーを受け取ります。カードキーはモンスターボールがデザインされた特別仕様で、台紙にはホテルの場所と泊まった日付を捺印。全て現地スタッフが手作業でスタンプしており、気持ちのこもったおもてなしです。


 森の中を進むと、一面緑の中に異質なレッドカラーが見えてきました。いざ、ポケモンの世界へチェックイン!

モンスターボールが現実に、ファン垂涎の内部をレポート

 開いた口が塞がらないとはまさにこのこと。NOT A HOTELがテクノロジーの粋を結集して作り出した球体建築は、デザインから質感に至るまでモンスターボールそのものです。背後の森から出入り口に向かってカビゴンの足跡が伸びており、周囲の大自然も相まってポケモンたちが実際に暮らしているかのような息づかいを感じさせます。

 内部に入るには、先ほど受け取ったカードキーをかざすだけ。ロックの解除音が聞こえたら、入室準備完了です。

 扉を開けるとまず目に飛び込んでくるのは、ボタン部分の裏側に取り付けられた円状のディスプレイ。初めて扉を開けると、カビゴンが「WELCOME」のメッセージとともに宿泊者を迎えてくれます。

 円形のマットレスの中央には、ヒトカゲが気持ち良さそうに大の字で眠っています。“泊まれるモンスターボール”では滞在に際してあらかじめ「フシギダネ、ヒトカゲ、ゼニガメの中で最も好きなポケモンは?」と聞いており、選んだポケモンをここでサプライズプレゼント。「ポケモンチャンピオンズ」でメガリザードンYとメガカメックスを相棒として戦ってきた筆者は悩みましたが、『ポケットモンスター ファイアレッド』で最初に選んだ縁からヒトカゲに決めました。

 ポケモンスリープとのコラボということで“睡眠”をテーマとしている同施設。ヒトカゲの隣に置かれていたのは、「テンシャル(TENTIAL)」とのアイマスク。

 入り口脇には、ボタンをタッチすると光る特注のモンスターボール型ライト。夜間には携帯ライトとしても使えるので実用性抜群。現在商品化の予定はないそうですが、これは自宅に欲しいです。

 “泊まれるモンスターボール”での滞在は、モンスターボールのほか、シャワーやトイレ、洗面所といった水回りを集約した「水回り棟」、夕食をいただくヴィラの3ヶ所を使うことになります。水回り棟はシンプルな四角形かつ全面鏡面仕上げの外観で、景観を極力損なわない工夫を凝らしています。「モンスターボールと大自然のコントラストを最大限楽しんでいただくため」と担当者。

 内部はコンパクトながら、設備やアメニティは他のNOT A HOTELで使われているものを踏襲。洗面台の上には歯ブラシ、歯磨き粉などが入ったポケモンスリープのポーチが置いてあり、宿泊者は持ち帰ることが可能です。

 入り口には、移動用フットウェアとして「雲駄」を用意。施設は森に囲まれているので、周辺に急斜面や石が転がっている場所もありますが、雪駄の様式美にスニーカーソールの機能性を組み合わせたこの履き物があればノンストレス。細部まで気配りが行き届いていて嬉しい気持ちになりました。

 15時にチェックインした後は、夕食まで自由時間。自宅から手のひらサイズのぬいぐるみ「Pokémon fit」を持参し、モンスターボールの中で眺めて楽しんだり、施設周辺をポケモンと一緒に散歩したりして過ごしました。広大な自然の中でゆっくりとした時間をポケモンと共にできるのも、同施設ならではの魅力です。

「ポケットモンスター ソード・シールド」で相棒だったヌオー

ポケモンたちが眠るヴィラでの夕食はラグジュアリーなひととき

 夕食の時間は18時半。“泊まれるモンスターボール”から数分歩いたところにあるヴィラが会場です。自然に囲まれた森の中なので、都会に比べると陽が沈むのが早く、辺りはすっかり暗くなりました。ヴィラに着くと、おやすみ中のポケモンたちがお出迎え。ピカチュウのほか、ヒトカゲ、ゼニガメ、フシギダネ、ヤドン、イーブイ、プリン、コダック......。どの子も寝顔が可愛らしく、寝方にも個性が出ていて見ているだけで癒されます。

 メニューは、地元・北海道の食材を中心に構成されたバーベキュー。富良野和牛のステーキは驚くほどにジューシーで柔らかな口あたりで、北海道産帆立は地元のバターに醤油をたらして実食。北海道のブランド米・ゆめぴりかのおにぎりはそのまま食べてお米の甘さを味わうもよし、醤油を塗って焼きおにぎりにするもよし。

富良野和牛のステーキ

 北海道近海で稀に水揚げされる希少なキングサーモン・大助のカルパッチョや、北海道の地鶏を使ったご当地グルメ・ザンギも絶品です。

 食事のお供には北海道・上富良野で100年以上営業を続けている多田農園の紅玉りんごジュース。農薬や化学肥料を一切使用せずに育てたりんごを贅沢に100%使用しており、酸味と甘みのバランスが絶妙です。NOT A HOTELの料理人さんを除けば周囲に誰もいない静まり返った静寂のなか、食材を焼く音と湖のさざなみ、そしてBGMに流した「ポケットモンスター ルビー・サファイア」のサウンドトラックだけが響く夜は、都会では体験することのできないラグジュアリーなひとときでした。

夜の時間もプライスレス 究極の睡眠をポケモンと共に 

 夕食を終え、シャワーを浴びるとリラックスタイム。モンスターボールの中で「ポケモンチャンピオンズ」のシングルバトルに勤しみました。この日の戦績は、3勝1敗。「からをやぶる」を使ったメガカメックスが大活躍してくれました。せっかくの良い夜なので、調子が良いうちにやめておきます。

 9月下旬の苫小牧。夜になるとやや肌寒さを感じる代わりに、澄み渡る空気の心地よさは格別です。「このまま寝てしまうのは勿体ない!」と夜の散歩へ。足元に気をつけながら湖畔を歩くと、薄明かりに照らし出されたモンスターボールが水面に映り込み、幻想的な光景が広がります。まるで自分がポケモントレーナーになって旅をしているような錯覚を覚えました。

 入眠前はタブレットホーム画面の「おやすみ」モードから“一緒にねむる”ポケモンを選びます。選択できるのは、ピカチュウ、イーブイ、フシギダネ、ヒトカゲ、ゼニガメ、プリン、コダック、ヤドン。今回はサプライズでプレゼントされたこともあり、ヒトカゲをチョイスしました。あわせて選べるBGMは9種。「ポケモンセンター」「プリンのうた」など懐かしいものから、「南エリアを歩く(パルデア)」といった新しいものまで揃っています。

 球体の形状にぴったり収まる円形マットレスは、上質な睡眠を科学する寝具ブランド「ネル(NELL)」の特注品。内部には身体を優しく支えるため、内部には2350個ものポケットコイルが敷き詰められているそうです。ベッドに身を沈めると、全身が包み込まれるような心地よさに満たされ、間もなくまぶたが重くなってきました。おやすみなさい。

早朝の景色は別世界 朝食も絶品!

 テンシャルのアイマスクをつけて熟睡していましたが、“あさのひざし”を全身で浴びて7時半頃に自然と目が覚めました。大自然の中、最高の寝具に包まれて休んだ身体は寝起き特有の気怠さなど一切なく、まるでポケモンセンターで回復してもらったかのように、全身に活力がみなぎっています。ふと横を見ると、大きな口を開けて眠るヒトカゲの姿。最高の1日のスタートです。

 ベッドから身体を起こすと、視界いっぱいに瑞々しい木々が広がり、木漏れ日を映し出す湖の美しさに、思わず言葉を失いました。日中や夜の景色も魅力的でしたが、早朝の景色は格別。ここまでの旅のすべては、この景色に出会うためにあったのではないかと思えるほどでした。

 朝陽を浴びるモンスターボールと、水面に漂う静かな朝靄。この美しい情景に出会えるのは、早起きした人だけに与えられた特権です。朝の澄んだ空気を味わいながら、散歩がてら朝食会場のヴィラへと向かいます。

 朝食は、北海道の食材を贅沢に使ったクロワッサンサンドを中心としたメニュー。中でも白眉だったのはオニオンスープで、玉ねぎと水に少量の塩を加えただけというシンプルな製法ながら、とろけるような甘味が口の中全体に広がり、まさに絶品でした。

クロワッサンサンド(目玉焼き、厚切りボローニャハム、トマトソース、オニオンソテー、ほうれん草ソテー、グリーンリーフ、マヨネーズ)

 食事を終え、記事の執筆を進めたり名残惜しく景色を眺めたりしているうちに、いよいよチェックアウトの時間が近づいてきました。1日という滞在でしたが、おそらく生涯忘れることのない濃密な体験だったので後ろ髪を引かれる思いです。ともに夜を明かしたヒトカゲは、もちろん“ゲット”して自宅に連れ帰りました。これからも一緒に眠り、ベッドに入るたびに、苫小牧で過ごした時間を思い出すことでしょう。

この日は『ポケットモンスター サファイア』のパッケージがデザインされたTシャツ。

 最新技術の粋を結集した“泊まれるモンスターボール”での宿泊体験は、ポケモンとNOT A HOTEL、双方の情熱とこだわりが交わることで生まれた夢のような時間でした。ゆくゆくはモンスターボールのみならず、泊まれるスーパーボールやハイパーボール、ダイブボールやゴージャスボールなども期待したいですね。素敵な機会をありがとうございました!

◆【番外編】チェックアウト後はポケモンセンターへ!

 “泊まれるモンスターボール”のチェックアウトは11時。“ポケモン欲”が冷めやらない筆者は、その足で「ポケモンセンターサッポロ」に向かいました。新千歳空港から札幌までは電車で40分ほど。滞在中の写真や動画を眺めていると、移動時間はあっという間です。ポケモンセンターでは豊富なグッズに目移りしながらも、「タツベイ」が進化形である「ボーマンダ」の背中に乗せてもらって楽しそうに飛んでいるぬいぐるみを購入。『ポケットモンスター サファイア』のパッケージがデザインされたTシャツを着ていたこともあり、キャストの皆さんからたくさん声をかけていただきました。連れ帰るヒトカゲともども、旅の良い思い出になりそうです!

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最終更新日:

文・村田太一

Taichi Murata

FASHIONSNAP 編集記者

群馬県出身。男子校時代の恩師の影響で大学では教員免許を取得するも、ファッション業界への憧れを捨てきれず上京。2021年にレコオーランドに入社。主にビジネスとメンズファッションの領域で記事執筆を担当する。幼少期、地元の少年野球チームで柄にもなくキャプテンを任せられた経歴を持ち、今もプロ野球やWBCを現地観戦するほどの野球ファン。実家が伊香保温泉の近くという縁から、温泉巡りが趣味。

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