
Image by: OUIE
エディション表参道ヒルズ店が、ロンドン発のファインジュエリーブランド「ウイ(OUIE)」のトランクショーを8月29日と30日の2日間開催する。ウイは、ファウンダーのルイ・クレスウェル(Louie Cresswell)が2019年に立ち上げた、「置き換え(transposition)」というアプローチを軸にしたジュエリーブランド。創作の出発点には「機能のためにつくられたものを、ゴールドでつくり直したら、その意味は変わるのか」という問いがある。ジュエリーは「装飾」ではなく、日用品や工業部品、機構の美しさを“そのまま”ジュエリーに置き換えることを試みているという。今回は、トランクショー開催を記念して来日したクレスウェルに、ブランドのデザイン哲学を紐解く5つの質問を投げかけた。
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⎯⎯ ジュエリー制作は独学で身につけられたそうですね。デザインやアート、サブカルチャーなど多様なカルチャーバックグラウンドを持つそうですが、なぜ「ジュエリー」という表現を選んだんですか?
私はこれまで、全てを独学で学んできました。ウイは、私ともう一人だけのミニマムなチームで、ビジネスのあらゆる部分に携わる中で、自然と領域横断的な動き方をするようになったんです。
あるとき、留め具やシルバーのボタンを試作する中で、ふと、“完全に機能する”コードロックストッパーをゴールドで作ってみたいという強い衝動に駆られました。その作品が、私にとって全てを変えるきっかけになりました。
私にとって、ジュエリーとはタイムレスであるべきもの。触れた時の感覚や重さ、さまざまな方法で身につけることができ、生涯にわたってその人と共にあり続けられる、「本当に質の高いもの」を作ることに興味があります。だからこそ、ジュエリーを作っています。
⎯⎯ 「本当に質が高い」「生涯にわたって共にあり続ける」ことができるジュエリーのモチーフとして、「日用品」を選ぶ理由は?
私は昔から、人と身の周りのものとの関係に興味を持っています。毎日使っているものほど、存在を意識することは少なくなりますが、そういう日用品こそ、驚くほどよく考えられていて、私たちの暮らしの中で最も完成されたデザインのひとつ。ものを使って何ができるかより、そのもの自体の機能的なディテールに魅力を感じているんです。だから、新しいものを発明したいわけでも、仕組みそのものを自分のものとして語りたいわけでもありません。大切にしているのは、そのオブジェクトが持っている魅力や本質を歪めることなく「そのまま」残すこと。そして、新しい何かになり得る可能性を持った物を見出すことです。
本来なら、使い終わればその役目を終えてしまうものを、プレシャスな素材に「置き換える」ことで、一時的な存在が永続的で意味のあるものに変化する。オブジェクトそのものは変わらなくても、私たちとものの関係性が変化するのです。これまで見慣れたつもりになっていたものが少し違って見えてくる瞬間に、新しい価値が生まれる。ウイが表現するのは、「日常を少しだけ注意深く見てみる」という行為です。

ブランドのシグネチャーである、キーリングの造形を引用したリング
Image by: OUIE
⎯⎯ エディション表参道で開催するトランクショーでは、エディションとの初の別注アイテムを発売します。シルバー925製のカラビナに、イギリスの貴金属製品の品質を証明する「ホルマーク」をデザインとして表現していますね。
カラビナって、すごくよくできた道具だと思います。そのシンプルさと実用性、モジュール性にずっと惹かれていて。まさにウイの哲学をそのまま形にしたような存在。以前から、探求してみたいと思っていたモチーフでした。ジュエリーでもあり、道具でもある、そんな曖昧な場所にあるものが昔から好きなんです。ウイのデザインも、いつもその間を行き来しながら生まれています。
ウイの製品は、全てイギリス国内、主にロンドンで生産されています。このカラビナも、ロンドンで鋳造し、最後は手作業で仕上げました。イギリスの工業製品には、仕様や識別のための刻印が金属に直接打たれていることがよくあり、このカラビナにも同じようなアプローチを取り入れたいと考えました。デザインの際に大切にしているのは、プロポーションとしての使いやすさ。なので、余計なことはしません。元の構造が持っている完成度を壊さないことを意識しています。今回の別注アイテムの刻印も、そうした発想から、ロゴを後から載せるのではなく、メーカーズマークやサイズ表記と一緒に鋳造の段階からデザインに組み込んでいます。古い船具や工業製品に刻み込まれたマークが好きなので、その素朴なかっこよさからも影響を受けました。

Exclusive Carabiner(16万5000円)
⎯⎯ ブランドにとって、日本はどのような存在ですか?
私は長年にわたり、日本のクラフトマンシップとデザインに対して深い敬意を抱いています。特に、素材やディテールに対する細かなこだわりに惹かれていて。それらはウイにとっても同じように重要な要素なので、日本とは自然なつながりがあるだろうと以前から感じていました。
⎯⎯ 今後の展望を教えてください。
今年、ロンドンに初めてのスタジオをオープンします。これからもジュエリーとハードウェアを中心に専門性を深めながら、レザーグッズやその他のオブジェクトも少しずつ展開していく予定です。それらはすべて、同じパズルを構成するピースのようなものだと考えています。少しずつ、ウイを取り巻くより大きな世界を築いていきたいと思っています。

ルイは、1991年イギリス・ブライトン生まれの35歳。「トランクショーでみなさんにお会いできることを楽しみにしています。プライベートでは、ヴィンテージショップを巡って、美味しいものをたくさん食べたいと思っています」とコメントした。
最終更新日:
◾️OUIE - Trunk Show at Edition Omotesando Hills
店頭では、普段はエディションで取り扱いのない一点物や、ゴールドの限定ピースも販売。ルイ自身が店頭に立って接客を行う。
期間:2026年8月29日(土)〜8月30日(日)
会場:エディション 表参道ヒルズ店
所在地:東京都渋谷区神宮前4-12-10 表参道ヒルズ 2階
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