近藤誠一学長
近藤誠一学長
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Fashion インタビュー・対談

【インタビュー】専門学校と何が違う?「国際ファッション専門職大学」で学べるファッションの"理論と実践"とは

■ファッション教育の最新モデルに

ーカリキュラムはどのようにして設定されたのでしょう。

 開学に際し、政府から「教育課程連携協議会」を設けることが義務付けられています。議会は実務家教員の方々や国内外の企業で活躍する人、フランスオートクチュール・プレタポルテ連合協会の加盟者などによって構成されていて、現在のファッションの教育において何を学ぶ必要があるか、そのためにどういった設備やシステムが必要かを協議する場です。それに応じてカリキュラムを充実させていくことで、学生たちがより実践的な教育を受けられるようになるという仕組みですね。生徒には3D衣装作成ソフトを搭載したパソコンを配布する予定で、ファッションの教育現場に応用できそうな最新技術は今後も柔軟に取り入れていく考えです。

ー専門職大学の特徴でもある「実務家教員」については。

 実務家教員は教員全体の4割を想定していて、各分野で実績を持ち業界を知り尽くした方々に教壇に立って頂きます。知識を現場で応用していくためには、理論だけではなく実務家教員の経験とノウハウが参考になりますし、そういった方々の発想に触れることが学生の刺激になるはずです。

ーどういった方を起用しますか?

 一部をご紹介すると、「ヨウイチナガサワ(YOICHI NAGASAWA)」のデザイナーで、無印良品やイオンの衣料部門のプロデューサーを務める永澤陽一さん。それから、ファッション産業論を専門的に教えている富澤修身教授などが教鞭を執る予定です。

ー専門職大学を卒業すると「学士(専門職)」が与えられますが、メリットがあると考えますか?

 ファッションを学びたいと考える人たちにとって、これまでは専門学校しか選択肢が無かった。これは少なからずネックだったのではないでしょうか。大学卒と同等の学位が習得できるということで、学生にとって選択肢が広がりますし、就職でも優位になるでしょう。ファッション業界の未来を担う専門教育の新たなモデルになれば良いですね。

ー「完全就職保証制度」なども設けていますが、就職活動における強みは。

 豊富なインターンシップ先で養う現場での判断力や思考力は、様々な業界で役に立つと考えています。「デザイン」と一口に言っても、アパレルからインテリアやライフデザインまで多岐にわたりますから。様々な就職先を想定した場合でも、ファッションについて専門的に理論と実践の両方を履修するということは、学生にとってステータスになりますし、採用側にとっても評価基準として加味することができます。社会人学生や編入学生を受け入れる体制も整えていますから、時代の変化に対応できる能力を身に付けることは優位に働くと思いますね。

ー2019年度入学が第1期となりますが、出願の状況はいかがでしょう。

 大変嬉しいことに、初回のAO入試から定員がほぼ埋まるほどの出願がありました。募集の調整も行っています。

ー最後に、学長として新たにスタートする大学を率いることの意味について、どのように感じていますか。

 私はこれまで外務省や文化庁などに携わってきましたので、日本の技術やポテンシャルを国内外の舞台でどのように発揮していけるかを常に考えてきました。当大学のファッションという様々な可能性を秘めた産業を発展させていく人材を育てるという目的は、私自分の目指してきたこととも重なり、大変魅力的です。開学に向けて、多くの方々と熟考してきたことがどのようにして実現していけるのか、楽しみでもあり身の引き締まる思いですね。

(聞き手:平原麻菜実)

近藤誠一
国際ファッション専門職大学 学長
元文化庁長官。パリOECD(経済協力開発機構)事務次長や駐米国大使館公使、ユネスコ日本政府代表部大使などを経験した。退官後は、東京大学などで教鞭を執ったほか、芸術や文化の振興事業に携わった。現在も東京藝術大学で客員教授を務めている。

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