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世界最大のメンズの祭典「ピッティ・イマージネ・ウオモ」ってどんな場所?2018-19年秋冬展をレポート

 世界最大級のメンズ見本市「ピッティ・イマージネ・ウオモ(Pitti Imagine Uomo、以下ピッティ)」が、2018年1月9日から12日まで4日間の日程で開催されました。来場者数は昨年比600人増の約36,000人、バイヤーの総数は約25,000人と、今回も桁外れのファッション業界人が集結した大規模な合同展。会期中に行われた「アンダーカバー(UNDERCOVER)」と「タカヒロミヤシタ ザ ソロイスト.(TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.)」の合同ショー「ブルックスブラザーズ(BROOKS BROTHERS)」の200周年など、ビッグニュースの多かった2018-19年秋冬シーズン。初参戦記者がメイン会場で見つけたピッティならではのトピックスをレポートします。

 

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ピッティ "基本のキ"

■スナップ合戦は健在 上級者は寒くなくても冬支度

 「冬のピッティは寒いよ」という常連さんの忠告をよそに、2018年1月のフィレンツェは穏やかな陽気で、むしろ東京の方が寒いくらい。持ってきたカイロやヒートテックの出番はなく、昼間ならジャケットも必要ないほどでした。しかし会場のフォルテッツァ・ダ・バッソ(Fortezza da Basso)に着くと、厚手のジャケットを羽織ったおしゃれ上級者たちが多数。この日のために気合いを入れたジェントルマン&ジェントルウーマンたちの撮影合戦が始まっていました。"祭典"と言われるだけあり、トラッドからラグジュアリーストリートまで様々なファッションピープルが訪れ、その着こなしを見るだけでも楽しめます。

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■記載不要の「ピッ」入場、スマホアプリをダウンロードすべし

 合同展示会と言えば、入り口で名刺を出したり名前を書いたりと、会場に入るまでが面倒なもの。ピッティではそういった手続きが全て事前にできるようになっています。専用アプリ「PITTI PASS」の導入により、プレスやバイヤーの名前が登録され、入り口ではバーコードをかざすだけ。時間によって少しだけ混みますが、スムーズな手続きで入れるのでとても便利。「ピッ!」と鳴れば入場可能です。

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■テーマは「映画村」作り込んだ"インスタ映え"会場

 今回のテーマは「シネマ」。映画館を舞台にしたプロモーションムービーも公開されていましたが、会場はそのムードをさらに高めるものでした。ライフスタイラー セルジョ・コラントゥオーニ(Sergio Colantuoni)のクリエイティブディレクションにより、異国の映画祭さながらの雰囲気。合同展というよりも、もはや映画村!正面広場には券売機や、巨大ビルボードにカルトムービーやインディー映画の上映スケジュールがディスプレイされるなど、フォトスポットも多数。散歩するだけでも十分に楽しめます。

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■辞書レベルの会場地図はバッグの中へ、会場内ではアプリを片手に

 「よかったらどうぞ」と手渡された解説ブックは想像以上の分厚さ。会場は面積は6万平方メートル、出展数は1,200ブランド以上となれば、お目当のブースに辿り着くのも一苦労。解説ブックは辞書のようで、初心者が使いこなすのは至難の技です。苦戦していると「アプリが便利ですよ」と教えてもらいました。入場パスにもなる専用アプリ「PITTI PASS」にマップ機能も備えられ、検索すれば会場のどこにそのブースがあるか一目瞭然。デジタルが進化した時代に取材できて「よかった」と一安心です。

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■日替わりメニュー、美味しいイタリアンは必食

 とにかく広いピッティ会場を1日では到底回れないので、会場内にはフードバスやカフェが用意されています。「お腹が空いた」とプレス関係者がたどり着く先がプレスレストラン。ここではパスタやサラダ、チーズ、生ハムまでトスカーナ料理が振舞われます。プリンやティラミス、ジェラートといったデザートや、飲み物も水だけではなくワインも用意されているのはさすがイタリア。ここは世界各国のプレスが集いテーブルを囲むので、情報交換の場としても活用されています。ちなみに、これらのメニューを振舞うレストランは毎年変わるそう。「ここにくるのが楽しみ」と口を揃えていました。

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ブリーフvs着物...2018-19年秋冬のピッティNEWS

■ブリーフVS着物 日本ブランドの仕掛けが話題に

 メンズスナップ撮影のメッカでもあるピッティ。メイン会場では日本ブランドの仕掛けが注目を集めていました。初日には伊勢丹メンズの下着売り場で売り上げNo.1の「TOOT」がイタリアモデルを起用したプレゼンテーションを実施。寒空の下のパンツ姿に、周囲からは「Crazy !!!」といった声が多数上がっていましたが、ここぞとばかり多くの人がカメラを向けていました。

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 2日目に登場したのが「Y&サンズ(Y. & SONS)」の羽織行列。「ノルウェージャン レイン(NORWEGIAN RAIN)」のティー・マイケル(T-MICHAEL)と一緒にスタートしたコラボラインのデビューと共に、前回からピッティに参加したブランドですが、今年も増田海次郎さんなど日本のジャーナリストらを含め、羽織姿でメイン会場を練り歩きました。ブースで迎えてくれたのは、ティー・マイケルさんとディレクターの矢嶋孝行さん。

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■制服は特注、デザインは「ブルックスブラザーズ」

 今回、200年の歴史で初めてのショーを行う「ブルックス ブラザーズ(Brooks Brothers)」の協力のもと、会場内のスタッフの衣装は「ブルックス ブラザーズ」が制作しました。入り口のスタッフのダッフルコート、Tシャツ、ダウンジャケット、帽子まで全て。着用しているスタッフは、おしゃれな制服になんだか嬉しそうです。

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 ちなみに入り口にはモニュメントも。こちらもフォトスポットとして注目を浴びていました。

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■日本からの初進出は「テアトラ(TEATORA)」、ビームスが支援

 ピッティ初参加の日本ブランドとして注目を集めたのが「テアトラ」でした。世界展開に向けて拡大する第一歩としてピッティに参加。ビームスの支援を受けて出展となりました。「全部は持って来れなかった」とのことですが十分の商品量。日本発の"頭脳職のための機能服"は、海外のバイヤーの目にどう映ったのでしょうか。

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 ちなみに、日本からは佐藤可士和が手がける「ディーベック(D-VEC)」も初参加。ニュースはこちらから。

■ボーイロンドンのビニールバッグがトレンドに?

 会場では資料やお土産を配るブースが多いのですが、夕方になると英国発ストリートブランド「ボーイロンドン(BOY LONDON)」のバッグを片手に会場内を回る人が多数。このビニールバッグがちょっと大きめでお土産を入れるのにも便利だったのか、持って歩いていると「これ、どこで配ってるの?」と聞かれることも。ブースの外装と同じプリントで、ピンクやブルー、イエロー、グリーンの4色。色も目立つので、良い宣伝効果になっていたようです。

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■「もはや、家」壮大すぎるビルケンのブース

 「カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)」や「カナダグース(CANADA GOOSE)」といったビッグブランドは規模の大きなブースを設けていましたが、「ビルケンシュトック(BIRKENSTOCK)」は外装から内装まで、まるで"家"のよう。石が敷かれたエントランスを通りブースの中へ。日本ではまだ展開されていませんが、新作のサンダルだけではなくホームウェアやベッド、そしてスキンケアまでラインナップされていました。現在リブランディング中ということもあり、サンダルからスタートしたビルケンシュトックの世界観を拡張したような空間です。一角に設けられたバーカウンターでは、お酒やコーヒー、お菓子が振る舞われ、歩き回った来場者の疲れを癒していました。

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 4日間のスケジュールで開催されたピッティですが、実はバイヤー来場数ランキングで一番多い国は日本。毎回来場しているビームス(BEAMS)は、ピッティスナップ専用のアカウント(@pitti_snap_by_beams)を開設し現地でスタッフが切り取った情報を発信するなど、企業単位でもメンズトレンドの発信拠点となっています。次回の6月開催では、「ロベルト・カヴァリ(Roberto Cavalli)」の新クリエイティブディレクター ポール・サリッジ(Paul Surridge)が初のメンズコレクションを、そして「クレイグ・グリーン(Craig Green)」が2018年春夏コレクションを披露する予定。世界最大のメンズファッションの祭典から目が離せません。

 公式サイト:ピッティ・イマージネ・ウオモ(英語)

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