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ポーラのフェムケアラボで“転ばぬ先の知恵”を オプトとともに吸水ショーツを提案

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ポーラのフェムケアラボで“転ばぬ先の知恵”を オプトとともに吸水ショーツを提案

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 2023年にポーラが主催し全17社が参画して始動した、女性ならではの健康課題を考える合同参加型プロジェクト「タブーを自由にラボ」。今年は大学生を対象に全4回のカリキュラムで、セミナーやディスカッションでフェムケアについて理解を深める取り組みを実施します。今回、第2回目のカリキュラムを取材。フェムケアの商品開発や活動を行うポーラの西澤美紀氏と、アンダーウェアブランド「オプト(OPT)」ファウンダーで、ヨーロッパでプロサッカー選手としての経歴を持つ、下山田志帆氏と内山穂南氏のトークセッションから、意外と知らない吸水ショーツについてをレポート。また大学生が今回のセミナーやディスカッションから導き出したフェムケアについて深掘りします。

「タブーを自由にラボ」とは?
 ポーラが2023年に始動したフェムケア事業の一環として実施しているプロジェクト。働く女性の健康の悩みをテーマに、女性の体についてのメカニズムやフェムテック市場について学ぶほか、PMSや不妊治療、卵子凍結、妊娠・出産とキャリア、更年期、ヘルスリテラシーに関する教育課題など、普段はなかなか声に出しにくいテーマに焦点を当てる。同じ課題を抱える仲間とともに解決策を考え、女性の活躍推進支援や新しいアイデア創出を目指している。

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ポーラとオプトのフェムケア「製品の取り組みについて」

 ポーラ、オプトともに、吸水ショーツを発売しています。吸水ショーツはクロッチ部分に吸水素材が用いられていて、ショーツ自体が経血を吸水することで、ナプキンやタンポンなどの生理用品を使用せずに生理期間を過ごすことができます。「日本国内では2020年ごろにスタートアップ企業が参入し、その波は徐々に大きな企業にまで広がっています」(ポーラ ブランドクリエイティブ部 新価値開発チーム 西澤美紀氏)。ポーラ、オプトはさまざまな想いを込めた吸水ショーツを開発しています。

一生で一番長く身につける衣服。だから憂鬱な時間を自由な時間に(ポーラ)

ポーラ ブランドクリエイティブ部 新価値開発チーム 西澤美紀氏

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 ポーラは化粧品やウェルネス商材の開発・販売を行う会社として知られていますが、女性用インナーウェアの開発・販売も長年行っています。下着は年齢を問わず、1日のうちシャワーを浴びている時間以外ほとんど着用している、「一生で一番長く身につける衣服」。吸水ショーツが普及し始めた中で、西澤氏は「ポーラでもより良い選択肢を提案できないか。女性特有の変調やサイクルによる悩みに寄り添い、誰もが自分を大切に、もっと自由に過ごしてほしい」という思いから、企画・開発した吸水ショーツ「フリーフェムショーツ」が誕生したと語ります。フリーフェムショーツは“不安で憂鬱な時間を、私らしい自由な時間に”をコンセプトに、機能性と履き心地を両立したアイテムです。より快適に生理の期間を過ごせるよう、2タイプが用意されています。

2023年に発売した第1弾「フリーフェムショーツ」(2サイズ展開、各税込6930円)

 2023年に発売した「フリーフェムショーツ」第1弾は、6層の立体パッド内蔵でスピード吸収&ニオイを防ぎ、肌をサラサラに保つ。約50~60mLの水分を吸水し、肌に優しいコットン素材と遠赤外線放射機能がある植物性炭素繊維「オルガヘキサ」加工で、肌と体をじんわり温める。ウエストとヒップをすっぽり包み込み、ズレにくいマキシ丈で、お腹周りは生地を2重に折り返し締め付けずにフィット。長時間横になっても安心できるよう、後ろまで防水ガードを施している。

 今年7月に第2弾の「ライト」タイプを発売。水分の吸水量は約30mLで、そのほか構造や機能は第1弾と同様。すっきりとカットしたレッグラインで足さばきが良く、普段のショーツと変わらない履き心地とすっきりとしたデザインが特徴。

ピンクのパッケージにフローラルの香り…「違うんじゃない?」ってずっと思っていた(オプト)

「オプト」ファウンダーの内山穂南氏と下山田志帆氏

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 「どんな時も自分は自分なのに、生理用品に「自分らしい」ものはひとつもない」。サッカー選手として活躍してきた下山田氏と内山氏が共同代表を務めるレボルト(Rebolt)が展開するライフスタイルブランド「オプト(OPT)」は、そんな声や体験から誕生しました。内山氏は「生理用品の機能面による使いづらさと、デザインの“可愛らしさ”が自分に合わないと違和感を覚えてきた」と、振り返ります。

 さらに生理用品は基本的に過酷なスポーツ環境での使用は想定されておらず、デザインはピンク色に花柄やハートなどのキュートなモチーフが施されていることがほとんど。“生理”と“スポーツ”は相性が悪く、オプトが554人の女性・クィア アスリートに実施したアンケートでは、「試合中、汗でグチャグチャになったナプキンが落ちてしまった」「可愛らしいデザインの生理用品をチームメイトに見られるのが嫌」などの声が集まりました。さらに、スポーツ用品メーカー「モルテン(molten)」とオプトが2023年10月に実施した生理に関する実態調査では、10〜20代の女子アスリートの約7割が生理用品の悩みを「仕方ない」と諦めていることがわかったと言います。

 オプトはそんなアスリートたちの声から、2021年にメンズボクサーパンツ型の吸水ショーツ「吸収型ボクサーパンツ」を発売。アスリートレベルでの動作環境での機能性・快適さや、“かっこいい”デザインが特徴です。「実際に吸収型ボクサーパンツを使用しているユースアスリートからは、『仕方ない』と諦めていた生理用品の悩みが解消され、生理期間中でも“いつも通り”に近いパフォーマンスができるといった声が寄せられています」(内山氏)。

吸収型ボクサーパンツ(2サイズ展開、各税込5890円)

Image by: OPT

 オプトの「吸収型ボクサーパンツ」は、吸水クロッチ部分に「吸水速乾素材」「吸水素材」「透湿防止ラミネート素材」「ストレッチ性/フィット性に富んだ立体成型ニット」の4素材を採用。いつも通りの履き心地を邪魔しない厚みで、30〜35mLの液体を吸収する機能を実現した。さらに、菌に働きかける加工が施された素材を採用し、制菌加工・抗菌防臭加工・銀イオンの抗菌防臭加工によって嫌な臭いの発生を防ぐ。

ポーラとオプトのフェムケア「啓発活動について」

 昨年のラボで挙げられた課題の1つ、「ヘルスリテラシー向上に関する教育」。若い世代が生理や体について理解を深めていくために、オプトとポーラはどのような活動を行っているのでしょうか。

 まずポーラですが、今回の「タブーを自由にラボ」をはじめとしたフェムケアプロジェクトを始動しています。西澤氏は「自分の体に何かあった時に対処できるよう、より良い選択肢の提案とともに、“転ばぬ先の知恵”となるウェルネスリテラシーを広めていきたい」と語ります。さらに、西澤氏が馬場智氏(睡眠健康診断士/ピンクリボンアドバイザー)、大島敦子氏(健康管理士一般指導員/睡眠健康指導士 上級/女性の健康経営推進員/ピンクリボンアドバイザー)とともに立ち上げた、大人の女性応援プロジェクト「クラブ アマゾネス」では、老若男女が参加できる社内セミナーを実施。「相手を分けることなく、ジェンダーにとらわれずに広く・偏りなく情報を発信していきたい」(西澤氏)。次の目標に「ファーストサニタリーショーツを吸水ショーツに」を掲げ、若年層が早くから吸水ショーツに出合えるようにアプローチしていきます。

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 オプトは「医学療法士やスポーツファーマシスト(ドーピング防止などの専門知識を持つ薬剤師)とタッグを組み、ユースアスリートのチームなどに向けたセミナーを開講しています」(内山氏)。セミナーは選手のみならず、選手の保護者や指導者にも向けて、性別を分けずに開講。「学校で行われる生理の授業が男女で分かれてしまうと、男性はその先で生理について知ることや学ぶことが難しくなってしまう」と、内山氏は危ぶみます。それを解決するために男性を含めてセミナー開催することでより「体」についての理解が深まり、悩みへの対処法を学ぶことが、認識のズレの解消や家族間・師弟間でのコミュニケーションにつながっているといいます。今後も「女性の体について、“どうすればよりスポーツが楽しめるようになるのか”という切り口で、フェムケアへの取り組みを続けていきたい」と内山氏は語ります。

大学生はどう見て、どう考えて、何を話した?

大学生がディスカッションをしている様子
大学生がディスカッションをしている様子
大学生がディスカッションをしている様子

ディスカッションをする大学生

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 「タブーを自由にラボ」に参加した大学生たちは、「生理に関する話をタブーにしないためには、何ができるのだろう?」をテーマに、「大学ができること」「自分がいま、できること」を話し合いました。「小学校の性教育で生理の話をするときは男女で分けられるイメージがずっとある。だから、悩んでいる時も生理の話は男性にしてはいけないんだ、と思ってしまっていた」と語る学生や、それに関して日本の性教育の遅れを指摘する学生、大学でも男女問わず生理や体の違いに関する教育をする必要性があるという意見や、悩みを打ち明けられるコミュニティを作りたいという学生も。

 ディスカッションの終わりに、「自分がいまできることとして、誰かが普通のように生理について話していたら、聞いた人も『タブーじゃないんだ』と考えられると思う。だからありふれた話のように、自分自身も生理の話をしていきたい」「大学は性教育が進んでいる国を参考にして、産学連携を行ったり、今回のラボのようなことを定期的に実施できたら」と前向きな意見にあふれていました。

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