ここ数年で大きな注目を集めている「フェムテック」。フェムテックとして思い浮かぶ吸水ショーツは、小さいブランドから大手企業まで参入し、新たな市場が構築されています。でもそもそもフェムテックって他にどんなアイテムがあるのだろう? もしかしてアイテムだけのことを言うのではなさそう…と疑問が…。
そこでフェムケアの第一人者の森田敦子先生がメインキュレーターを務める、「ウームラボ(WOMB LABO)」のディレクター 岡本佳央理さんとAMPPフィトテラピストの山本佳奈さんを先生に、フェムテックの初歩から学ぶ連載をスタート。質問者はb/beaut BEAMS部とジュン、そしてFASHIONSNAPのスタッフたち。第1回目は「そもそもフェムテックって何?」というFASHIONSNAPのスタッフの質問に、岡本先生が答えてくれました。
■岡本佳央理(WOMB LABO ディレクター)
サンルイ・インターナッショナルで、森田敦子代表とともに約10年前からデリケートゾーンケアコスメ「アンティームオーガニック by ルボア(INTIME ORGANIQUE by lebois)」のコンセプト企画・商品開発等に携わる。3回の妊娠・出産経験を経て、日本におけるデリケートゾーンケアをはじめとしたフェムケアの重要性を認識。2021年伊勢丹新宿本店とのフェムテックイベント「センシュアル・ライフ」のプロジェクト責任者を担当する。社内新規事業として、フェムテック・フェムケアメディアサイト「ウーム ラボ(WOMB LABO)」の立上げに携わる。プライベートでは3児の育児に奮闘しながらも、子ども世代にも伝わるフェムケア・性教育の啓蒙を行う。
■ウーム ラボ(WOMB LABO)
センシュアリティケアをサポートするフェムテック・フェムケアメディアと、セレクトオンラインショップ、ウームラボ オンラインストア、体験型ショールームの「WOMB LABO Daikanyama」を展開する。自分自身の身体を知り、向き合うための知識や情報の発信を通じて、「うるおうからだ」づくりをサポートする。店舗では、女性の健康課題に寄り添う吸水ショーツや月経カップ、腟トレグッズ等のフェムケアアイテム、約60ブランド200SKUを取り揃える。公式サイト
Fスナ
最近良く聞くようになった「フェムテック」っていう言葉。なんとなく分かったような気で使っていたけど、そもそもどういう意味なんでしょうか?
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言葉のはじまりは、Female(女性)+Technology(テクノロジー)を掛け合わせた造語です。思春期、妊娠や出産、更年期、閉経など女性のライフステージごとに起こりやすいさまざまな健康課題に対し、テクノロジーの力で、解決、ケアするというところから来ています。主にテクノロジーにより開発した製品と思われがちですが、サービスもあります。日本では、2020年ごろから広く知られるようになり、テクノロジーによる解決だけでなく、フェムケアアイテム、メンタルケア、さらには女性だけでなく男性も含め全ての人を対象としていて、広義な意味で使われることが多くなっていますね。
ウームラボ 岡本先生
Fスナ
なるほど、身体のことだけでなく、心のケアもカバーすることもあるんですね。そして男性も“蚊帳の外”ではないと。
でもまずはアイテムを教えて欲しいのですが、吸水ショーツがフェムテックアイテムとして一番に思い浮かびますが、ほか、どういったアイテムがあるのでしょうか?
アイテムで言えば、吸水ショーツや月経カップのほか、生理管理アプリや膣トレーニング用のアプリなどはまさしくフェムテックですよね。こういった生理ケア製品だけでなく、妊娠や産前産後ケアで使用する、妊娠線予防のクリームや必要な栄養素を補うサプリなど。サプリで言えば、プレ更年期・更年期のケアでもありますよね。あとは、デリケートゾーンケアで石けんやローション、クリームとか、ほかセルフプレジャーアイテムなどのセクシャルウェルネス分野も含まれます。製品は多岐にわたっているんですよ。
ウームラボ 岡本先生
月経カップ
Fスナ
そうやって聞くと、本当にいろんなアイテムがあるんですね。
そうですよね。フェムテックという言葉が広がって、これらのアイテムやサービスが注目されることで、これまで女性たちが相談する場所もなく悩んでいた不調も多くの選択肢を手にすることができるようになったと思います。
最近では性差によって起こる健康課題は、女性だけに限ったものではないんですよね。男性にも更年期やED(勃起機能の低下)などの悩みが多くありますし。それらについても少しずつ製品やサービスが開発されているんですよ。
ウームラボ 岡本先生
Fスナ
男性の更年期もあるんですね。EDは悩まれてる方多いって聞きます。この辺のお話はまた別の機会にお聞きしたいと思いますが、男性もフェムテックについて知っていた方がいいんでしょうか?
フェムテックは身体におこるさまざまな健康課題に対してケア・サポートするモノやサービスを指すのですが、たとえば女性の身体の仕組みを知ることで、そのときどきの女性の心の状態を感じ取ることもできると思いますし、性交痛軽減アイテムのような、パートナーシップに関わるようなアイテムもあるので、男女問わず関心を持っているとよりよい関係構築につながるのではないでしょうか。
ウームラボ 岡本先生
Fスナ
確かに、生理の初日や2日目はとても身体がだるいですし、気分にもムラが出てしまいます。パートナーはなんとなく「今生理中だから機嫌悪いんだな」とは思ってはいても、それがどうしてそうなるのか?とかは知らないですし…。もしそういうなぜ?をちゃんと知ってくれたらもっとやさしく接してくれそう(笑)。でも、ただ知ろうとしてくれることだけでも嬉しいですよね。
フェムテック・フェムケアは無理やり取り入れるものではないですが、知ってると知らないでは過ごし方が全然違ってくると思います。自分のライフスタイルに合わせて快適に使えるアイテムに出合えることもありますし、ぜひ手に取って試してみてはいかがでしょうか。
ウームラボ 岡本先生
Fスナ
はい、もっと知って試してみたいと思います。次回は生理のときに女性の身体に起こる変化やその時の悩みの解決策などについて教えてほしいと思います。これからもよろしくお願いします。
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