森川マサノリが手掛ける「ベイシックス(BASICKS)」が、「Rakuten Fashion Week TOKYO 2023 S/S」でブランド初のランウェイショーを開催した。日本のファッションブランドが物流施設でショーを行うのは初めて。
ベイシックスは、2020年に自身のブランド「クリスチャンダダ(CHRISTIAN DADA)」を休止した森川が2021年に設立したユニセックスブランド。「日常着の循環/アウトライン(輪郭)化」をコンセプトに、全てのアイテムを白のステッチワークで縫製するほか、サステナブルな素材を使用するなど環境に配慮した服作りを続けている。ブランド名は「basics(基本)」という単語にスラングで格好悪いを意味する 「basic」、格好良いという意味の「sick」を掛け合わせた造語だ。
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ブランド初となるショーは、ブランドのサステナブルなモノ作りに賛同したDHLのサポートを受け実現。ショーを後押ししたDHL社長のトニー・カーン(Tony Khan)氏は今回の取り組みについて「ファッションと物流とで分野は違うが、環境への配慮は共通の課題。森川氏とは以前から交流もあるので、今後もサポートを続けていきたい」と語った。
Image by: FASHIONSNAP
ショーの舞台は、物流施設「DHL東京ディストリビューションセンター」。普段は品物の保管や仕分けに使用している2階倉庫でランウェイショーを開催した。ショーが始まると、新作を身に纏ったモデルが次々に登場し、中古のデニムが積み上げられた中央4本の柱周りを歩いた。
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コレクションでは、ブランド名にも表れている「ベーシック」なアイテムに遊び心やアレンジを加えたアイテムを展開。今年4月に意匠権を取得したハートデザインを落とし込んだデニムパンツやTシャツなどのほか、「アンブロ(umbro)」とのコラボレーションアイテム、リーバイス501®を解体し組み合わせたデニムパンツ、DHLのユニフォームをアップサイクルしたブラトップなどをラインナップした。また、ショーの終盤では会場中央に積まれていた服の山にモデルがおもむろに近づき着用。サプライズとしてDHLのユニフォーム50着を組み合わせて作ったというドレスを披露した。
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ベイシックスは、デビューシーズンから古着を再利用したアイテムを展開するなど、サステナビリティに注力。2023年春夏コレクションでもユーズドのユニフォームをアップサイクルしたアイテムを展開したほか、ショー会場にも古着を配置するなど、環境保全をテーマとして打ち出した。デザイナーの森川は「ファッションショーで余剰在庫に触れたものはこれまであまりなかったので、問題提起とまではいかないまでもサステナブルについて考えるきっかけになれば」とコメント。今後は、国内で顧客基盤を構築しながら、アジアを中心にグローバル展開を目指していく。また、森川個人としてはベイシックスとは別にもう一つブランド立ち上げを計画。「ベイシックスとは真逆のクリエイティブに特化したブランドになるので、そちらも楽しみにしてほしい」と話した。
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