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【ロレックス デイトナ短期連載-②】初の自動巻デイトナ「16520」はマニアに人気 1000万円以上のモデルも

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 ロレックス(ROLEX)の最人気モデル「デイトナ」を深掘りする短期連載。第3世代から第6世代までのステンレスモデルを用意し、編集部の2人がディテールから資産性までを語り合います。第2回は第4世代の初の自動巻モデルRef:16520について。マニアのツボを刺激する超複雑モデルを深掘りします。

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初の自動巻 ゼニス社エルプリメロだけどほぼロレックスムーブ?

記者A:さて前回の6263に続き今回は、第4世代の「16520」について話していきたいと思います。1988年から2000年までの約12年間製造されていました。

編集B:型番が5桁になって、デイトナで初めて自動巻を搭載したモデルだよね。6263のディテールはまだ覚えやすい変化だったけど、16520は仕様が細かすぎてプロも「あー、コレなんて言うんだったけ?」みたいなことが頻出するよね。

記者A:一番ややこしいイメージです(笑)。

編集B:そこがマニアのツボを刺激するんだけどね。デイトナの中で最も仕様変更がされたとも言われているモデルだから素人には細かすぎるんだよね。

記者A:おさえるべきポイントとしてはやはり文字盤、ベゼル、ブレスってとこですかね。

編集B:そうだね。特に文字盤は7種類存在すると言われてて、興味ない人が見たら「もう一回教えて下さい」って感じ。

記者A:なるほど。ではまず、機構から話しましょうか。16520からは自動巻になりましたが、キャリバーはゼニス社のエルプリメロをロレックスが独自改良した「Cal.4030」が使われています。

編集B:かなりロレックスの改良が加えられているんだよね。振動数を下げることで部品の摩耗減少とか耐久性を上げてるんだけど、テンプを大型化したり、中のパーツを変えたりとかなり大幅に改良を加えられていて噂だと半分くらいロレックス仕様に変えられてると言われてるね。なので「一応、エルプリメロです」みたいな感じ。

記者A:ゴリゴリに改良をしてまでエルプリメロを使う理由は、やはり自社製が間に合わなかったということですか?

編集B:当時は自動巻きへの移行が時代の流れとして当然だったから、クロノグラフで自動巻きのノウハウがないロレックスとしては外部から調達するのは必然だったんだろうね。そこにちょうどクォーツショックから立ち直ったゼニスがエルプリメロを再生産したタイミングが重なって「コレは!」となったと思う。エルプリメロを"最高傑作ムーブメント"と呼ぶ人も多いしね。

記者A:実際、ここまで改良して使うとはゼニス社も思ってなかったでしょうね(笑)。でも自動巻の良さはどういった点がありますか?

編集B:まあ、着けていればゼンマイを巻かなくて良いからラク、くらいだね(笑)。進化としては正しいけど、厚みや重量だったり部品の摩耗など前回のモデルに比べて問題も増えたとは思うけど。

記者A:ちなみに、ロレックスは次の第5世代116520からついに自社製ムーブメントを搭載します。この16520を念頭に置いて開発されたと見られてますが、どっちが好きですか?

編集B:うーん、正直どっちでもいいかな(笑)。裏スケ(裏蓋がシースルーになっていてムーブメントが見られる仕様)だったらどっちが良いってあるんだろうけど、ロレックスは裏スケ作らないから見られないしね。

記者A:結局スペックよりもガワのほうがみんな気になるんですね(笑)。

実は6種類のベゼル。でもMK-1・2・3以外は覚える必要なし?

編集B:まずベゼルからいきましょう。まず、前モデルとの違いはベゼルがプラスチックからステンレスに変わったこと。これで大分印象が変わったね。

記者A:太さは0.5cmで、プラスチックべセルの6263より0.2cm太くなっています。ベゼルの素材が変わったことと、ベゼルが太くなったことでガッチリとした印象を受けますね。

編集B:ステンレスベゼルはプラスチックベゼルに比べて割れるということがなくなって耐久性は高くなったけど、傷が目立つようにもなったね。

記者A:この16520は綺麗ですが、たしかに他の持っている人に見せてもらうと結構傷に気づくことがありますね。着ける上で仕方ないといえば仕方ないですが、ベゼルとバックルには傷が付きやすいイメージです。

編集B:そうだね。よほど深い傷じゃない限りはオーバーホール時の研磨で綺麗になるけどベゼルを研磨すると数字が微妙になっちゃうかもね。最近のヴィンテージロレックスは、研磨されてピカピカよりも研磨されていない個体のほうが高値になるから基本みんな研磨しないようにしてる。

記者A:なるほど。研磨するってことはオリジナルの状態(販売時の状態)よりも金属部分の減りがありますからね。タキメーターの数字ですが、6263は50から200まででしたが、これは60から400までになり、3時位置にあった「UNITS PER HOUR」の文字が1時位置に変わっていますね。

編集B:16520のベゼルは初期から順にMK-1、MK-2、MK-3と3種類あって、MK-1の通称"200タキ"は数字が50から200までで16520の初期ロットに搭載されていたベゼル。約1年間ほどしか製造されてないとされていて価値が一番高い。「UNITS PER HOUR」も3時位置だったんだよね。次のMK-2は通称"225タキ"と呼ばれて、表記が60から400までになり「UNITS PER HOUR」が1時位置に変更。200と300の間の数字が225と250。MK-3は3時位置に240の文字があるやつとなっててこれが一番数が多い。

記者A:この16520は200と300の間が240なのでMK-3ですか?

編集B:うん。MK-3は通称"400タキ"と呼ばれていて、116520と現行の116500LNも400タキだね。

記者A:では、「UNITS PER HOUR」の位置と200と300の間の数字を見れば良いという感じですね。

編集B:そうだね。実は一応、MK-6まであるって言われてるんだけど、正直MK-3とそれ以降は見分けがつかないです(笑)。わかりやすい見分けはMK-3までで、それ以降は文字が深堀りされてるとかそんな感じ。こういう分類はレア感を出すために、ロレックスマニアや買取業者さんとかがどんどん区分けして仕様に名前をつけるけど、普通に使う人は細かすぎてついていけないよね。

記者A:ですね。わかりやすい変化は値段がドーンと変わりますけど、わかりにくい変化はあまり値段に響かないことが多いですね。

編集B:サブマリーナの16610LVとかはファット4はまだわかるけど、ビッグスイスとか正直「なんのこっちゃ」だよね(笑)。それならライムベゼル探すとかのほうがいいかなと。わかりやすい変化はプライスに反映されるけれど、わかりづらい変化はあんまり関係ないかな。

記者A:それを言ったらおしまいですよ(笑)。ちなみにこのモデルから竜頭ガードが付きました。見た目としてはここがゴツくなった印象を与えるポイントですね。

竜頭と竜頭ガード

編集B:そうだね、より今のデイトナに近づいたよね。防水性も公式に100m防水になり現行も同じく100mだし、防水性能に関してはここからのアップデートは今のところなし。

記者A:元々はレーシングウォッチとして作られていますし、サブマリーナやディープシーとは違い防水性能は必要ないという考えですかね。

 

7種類以上?文字盤の変化はまず「6」をチェック

記者A:続いては文字盤を見ていきましょう。塗料がインデックスに組み込まれて、インダイヤルのデザインも変わりました。

編集B:文字盤のデザインはかなり現行のものに近づいたね。もっとモダンになって洗練されたというか。

記者A:そうですね。ただ、16520の文字盤はいくつもの仕様変更が行われて、かなり複雑だと言われていますよね。

編集B:かなり複雑。まだ完璧には調べられていないけど一応分類上7つに分かれていて、MK-5とMK-6は正直見分けがつかない。一度説明されたけど、5回くらい聞き返した(笑)。

記者A:そうとう難しいんですね(笑)。

編集B:まず、大きい変化を挙げるとしたら3つ。文字盤の12時位置にある「COSMOGRAPH」が離れてる"段落ち"か、6時位置にあるインダイヤルの6の文字が逆さまの"逆6"か"正6"か、トリチウムを表記する「T SWISS MADE T」かルミノバの「SWISS MADE」か。その中でもまずは大きく分けて逆6か正6かを確かめるのがポイントかな。初期ロットから4年〜5年くらいで逆6なので、MK-1〜MK-4はすべて逆6になってる。

記者A:このモデルは正6なので、MK-5以降ですね。この逆6か正6かでプライスがガクンと変わるところですね。

編集B:そうだね。逆6を搭載しているのが初期〜中期とわかるから貴重だし、こちらのほうがヴィンテージを感じられる仕様だしね。そのなかでもとりわけ高いのが初期ロットにだけあった段落ち仕様。段落ちの個体は状態が良くて付属品完品だと800万円ぐらいで取引されてる。

記者A:めっちゃ高いですね......。MK-5の付属品完品は400万円くらいなので倍の金額ですね。MK-1が段落ちで、MK-2は「OFFICIALLY CERTIFIED」の表記がない4行。段落ちと4行はMK-1とMK-2だけの仕様なのでまだ見分けが付きやすそうです。

編集B:逆6はMK-4までなんだけど、MK-3とMK-4の見分けは難しいよ。MK-3は「ROLEX」の下の4列の文字が「ROLEX」の文字と同じようにセリフ文字(飾りがある文字)の通称"ヒゲ付き”のデザイン。MK-4は同じ配列で同じ文字だけど飾りがなくなって普通の文字になってる"ヒゲなし"と呼ばれている。

記者A:たしかによく見ないと気づかないですね。

編集B:正直、そこまでは気にしなくていいんじゃないかなと思っているけどね。個人的には逆6であれば良いという感じで、ヒゲに関しては拘りたい人向けって気もする。

記者A:パッと見では本当にわかりませんもんね。MK-5から正6になるわけですが、MK-5とMK-6の違いはなんですか?

編集B:MK-6は12時位置の5行の文字が少し上に配置されている。MK-5は「COSMOGRAPH」の文字が左右のインダイヤルのサークルと同じくらいの高さにあるんだけど、MK-6は微妙に上に表記されている。

記者A:これは流石に並べられても気づかないかもですね(笑)。正直、単体で見たらどちらかはわからないですね。

編集B:そうだね。で、最後のMK-7はMK-1からMK-6まで6時位置のインダイヤルの下にあった「T SWISS MADE T」の文字が「SWISS MADE」になる。この文字盤から塗料がトリチウムからルミノバに変わったからトリチウムを意味する「T」の文字がなくなるんだよね。12時位置の文字に関してはかなりマニア向きという感じで、「逆6か正6か」と「SWISS MADEのところにTがあるか」を見ればOKだと思う。

記者A:なるほど。簡単に文字盤の変化をまとめてみるとこんな感じですね。

16520文字盤
MK-1:逆6、段落ち、T SWISS MADE T
MK-2:逆6、OFFICIALLY CERTIFIEDなしの4行、T SWISS MADE T
MK-3:逆6、ヒゲあり、T SWISS MADE T
MK-4:逆6、ヒゲなし、T SWISS MADE T
MK-5:正6、ヒゲなし、T SWISS MADE T
MK-6:正6、ヒゲなし少し上配置、T SWISS MADE T
MK-7:正6、SWISS MADE表記

 

風防やブレスもアップデート 透かしに注意!

記者A:続いて風防ですが、6263のドーム型からフラットタイプに変わって、素材は強化プラスチックからサファイアクリスタルになりました。

編集B:サファイアクリスタルになって耐久性が上がって、ドーム型に比べてモダンなデザインになったよね。次の世代から偽造防止のために風防の6時位置にうっすらと王冠が刻まれる"透かし王冠"が入るんだけど、たまに16520でも透かし王冠が入っているものが二次流通で流れていて。そういったものは風防が交換されているから一応風防の確認はしておいたほうがいいと思う。

記者A:なるほど。続いてバックルは、ダブルロックですね。

編集B:ダブルロックに変わるのは途中からかな。なので、製造して7年くらいはシングルロックだよ。ダブルロックのものも数種類あるんだけど、ここはシングルロックかダブルロックかだけ覚えれば大丈夫。

記者A:ダブルロックは逆6文字盤の最後のほうから使われるようになったらしいですね。なので、段落ちや4行の文字盤でダブルロックのものだと交換されている可能性が高いとか。

編集B:そうだね。あと、ダブルロックに変わったタイミングでブレスの中央のコマが鏡面仕上げに変わるんだよね。この鏡面仕上げがかなり好き嫌いがわかれるところ。ヴィンテージが好きな人は鏡面が嫌いな人多いんじゃないかな。

記者A:フラッシュフィットは分離型ですが、最後期では一体型が登場します。

編集B:まぁ、ブレスに関しては初期のものにダブルロックがついていたり後期のものにシングルロックがついていたらオリジナルの状態から変えられているってわかるようになればOKかな。

 

文字盤・ベゼル以外にもレア判断する要素満載 一番高い仕様だと1500万円以上

記者A:ここまで主要な見分け方をチェックしてきましたがざっくりとした相場は、MK-1は800万円、MK-2は700万円、MK-3は600万円、MK-4は500万円、MK-5〜MK-7は300万って感じですね。ということで16520の一番高い仕様はMK-1の800万円ってことで決まりですか?

編集B:それがそうとも言えないんだよねぇ。これが16520のややこしいところで、まず品番。今はランダム品番だけど、この当時のロレックスは製造時期が品番ごとにわかるようになっていて、最終品番のP品番とその前のA品番が人気。仕様としてはMK-6とMK-7なんだけど、A品番は400万円くらい、P品番は500万円くらいで取引されてる。

記者A:ややこしいですね(笑)。では、MK-5よりも最終期のMK-6〜MK-7でA、P品番が高いってことですか?

編集B:そう。さらにややこしいのはA品番にも細かくA1〜A9までくくりがあってA1までがトリチウム。A2からはルミノバに変更されたって言われてる。だけど、A2の文字盤には「T SWISS T」の表記があって、夜光を確認してみると実はルミノバだったりと結構ハチャメチャなことがあったりするんだよ。パーツの使い回しからくる雑仕様なんだけど、これがまたコレクターの好奇心をくすぐっちゃってレア仕様とか言われちゃうんだよね。

記者A:なるほど。ロレックスは会社が謎に包まれているとよく言われますけど、製品もそうなんですね(笑)。

編集B:よくも悪くも気まぐれなところが心を掴むんだよね。ちなみにA品番とP品番は日本国内で人気なだけであって海外では特に人気はないんだよね。

記者A:なるほど国によってもレアポイントが違うんですね。ズバリ万国共通で一番高い仕様はなんですか?

編集B:初期ロットにだけあったポーセリンかな。文字盤自体が陶器みたいな透明感と光沢があるもの。これは1,500万円以上で取引されてる。これは別格だね。あとはパトリッツィ(日本だとブラウンアイと呼ばれる)と呼ばれているものでインダイヤルが茶色に変色したもの。これは仕様というよりも経年変化で、どれだけ変色が綺麗かで値段が変わる。スゴく状態と変色が良いもので1,000万円くらい。

記者A:一気に1,000万円代になるんですね。ポーセリンやパトリッツィは別として、16520は第3世代の6263と比べるとまだ見つかりやすいというか、店舗でも見る機会が多い気がします。

編集B:6263に比べて量を作ったんだろうし、流動性がまだ高いからね。それに壊れることも少なくてメンテナンスサポートもしっかりしてきた年代だったからかなり使われた個体でも残っていることがポイントだったのかな。ちなみにギャラがなかったり付属品がないものは探せば250万円ぐらいで売っているし、手に取りやすい人も多いはずなのでお店でも積極的に売り出しているのかもね。

記者A:300万円前後だと現行の116500LNや第5世代の116520の完品が二次流通市場で同じぐらいの金額で売られていますね。ギャラ無し16520と完品の現行が同じ値段で売られていたらどちらを買いますか?

編集B:難しいなぁ。250万円なら116520の完品中古品か16520の付属品無しだと思うので、個人的には16520。もちろん使う前提でね。もしも値上がり重視で保管するんだったら300万円で116520の新品完品を買うかな。現行デイトナはこれからどれだけ作るのかがまだわからないので300万円出して現行を買うことは無いかな、ロレックス鉄則「生産終了したモノを早く買え」を忠実に守ったほうがいいかも。

記者A:16520もどんどん二次流通価格が上がっていますし、難しさはありますね。6263は付属品なしが当然で、値上がり続けてますから16520もいつか付属品なしが当然って感じになるかもですね。

編集B:そうだね、その場合は「最初と最後を買え」というロレックス鉄則を参考にするべきかな。初期ロットと最後期ロットさえ押さえれば安心と言われている。そう考えると第4世代の16520は品番がちゃんとわかるモデルだったので、最初と最後がわかる選びやすいモデルだったのかも。多分、今がそこそこ状態の良い16520が300万円ぐらいで買える最後のチャンスなのかもね。

記者A:なるほど。前回の話ででた300万円の壁ですね。この次の116520は200万円で買える生産終了したデイトナです。型番が6桁になり、初めてロレックスの自社ムーブメントを搭載して話題を集めた第5世代「116520」。現行デイトナよりも割安価格でまだ取引されてます。

写真左から)16520、116520

編集B:116520か。16520とルックスがそっくり過ぎて普通は違いわかんないよね(笑)。

記者A:とりあえず116520へいきましょう(笑)。

16520

16520
文字盤の直径:3cm
ベゼルの太さ:0.5cm
ボディの厚さ:1.1cm
ベゼル付けねから風防先:0.3cm
ボディの縦:5cm
ベルト厚さ:0.3cm
ベルト横幅:最長2cm〜最短1.5cm
インダイヤル直径:0.9cm
重さ:125g(ブレスの数:上7、下5)

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