photo:Masahiro Muramatsu
使えばなくなるのが、ビューティアイテムの宿命。もし気に入ったなら、なくなる前にリピート買いしておかなければならない。コスメ、フード、ツール、香りモノ…… その人の美しさをブーストしている愛用品を聞く「美のSTOCK LIST」。第1回は、女優・福島リラの場合。
◾️福島リラ
女優、日本を代表するモデルの1人。1980年生まれ。2003年にNYに移住し、雑誌や広告を中心に活動。世界のファッションフォトグラファーやデザイナーたちからラブコールが絶えない唯一無二の存在となる。2013年には女優業を本格スタートし、映画「ウルヴァリン: SAMURAI」でハリウッドデビューした。2014年NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」ほか、国内外ドラマシリーズの出演も多数。5年の休業を経て、2024年からモデル、女優としての活動を再開。
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― 久しぶりにお会いしましたが、お変わりなく美しい!
ありがとうございます。でも歳も重ねていますし、やっぱり年々変わっていますよ。日頃からピラティスをしたり、美容鍼をやったり、友人に勧めてもらったコスメを試したり、いろいろと楽しみながら努力はしています。実はこの5年ほど、モデルと女優業を休んでいたんです。今年は少しずつ再開していくつもりです。
― 休業中は何をしていたのですか?
30代後半で三半規管が弱くなった時期があって。それをきっかけに、医療系の学校に入学しました。自分の体についてもっと深く学びたいと思ったから。東洋医学の鍼灸を中心に、生物学、解剖学などを勉強しています。もともと鍼灸はモデル時代にも時々お世話になっていたので、その良さはわかっているつもりだったんです。でもいざ体調を崩したら、病院に直行してステロイドを処方してもらっている自分がいて…でも、なかなか改善しなくて。それで東洋医学に目を向け直したら、どんどん興味が湧いてきて、学ぶことに夢中になってしまって。気づいたら症状も良くなりました。
― 昔から柔軟でしなやかな体をお持ちですよね。武道、ヨガ、ピラティスなどの経験があって、映画のアクションシーンもスタントマンなしで挑んだり。
もともと筋肉の走行や人体の仕組みなどに興味があります。中でもピラティスは10年ほど続けていて、近い将来、指導ライセンスの免許も取得する予定です。
― すでにプロの域。ゆくゆくは鍼灸の国家試験も?
はい、目指しています。ありがたいことに役者のお仕事もいただくことが増えて忙しくなってしまって、今現在は休学中なのですが、復学したらあと2年、みっちり勉強する予定です。
― そんなリラさんが日々何を愛用しているのか、ますます興味が湧きます。
通年ストックしているものといえば、今はコレですね。鍼灸つながりの知り合いに教えてもらったんですけど、かなり気に入って毎日飲んでいます。「mochicolla(もちこら)」という生コラーゲン原液です。
― コラーゲン商品は、世の中にかなりたくさん出回っていますが、もちこらはどんなところがいいのでしょうか。
まず、海洋性であること。人間よりも体温の高い豚などの動物性よりも、温度の低い水中にいる魚類のコラーゲンのほうが、人間の体に取り込んだ時にブレイクダウンが期待できると聞いて。さらにもちこらは、粉末を液体化したのではなくて、特別な方法で抽出したそのままの原液を販売しているから、分子も細かくて、吸収率がめちゃくちゃいいみたいです。
― コラーゲンは年齢とともに減っていくといいますね。
そうなんです。人間の体内にあるタンパク質の約30%がコラーゲンなんですけど、30歳あたりから一気に減少スピードが加速します。私は今40代ですが、飲み始めて2週間で違いを感じるようになりました。個人の感想にはなりますが、髪や爪が強くなり、肌にハリが出て、毛穴は目立たなくなっているように感じます。
― どうやって飲む?
私は説明書通りに毎朝15mL、ヨーグルトにかけたりして摂取しています。ちょっと生臭さを感じる人もいるようですが、私はそのまま飲んでも大丈夫。飲むタイミングは空腹時がいいみたいです。
― 店頭では見かけない商品ですが、どういうルートで入手可能?
手掛けているのが元鍼灸師さんなので、鍼灸院などで取り扱いがあるようです。あとは通販で購入できます。水産に携わる方との直接取引である上、抽出方法もかなり大変らしく、大量生産はされていないようです。ということで、少し高額になっていますが、取り入れることで私自身は実感しているので、これからも続けたいと思っています。
その他のストックリストも紹介
― この爪やすりは、カーブがついていますね。
ズバリそこなんですよ。このカーブが、爪の角に完璧にアプローチしてくれます。私の中では大ヒット商品です。ちなみに今日持ってきたのは“3年選手”ですが、使うたびに洗えるからキレイだし、清潔に使えていいです。このほかにポーチとか筆箱とか、いろんなところに1本ずつ入れていて、いつでも使えるように持ち歩いていますし、友達にもプレゼントしてますね。
― もうひとつは、OPEN BOOK「レモネードシロップ」
これはノンアルコールのシロップで、お酒はもちろん、炭酸水で割ってもすごく美味しい。レモンサワーが最高に美味しいOPEN BOOKさんの自家製です。私としては好きなものを楽しむことが、美しさにつながると思うから、選んでみました。
春夏秋冬で変更するスキンケアルーティンについて
―スキンケアについても伺っていいですか?
スキンケアに関しては、春夏秋冬で結構変えています。3~5月は、ほぼ何もしないくらいシンプル。6月あたりから保湿を始め、夏が終わる10月以降、年明けにかけて一気に攻めます。そして2月が来たら徐々にマイルドに弱めていって、3月の花粉シーズンに備える。ざっとそんなサイクルです。
― メリハリが効いていますね。ちなみに攻めコスメとは?
「ゼオスキン(ZO SKIN HEALTH)」です。これまで何度かリピートしていますが、本当にすごい。何がすごいかというと、皮が剥けていく過程がすごく面白くて、誰に見せるわけでもなく、ゼオ日記なるものをつけたりしています(笑)。ゼオスキンはライン使いが基本ですが、そのうちのひとつに「ミラミン」というハイドロキノン配合の美容液があって、これを単体で使うこともあります。
― 私も使ったことがあるので、その威力はよく理解します!
以前は、ビオロジックルシェルシュの「ローションP50」という、角質除去ができるフランス原産の化粧水を使っていて、パリに行くたびに2~3本まとめ買いしていました。仕事後に使うと、メイクなどもしっかり取れて、肌に栄養補給もできる感じが好きでした。今は日本にいることが多いので、代わりにゼオスキンを選んでいます。ちなみに今は、花粉が辛いシーズンなので、肌にやさしいマイルドな化粧水や乳液を使用しています。
― ナチュラルな東洋医学からハードなケミカルまで、守備範囲がめちゃくちゃ広い。
要は、今の自分がそれを楽しんでいるかどうかだと思うんです。東洋と西洋それぞれのいいところを勉強して、自分なりに取り入れていけたらと考えています。
― サロンが開けそうです。将来的にはプランがあったり?
そうですね、どういう形になるかは未定ですが、機会があれば…。健康が先にあっての美容であるという考え方をベースに、運動療法や食事療法を交えたコンサルティングのようなことができればいいなと思います。
― 例えば?
シミを消したい人は、美容鍼は意味がないので、先に皮膚科に行った方がいい。美容鍼でリフトアップはできますが、たるみが気になるなら、まずは背筋を鍛えた方がいい。先に歯医者に行った方がいい人も多いと思います。オーバーバイト(噛み合わせが深く)になると、歯がすり減ってくるから、ストレッチアウトしてほうれい線につながってくるとも言われます。矯正に限らず、まずは歯の治療をやるだけでも、顔がすっきりしたりすることもあるんじゃないかな…とか、いろいろ勉強したり、現場を覗かせてもらうたび、気になることだらけです。鍼灸も、年齢を重ねた人に対しての美容鍼は、本数を打ちすぎるとリガメントが壊れちゃって、修復に時間がかかり過ぎて本末転倒になるケースも…あるらしいです。
― ドキッとする指摘ばかりです。
自分なりの学びのペースで、できることを楽しみながら、焦らずやっていきたいです。女優業も再開したところですし。今年は新しいフェーズになりそうです。
(企画・文:合六美和、編集:福崎明子)
Miwa Goroku
コレクション取材記者を経て、フリーランスのエディター&ライターに。雑誌や広告、ウェブメディアなどさまざまな媒体で、執筆やディレクション、コーディネーションを手がける。ファッション、ビューティーを軸に、クリエイティブに関わる人やカルチャーをフォロー。
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