Fashion インタビュー・対談

「ユニクロはクリエイティブではない」敏腕ジョン・ジェイは何を変えるのか

ファーストリテイリング グローバルクリエイティブ統括 John C Jay
ファーストリテイリング グローバルクリエイティブ統括 John C Jay
Image by: Fashionsnap.com

 ここ数シーズンは"失速"と取り沙汰されることも多いユニクロだが、抜きん出たクリエイティブ集団となるべく地盤固めを着実に進めている。その大きな一歩としてファーストリテイリングは、広告界で圧倒的な影響力を持つJohn C Jay(以下、ジョン・ジェイ)を口説き落とした。入社からまもなく1年半。ユニクロ、そして同社グループが更なる成長を遂げるために必要な「クリエイティブ」とは何か、グローバルクリエイティブ統括として活躍しているジョン・ジェイに聞いた。

 

成功はしているが、まだ「クリエイティブ」ではない

―2015年1月の入社からこれまでを振り返って見えたことは?

 社内にどのような才能やスキルを持った人がいるのか、オフィス内の構造がどうなっているのか、世界の中で本当にクリエイティブな会社になっていくにはどうすれば良いのかを検証しました。(ユニクロは)小売業としては成功していると思いますが、まだ抜きん出たクリエイティブな会社ではないと感じています。

―検証した中で感じた最初の課題は?

 私達はもっと良いクライアントにならなければならないということ。私が長年いた広告代理店という側からの目線で言わせていただくと、最高のクリエイティブワークができるのは、クライアント側がとても賢い時。つまり、頭の賢いクライアントが、賢い仕事を引きつけるのです。社内の構造がしっかりしていないと、例え技術に優れた人や才能に秀でた人を外部から起用しても成功しないかもしれない。仕事は自分に値するものしか来ないんですね。ですから、まずは外側を良くするということより、自分たちはどう改善できるのか、そこをずっとやってきて、かなり進展してきたと思います。

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"新しいユニクロ"のはじまり

―最近のユニクロ商品は、ベーシックならではの品質や着心地といった機能性以外にも着用シーンやファッション性を感じることが多くなった気がします。

 ユニクロの製造・流通は巨大でしっかりしているので、そのために物凄く成長してきました。これは代えがたい価値ですし、競争力もあります。ただ、ベーシックなコンセプトというのもどんどん変化していますし、そしてベーシックを表現する方法も変化していかなければなりません。単なる合理的なメリットがあるというだけではダメなのです。つまり、左脳だけの話ではなく、右脳も同等に刺激していかなければならない。いわば頭と心の融合、そこがまさに柳井さんのチャレンジであり、私を招いてもらった理由であると思います。

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「左脳と右脳が合一に動かねければならない」という視点から、前回の展示会ではショーを実施。その際にジョン氏は「これは新しい始まりですね」と柳井会長に囁いたという

―機能性以外を打ち出す際に、工夫している点は?

 「一つひとつのアイコン的なアイテムにだけにフォーカスしてコンテクストを忘れる」ということはできないと思うのです。ファッションの方々にとっては初歩的なことかもしれないですが、私達は今、(従来までの)一つひとつの品目よりも、シルエット全体の話になってきています。「ユニクロはファッションカンパニーではない」という立ち位置で他とは違うことを強みに差別化してきました。アイコン的な品目も多く生まれましたが、アイテム単体ではなくやはりライフスタイルに関係がないとダメなんですね。つまり、一つのアイテムを通して部分的ではなく全体に関わるということを考えています。

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