Fashion インタビュー・対談

「ユニクロはクリエイティブではない」敏腕ジョン・ジェイは何を変えるのか

今だから言える、就任会見の舞台裏

―柳井会長と共有しているユニクロ、そしてファーストリテイリングのビジョンは?

 最高の品質のものを最もたくさんの人に届けることで、その人たちの人生の質が上がること。マーケティングはまだ生まれたばかりですが、向こう5年間は様々な変化をして、そしてしっかり意味のあるものにし、組織を変化させグローバルレベルで構築を行っていきます。そうすることで、より良く、より早くローカルな変化や動きについていけます。今こうしてお話をしている間にも着々と進行中です。だから少し時間はかかりますが、構成は決まっています。柳井さんに聞けば、「もちろんナンバーワンにはなりたいが、そこには意味がないといけない。世界にとって意味があるブランドになりたい」と言いますね。彼の行く道にはクリエイティビティとイノベーションがあります。

―とても密に話されているのですね。

 柳井さんは冗談で仰るのですが、15年かけて私を会社に引き込んだと言います(笑)

―ファーストリテイリングへの入社はジョン氏にとっても大きな決断だったと思います。

 もちろん。私は世界でもっとも有名で、もっともクリエイティブな広告代理店で働いており、私はパートナーであり、オーナーであり、マネージメントの一部でもありましたから、欲しいものは全部手にしていた状況でした。ただ私が恐れていたのは、心地良くなり過ぎてしまうことで新しいチャンスに勇気をもって立ち向かうということを忘れてしまうことでした。ですから柳井さんは、私の中に情熱と恐れることのない勇気を見つけたのだと思います。

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 (最初にユニクロの広告を手掛けてから)15年の間、非常に成長してきたのを見てきました。しかし柳井さんにはもっとポテンシャルがあると感じていました。そこがユニクロに惹きつけられた魅力の一つです。社長の肩書きがありながらも、クリエイティブという点にここまで力を入れるところがこの会社の凄いところ、ということだと思います。

―記者会見での突然の発表にはとても驚きました。

 実は、トップマネジメントの2人しか知らなかったのです。そこで私はW+K(ワイデン+ケネディ)の社員全員に手紙を書きました。そして電話の中にその手紙の全文を録音しておいて、私の名前がステージ上で発表された瞬間に送信ボタンを押しました。だからその瞬間まで誰も知らなかったのです。(前職の)社員にも決意表明をしたのですから、私には本当に大きな任務があると思っています。

売上5兆円へ、ユニクロがやるべきこと

―その任務とは、ジョン氏がファーストリテイリングの中で変えていかなければならないと感じる部分を教えてください。

 まずはバーチャルとリアルの融合。そういったものに取り組める中枢センターのようなものを作っています。(参考:大和ハウスと共同で大型物流拠点を新設アクセンチュアと協業で新会社設立)私たちの製品を改善する、そしてみんなの人生を改善するために非常に有効的な手段ですね。私たちは世界中の各都市に店舗を持っていますが、今度はその点を線で繋ぐということが大事になってくるのです。そうすれば影響力のある世界的企業になれるし、一方で地元にも深く根を張るということが同時に出来るわけです。

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―グローバル化とローカル化を同時に実現させるということでしょうか?

 はい。大変ですがそれをやらなければ成長は成し遂げられないと思っています。

ジョン・ジェイ

johnjay-interview-20151202_035.jpg ファーストリテイリング グローバルクリエイティブ統括。クリエイティブカンパニーW+Kの中心的人物として活躍し、ナイキのUSAとアジア、コカコーラ、マイクロソフトなどのクリエイティブをこれまでに担当。米国のクリエイター専門誌Graphic Desigh USAが発表した2013年度の「過去50年でもっとも影響力のあるアート・ディレクター」のトップ10にも選出されている。2015年1月、ファーストリテイリングに入社。新設された現職に就く。

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