ワインの味や香りを最大限楽しむならこだわりたいのがワイングラス。カジュアルなときも真剣にワインに向き合いたいときも1脚あれば、ワインのポテンシャルを最大限に発揮してくれます。ただ、安価なものから最高級のものまであまりにも種類が多くて何を購入していいか迷うのが本音。そこで今回は、いつ、誰に、どこで出しても恥ずかしくない最高峰ワイングラスを紹介します。
「リーデル」ソムリエシリーズ
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高級ワイングラスといえば、まず名前が挙がる「リーデル(RIEDEL)」。1756年創業からオーストリアに会社を構える世界的グラス会社です。安価なものから最高級のものまで様々なバリエーションを揃えているためワインに興味がない人も名前を聞いたことがある超有名ブランド。大衆的なレストランからグランメゾンまで顧客を抱えるトップブランドらしい懐の深さが特徴です。
今回リーデルでおすすめしたいのは同社最高級ハンドメイドシリーズに君臨するソムリエシリーズ。1973年に発表されたこのシリーズは、ワイン生産者やエキスパートと研究を行い15年の歳月をかけて開発したもの。極薄のボウルに繊細なステム、そしてワインの特徴を最大限に引き出す機能性に裏打ちされたシルエットは発表時に大きな話題を呼びました。すべて熟練の職人によるハンドメイドで製作。デザインも高い評価を受けニューヨーク近代美術館に永久展示されるほど。1脚単位だと2万半ばとお値段が張りますが、実は裏技が存在します。それは、バリューパック。なんと2個セットで1脚分のお値段(!)。これは見逃せないですね。
「ツヴィーゼル」エアセンス
「ツヴィーゼル(ZWIESEL)」は1872年にドイツで創業されたワイングラスメーカー。ドイツグラスブランドの頂点であり、リーデル、ザルト、ロブマイヤーを抱えるオーストリアのクオリティと比べても遜色のない実力を持つことでも有名です。実は、割れにくいグラスとしても知られており耐久性の秘密はドイツのエアランゲン大学と共同開発したトリタンクリスタルを使用していること。透明度と輝きをアップさせながら強度もあげるという夢の素材を開発、使用したことでツヴィーゼルの名声を確固たるものにしました。マシンメイドラインのショット・ツヴィーゼルなど意欲的なラインを揃えますが、こちらでおすすめしたいのはエアセンスライン。
スウェーデンのカール・フィリップ ベルナドッテとオスカル シルベリのコラボレーションにより誕生したエアセンスの特徴はなんと言ってもボウルの中にある球体。これはデカンテーション スフィアといって、空気と混じり合いワインの風味と魅力を膨らませるデカンタ効果の機能を果たすもの。グラスにデカンタ要素を持ち合わせる発想も凄いのですがデザインも魅力。エアセンスという名前通り持ったものに驚きを与える軽さも特徴です。見た瞬間に「ツヴィーゼル」と分からせてくれる唯一無二のものが欲しいなら是非。
ザルト デンクアート
リーデル、ロブマイヤーと並ぶオーストリアのトップブランド「ザルト(Zalto)」。
全てのグラスに鉛を一切使用しないカリ・クリスタルを採用し、熟練の職人が一脚ずつハンドメイド(口吹き製作)で造り上げています。そのザルト社が誇る最高級ラインがザルト・デンクアートシリーズ。このデンクアートシリーズは、何十年もの歳月をワイン研究に費やした専門家の1人であるハンス・デンク神父の協力を経て開発。「味と香りを最高に引き立てること」を目標に「24°・48°・72°」という地球自転角度をボウルの曲線デザインに採用したことで「神様から授かったワイングラス」とも評されています。
「STERN」誌が主催した「ブラインドテイスティングコンペティション」では、ボルドー、ブルゴーニュ、リースリングの3部門において他のブランド最高級シリーズを退けすべて1位を獲得。他のブランドとは違うモダンなシルエットだけでなくその機能性も賛美を集め、世界のレストランでリーデルの使用率を上回る快挙も成し遂げました。パーカー・ポイントで有名なワイン評論家のロバート・パーカーも最も好きなグラスとして挙げるほどプロの評価も高く、1脚あたりの値段を他社の最高級シリーズと比べてもコスパは最高レベルです。
「バカラ」シャトーバカラ
超高級グラスといえば「バカラ(Baccarat)」と頭に思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
1746年にフランスのバカラ地方で設立されたガラス工房が始まりで、フランスの貴族だけでなくヨーロッパの王室や日本の皇室も御用達の最高級グラスブランドです。バカラではフレッドクリスタルという素材が使用されており、透明度と重厚感、弾いたときの澄んだ音が特徴。製造される商品のうち消費者に渡るのはその6割から7割で、残りはすべて破棄されるという徹底した品質管理をとっています。
フランスの最優秀職人の栄誉であるM.O.Fを50人以上輩出するなど、王者のクリスタルと称される品質は折り紙つき。はじめて使ったときに気がつくのはなんといっても他のグラスでは考えられないほど煌めく光の反射。シャトーバカラのワイングラスもその伝統と特徴を受け継ぎ製作されています。丸みを帯びゆったりと広い底部、閉じたアングル、垂直に立ち上がった筒型の口元、この3つの基本原則に基づき作られておりあらゆるタイプのワインをこの1脚でカバー。またあまり知られていませんが、このグラスの重量も特徴。他のグラスが150〜230グラムに対して、バカラは約350グラム。他のクラスが軽さを競うなかその真逆をいくこの重厚感こそがバカラをバカラたるものにしているのかもしれませんね。
「ロブマイヤー」バレリーナシリーズ
多くの美食家を虜にする「ロブマイヤー(LOBMEYR)」。1823年から続く老舗でシャンデリアなども製造しているオーストリアの最高級ガラスブランドです。
ロブマイヤーで手に入れたいのが、バレリーナ。名前の通り、ステムがとても長くバレリーナがルルベ(つま先立ち)しているような腰高のエレガントなシルエットが特徴。カリクリスタルの素晴らしい透明度と光の反射がエレガンスをさらに引き立て、卓上のリッチさにおいてては並ぶものがないと絶賛されています。バレリーナはその見た目ばかりに注目が集まりますが、本当の実力はその軽さ。極限まで薄く繊細な作りを実現しており、一般的なワイングラスの半分程(約100グラムちょっと)の重量しかありません。ステムをつまんで持ち上げる動作やスワリングのしやすさ、口をつけるリムの薄さなど、ロブマイヤーでしか感じられない感触を提供してくれます。ロブマイヤーしか認めない、という愛飲家もいるほど。熱狂的支持を集めるブランドのため一脚持っておくと様々なシチュエーションで重宝してくれるかもしれません。
ラリック 100ポイント
アール・ヌーヴォー、アール・デコ時代に活躍した作家ルネ・ラリックが創業した「ラリック(LALIQUE)」。もともとは金細工師・宝飾デザイナーとして活躍していたルネですが、1888年にフランスでクリスタルガラス製品メーカーとしてラリックは誕生しました。繊細で大胆な芸術性を持つその作りと姿勢は「クリスタルガラス界のオートクチュール」と敬意を集めています。
今回おすすめする100ポイント(ワンハンドレッドポイント)は、ワインスペクターで編集長など重役を歴任した著名なワイン評論家ジェームス・サックリングとの協業により誕生したシリーズです。細かな凹凸が香りを際出させ味わいをよりフレンドリーにしてくれるようにレッドクリスタルを採用。ステム部分には、艶消しのフロステッドガラスを取り入れゴージャスさと繊細さを両立させています。100ポイントシリーズは産地や銘柄などを問わず使えるように設計されているためこの1脚であらゆるワインに対応しているのも特徴。ジェームス・サックリングは、「ポスト・ロバート・パーカー」とも評されることも多く、"超"が付くほど人気の評論家。彼が100ポイント(100点)と名前をつけるこのグラスも見逃せませんね。
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