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ススメ!ワインのABC 〜ワイン通への道〜ナチュラルワインの面白み

 ナチュラルワイン(ナチュールワイン)を筆頭にヒップな人々の間で熱い盛り上がりを見せる東京・ワイン新時代。しかしながら皆さん、そのワインをもっと美味しく頂くための基礎知識ってご存知ですか?ワイン大国フランスに続き日本はワインの輸入大国。良いワインを見つけられるシチュエーションにいるからこそ、もっとワインをディープに知っておきたいっていうのが本音。そのために避けられないのはワインの基礎です。ということで今更聞けない(けどみんな意外とわかっていない)ワインのアーべーセーを筆者と一緒にゆるっと勉強していこうというこの企画。みんなでススメ!ワイン通への道。

藤田芽生(Mei Fujita)

ファッションカルチャー誌で編集者として働いた後ベルリンへ。その後パリへ渡り、現在はフランスのアヌシーを拠点にフリーのライターとして活動。ファッション、カルチャー、ライフスタイル、ワインなど幅広いテーマについて執筆中。

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    トレンドで飲んでたら勿体ないナチュラルワインの魅力

     ここ最近巷でヒートアップするナチュール旋風。フランス在住の筆者ですが東京の皆様との繋がりはSNSのみ。ということで寂しくなると即インスタグラムを開きます。そんな中、本当にこの1年くらいでSNS上でのナチュラルワインの登場率が加速しているなーと感じています。

     でもここで1つ、筆者の気になるポイント。ナチュラルワインをトレンドってだけで飲むのは勿体ない。

     オシャレだから、ビオだから。確かにそれだけでもナチュラルワインを手に取る理由として十分です。なんですけど、ナチュラルワインの醍醐味って"ワインメイカーのワイン愛"とこだわりに尽きるんですよ、これ本当に。そしてこのポイントが分かるとナチュラルワインが更に美味しくなるし、一過性のトレンドとしてではなくピュアに楽しめるはず。

    ナチュラルワインって何?

     「自然なつくりをしたワイン」これがナチュラルワインです。

     ブドウの栽培の仕方、自然酵母を使用して発酵させる過程、ボトル詰めに至るまで。つまり全ての作業においてなるべく自然に近い形で製造されているのがナチュラルワインなんですね。

     農薬や化学肥料を使用しないため、エグ味を感じさせないブドウ本来の自然な旨味が特徴。だからこそ、作るのにすっごく手間がかかるんです。本来だったら化学の力でどうにかなる有害な雑草や虫の処理なども、一つひとつ目で見て撤去するんですから作り手には大きな負担がかかりますよね。そのため、基本的にナチュラルワインの大量生産は難しいと言われていますし、酸化防止剤不使用なので保管の仕方もこれまた手がかかる。

     大量生産できない上にもの凄い手間なんだから価格帯は普通のワインと比べると若干お高め。うーん。手が出しづらい…と思う一方で、自然豊かな旨味やボトル1つ1つに現れる個性、生産者のアーティスト性など、大量生産されたワインとはまた違う魅力が詰まったナチュラルワインの沼にハマる人々が日に日に増えているのも実情です。

    ナチュラルワインがイカしてるのは作られた背景にあり

     なぜナチュラルワインが「サステナブル」とセットにされるのか。それはナチュラルワインが誕生した背景にあります。 ワインの歴史=人類の文化史って言っても過言ではないくらい人とワインは長いおつきあい。だってワインって古代からありますからね。ってなるとワインってそもそもナチュラルじゃん!そうです。化学肥料が登場したのはここ最近。遡ると60年代にワインの製造革命が起きました。

     戦争が終わり人口が爆発的に増えたことにより世界は大量消費の時代に入ります。そのため農地不適合地域でも農作物を生産する必要性が出てきたし、天気などの自然的なことに左右されず生産を安定させる必要性も出てきた。これを解決する方法として発明されたのが化学肥料だったんですね。さらに農作物と一緒に生えてくる雑草を一掃するための除草剤も登場しました。これにより、通常1~数ヶ月も時間を要する畑の整備がわずか3日程度で済むし、草引きの人件費も削減できちゃう。低コストで安定的に生産できるワインを大量に作れる時代に突入したのです。

     しかし、しばらくするとワインメイカーはこれら人工的に作った化学肥料と除草剤の功罪に苦しめられることになります。というのも除草剤によりその土地に住む有益な虫や動物たちが駆逐され、生態系はバランスを崩してしまうことに。不健康となった土地には害虫や病原菌が発生し、ここでまた除草剤に頼らざるを得なくなる。さらに栄養がない土地に化学肥料を使うことで土地本来のパワーがなくなってしまい、完熟ブドウが育たないどころか、土壌の蘇生が不可能になってしまいました。

     負のスパイラルに陥った土壌には更なる化学肥料の追加と生産過程における人工的な味の調整が施されていきます。するとアルコール度数と果実味感じるワインは出来るものの、面白みのあるワインが減っていきます。そこで"祖父の時代のワイン作りに戻ろう"という動きが起こり始め、それがワイン作りの原点回帰であり、自然な作りをしたナチュラルワインムーブメントの始まりとなったのです。

     個性の際立つ面白みのあるワイン、自然との共存、環境への配慮、そして持続的な未来を目指す。ここにナチュラルワインがサステナブルと言われる所以があったんですね。

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    作り手の個性が見えるユニークなものが揃う

     多くの時間と手間がかかったナチュラルワインは生産者による"生きる"芸術作品です。人為的に操作されていない分、気候や保管の仕方、その年の状態により味が左右されますが、これもまたナチュラルワインの醍醐味でしょう。 今回は皆さんにお勧めしたい7本のナチュラルワインをご紹介。(一部在庫切れもありますが、再入荷される場合もあるので辛抱強く待ってみて)

    クイーリー フリウラーノ “ポスト・モダン クラリティー" ヴァン ナチュラル [ 白ワイン 辛口 オーストラリア 750ml ] ¥4,523

     オーストラリアにおけるピノ・グリのパイオニアであるキャサリン・クイーリーとケヴィン・マカーシーによるドメーヌの一本。口に含むとクリーミーでシルクのような滑らかなワインは、アーモンドミルクや蜂蜜、ブラックペッパーにレモンピールなどエキゾチックなフレーバーを楽しめます。

    シャルドネ ペルラン ディヴェステ [ 2020 ]ドメーヌ テッタ(白 微発泡) ¥3,850

     飲み進めるほどに果実味溢れるフレッシュな柑橘系のフレーバーとミネラリーな苦味を楽しめるドライな一杯。若干濁る淡いレモンイエローのカラーがナチュラルワインらしい極微発泡の辛口の白ワイン。

    キュヴェ 風 (KAZE) シャルドネ 2019 ドメーヌ・ド・ラ・ガランス ¥2,017

     ラフランスの爽やかな香りにオレンジピールの柑橘系のもたらすフレッシュな苦味、そして蜂蜜の甘み。若干のハーブも感じるラングドック産の豊かなワインです。

    ナチュラルワイン グレープリパブリック ビアンコ2020ビンテージ 750ml ¥2,970

     山形県産のデラウェアとスチューベンを使用したナチュラルワイン 。デラウェアは12時間のスキンコンタクトのものと房ごと直接圧搾し、スチューベンは12時間スキンコンタクト。これらを3つのステンレスタンクで別々に醸造し、2021年3月にブレンドするというこだわり抜いた一本です。

     ビオディナミで栽培され100%手詰みで収穫された葡萄のみを使用した上質なワイン。琥珀色に少し濁る白で、フレーバーは白桃やホワイトフラワーのフローラル且つフルーティーで軽やかな一杯。

     日本が誇る品種マスカット・ベーリーAによるドメーヌ・ヒデのしろしろピンク。舌に残る心地よいほろ苦さはまさに「大人のロゼ」。甘いアロマにもぎたて葡萄のフレッシュな果汁、そしてフランボワーズの香りがホワイトピンクに染まるグラスから沸き立ちます。

     アルザスで栽培されるゲヴェルツトラミネールを使用してビオロジック農法で作られるこちらのワインはエコサートのオーガニック認証あり。バラやライチのような香りとともにパッションフルーツや熟したバナナ、シナモンのフレーバーを楽しめます。輝く黄金色がゴージャスな一杯。

    ナチュラルだから格上ってわけじゃない。

     ここで1つ。「ナチュラルワインだから普通のワインよりも美味しい」とか「ナチュラルワインの方が格上」というわけでは全くないということをお忘れなく。

     オーガニックじゃなくてもビオじゃなくても、美味しいワインは美味しいもの。大切なのは製造法やジャンルにとらわれず、自分はどのワインが好きなのかを知ることです。今どんなワインを自分は飲みたいのか、自分の気分にあったワインはなんなのか。TPOに合わせてワイン選びが出来るようになったらあなたはワイン上級者!

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