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老人のストリートスナップを撮影する写真家YUTARO SAITOによる「モードへの警笛」

YUTARO SAITO 斎藤祐太 おじいちゃん ストリートファッション

IMAGE by: YUTARO SAITO

YUTARO SAITO 斎藤祐太 おじいちゃん ストリートファッション

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老人のストリートスナップを撮影する写真家YUTARO SAITOによる「モードへの警笛」

YUTARO SAITO 斎藤祐太 おじいちゃん ストリートファッション

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 YUTARO SAITOが、「TOKYO ART BOOK FAIR 2021」で自身初となるZINE「20’s STREET STYLE JOURNAL」を刊行した。同誌には自身が生み出した造語「プラスチックファッション」をキーワードに複数の写真が掲載されており、その被写体は街中で撮影された妙齢の老若男女が映し出されている。斎藤は「70歳〜80歳のおじいちゃんたちは似合っている、似合っていないという視覚的な要素を超越した段階にいる」と話す。

70〜80代がまとうセルフスタイリングの魅力は、パーソナリティやライフスタイルと地続きである点。ファッションの『見る/見られる』という関係性から遠く離れた彼らは、選ぶ段階での意思が強く反映された極めて機能的な服を無意識にまとっているのだ。
ーYUTARO SAITO

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YUTARO SAITOによるステイトメント

 プラスチックファッションとは撮影者である私、YUTARO SAITOが昨今のモードを表した造語です。昨今のモードのプロモーションはSNS、もっぱらインスタグラムが主流となっていますが、そこでは訴求方法が写真という性質上、ロゴやアイコニックなグラフィックなどブランドを主張しやすいものがプロモーションされ、また消費者もそれらを好む傾向にあります。そういった消費は所謂「ブランドの記号的側面の消費」であり、モードの本質とは本来、袖を通した時にわかる仕立ての良さや素材など画面の向こうにあるものです。記号そのものには価値はなく、ブランドの記号とは本質的価値の上に存在するものですが、現状では「本質を無視した記号消費」がウェブ上のデジタル空間において加速している状況です。一方プラスチックは戦後の大量消費社会に対応すべく実用化された素材で、それそのものに価値はありません。現在の身の回りのあらゆるものはプラスチックに包まれ、他製品と差別化するためのカラーリングやブランドロゴ、キャッチフレーズ、宣伝広告などあらゆる記号的価値を付属させ「価値あるモノ」として演出されています。そのように、価値のないモノを価値があるように演出し記号化していく特性がプラスチックと現在のモードの共通項なのです。

 プラスチックファッションを定義つけた上でファッションスタイルの話になりますが、私は上述したようなプラスチックファッションはカッコよくないと考えています。なぜならプラスチックファッションを選ぶ人々の判断基準は、おしゃれ、流行、あの人のようになりたい、モテたいなど「他者にベクトルが向いたファッション」だからです。そのようなファッションは本来自分自身との繋がりが薄く、その人独自のスタイルとは言えません。では逆にどのようなスタイルがその人自身との繋がりが強いかというと、「自己にベクトルが向いたファッション」です。例えばアシックスのスニーカーで例えると、モードやストリートブランドがコラボしているからアシックス=おしゃれという記号のもとに判断し購入する場合と、「早朝ランニングをしたいから」とアシックスのスニーカーを購入する場合では、自己にベクトルが向いているのは後者です。流行やおしゃれへの意識はつまるところ「それを評価する他者の存在で成り立つモノ」であり、その選択基準は他者に属していると言えるでしょう。一方で後者の例は「走りたい」という欲求に沿ったファッションであり、選択の基準は自己にあります。そのような自己にベクトルが向いた選択を積み重ねることで、ファッションと自身のパーソナリティ、趣味趣向、ライフスタイルがリンクし、その人とファッションの繋がりが強固になり、スタイルとしての魅力も増すと私は考えています。

 では「自己にベクトルが向いたファッション」を体現している人は誰なのかと考えた時、私は年齢を一つの判断基準とすることにしました。10代〜30代では異性からの目線、自身のアピール、流行など「他者にベクトルを向けたファッション」が多く、40、50代でもそれらの傾向は少なくありません。一方で70、80代になってくるとそのような傾向は薄くなり、どんどん自己へのベクトルへと向いていく傾向にあります。それは年齢的に他者の目線や異性を意識するよりも「自分の生活しやすい服」「趣味に通じた服」を好む傾向にあるからです。彼らのスタイルは若者のファッションよりもパーソナリティが表出しており、モードの記号に捕われないオリジナルなファッションなのではないかと考えています。SDGsや環境へ配慮がますます大きな問題となっている昨今、他者にベクトルが向いた大量に生産され消費されていくファッションよりも、自己にベクトルが向いたスローなファッションが重要視されていくと考えています。

YUTARO SAITO
同志社大学グローバル地域文化学部を卒業。同大学の写真やファッションを学ぶゼミにて、卒業論文「表象としての黒とコム・デ・ギャルソン」を執筆。2021年11月「20’s STREET STYLE JOURNAL」を出版した。
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