「ナヌーシュカ（Nanushka）」は、デザイナーのサンドラ・サンダーが手掛ける、ハンガリー・ブダペスト発のファッションブランド。2016年頃よりサステナビリティに注力し、商品がいつ、どこで、誰が作ったかを示す“トレーサビリティ”を公式オンラインストアなどで開示している。ウィメンズ&メンズウェア、アクセサリーをラインナップし、生産は主にハンガリー国内やセルビアなどで行う。

- BRAND CONCEPT -

「ナヌーシュカ」の魅力は、サステナブル×高いファッション性

　「ナヌーシュカ」のデザインコンセプトは“モダンボヘミアン”。そこにバウハウスの理念である「Form follows functio（形態は機能に従う）」を加えることで、フェミニンで普遍的、リラックス感のあるコレクションを提案している。サステナビリティを追求するブランドながら、ファッション好きに支持されるデザイン性を兼ね備えていること、さらに手に取りやすい価格帯であることも、ブランドの強みだ。

　モノづくりにおいては、2015年頃よりサステナビリティをブランドの核に置き、キーコンセプトは「地球・コミュニティー・循環性」。生産は主にハンガリーやセルビアなどで行い、製品を長く楽しんでもらうための修理サービスもスタートした。

　服の素材には、再生繊維のポリエステルやオーガニックコットン、オーガニックウール、環境に配慮したFSC認証のビスコースなどを使用。2021年プレフォールコレクションでは、製品の約50％に持続可能な素材を用いており、2025年までには100％の使用率を目指す。過去の取り組みをまとめたサステナビリティリポートや環境目標は、ブランドの公式サイトで開示している。

- CHARACTERISTIC ITEM -

人気は、ヴィーガンレザーアイテム

「ナヌ―シュカ」2021年プレフォールコレクション

Image by Nanushka

　「ナヌーシュカ」の売れ筋のひとつが、ヴィーガンレザーを用いたジャケットやスカート、バリエーション豊富なバッグコレクションだ。素材には、生産工程から動物性の物質を一切使用していない。例えば、ラウンドタイプの“Juno”バッグは「ポリウレタン60％、ポリエステル40％……」のように、原料の構成比まで開示しているのが特徴。手の届く価格帯であることも人気を後押ししており、トップスは5万円前後、アウターは10万円前後、バッグは3万～7万円などでラインナップする。

- BRAND NAME -

ブランド名は、幼少期のニックネームから

　ブランド名の由来は、サンドラ・サンダーの幼少期のニックネーム。サンドラは親しみを込めてサンディと呼ばれることが多いが、発音が難しかったことからサンディがナニーになり、さらに転じて“ナヌーシュ”のあだ名で父から呼ばれていたという。

- MAIN SHOP -

「ナヌーシュカ」おすすめ店舗は、“透明性”を確認できる公式オンラインストア

　現在（2021年8月）、日本での取り扱い店舗はシーズンにより変動的。ブランド公式オンラインストアでは、フルラインナップでコレクションを取りそろえており、日本からの購入も可能だ。海外では、ブダペストやニューヨーク、ロンドンに旗艦店を構える。特に2020年11月にオープンしたロンドン・メイフェア地区の新店では、什器にアンティークの家具を用いるなど、店舗設計においても環境配慮を重視している。

- NEW COLLECTION -

「ナヌーシュカ」の2022年リゾートコレクション

「ナヌ―シュカ」2022年リゾートコレクション

Image by Nanushka

　「ナヌーシュカ」の2022年リゾートコレクションは、ユニークな素材がデザインイメージを広げた。例えば、イタリア人アーティスト、ルチアーノ・ファブロ（Luciano Fabro）が用いたリネンをインスピレーション源にしたシャツやパンツは、洗練されたハリ感とクリーンなムードが特徴。ヴィーガンレザーは鮮やかなグリーンやオレンジなどでアップデートし、ドレスやハーフパンツなどに用いている。“サステナブルなブランド”に多い、ナチュラルなイメージとはかけ離れたファッション性の高いコレクションで、ブランドの独自性を打ち出した。