2017年にニューヨークを拠点にする日本人デザイナーのタナカサヨリが設立し、2020年よりディレクターとしてクボシタアキラが本格的に参画した「タナカ(TANAKA)」。コンセプトは「今までの100年とこれからの100年を紡ぐ服」。環境に配慮したモノづくりや日本の伝統的な技術を取り入れながら、デザイン性とサステナビリティの両立を目指している。「TOKYO FASHION AWARD 2023」受賞。ニューヨークの「バーグドルフ・グッドマン(Bergdorf Goodman)」によるFW2022 Radar Designerに抜擢された。

洋画家であり、着物のテキスタイルデザイナーだった父と、日本庭園を作る造園家だった祖父の元、自然豊かな新潟県で生まれ育つ。東京モード学園アパレルファッションデザイン学科卒業。ヨウジヤマモト社にて企画、ニットカットソーデザイナーとして経験を積んだ後、ファーストリテイリングに入社。「ユニクロ」の東京、上海、ニューヨークオフィスにてウィメンズグローバルデザインチームのリーダーを務めた。自身のブランド「TANAKA」を2017年よりニューヨークにてスタート。Photo by:SHIORI OHIRA

文化服装学院スタイリスト科卒業後、ファーストリテイリング社に入社。「ユニクロ」の東京、上海、ニューヨークオフィスでUT、アクティブウェア、ニットウェアを中心に、メンズグローバルデザインチームのリーダーを務めた。2020年より東京にて本格的に「TANAKA」のクリエイティブパートナーとなる。「ヒューマン メイド(HUMAN MADE)」を中心に国内外の企画にも携わり、クリエイティブディレクションや空間演出も強みとする。
目次
- MAIN SHOP -
主な取り扱いは百貨店や高感度セレクトショップ
TANAKAのアイテムを取り扱っているのは高島屋などの百貨店や、バーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEW YORK)、シティショップ(CITYSHOP)、1LDK、ビショップ(Bshop)、ザ トウキョウ(THE TOKYO)などのセレクトショップ。オンラインではエッセンス(SSENSE)やゾゾタウン(ZOZOTOWN)のラグジュアリー&デザイナーズゾーンであるゾゾヴィラ(ZOZOVILLA)など。F/STOREでも取り扱っている。
>>ほか取り扱い店舗一覧(2022年9月6日時点)
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- CHARACTERISTIC ITEM -
ジャパンデニムがTANAKAを代表するアイテム
TANAKAを代表するアイテムとなっているのがデニム。トラウザーのように作ったフィット感や、アーティスティックな加工など、モダンにアップデートされたデザインのアプローチと、ジャパンデニムの組み合わせが唯一無二の特徴だ。

デザイナーが前職でデニムのデザインを担当していたこともあり、デニムの本格的な知識や生産背景についてを当時に学んだという。「日本が誇る有数のデニム生地工場や、加工工場との独自のコラボレーションが、TANAKAのデニムのクオリティとユニークなクリエーションを支えています」とデザイナーは話す。
- DETAIL -
TANAKAを象徴するジーンズ、誰が履いてもしっくりくる綺麗な腰回り
トラウザーのように作られた美しいシルエットのジーンズのパターンは、誰が履いてもしっくりくる綺麗な腰回りや、それぞれのフィットに合わせた美しいレッグラインが特徴。デニムジャケットは、オーバーサイズに着たい人やシャツとしてインナーで着る人など、その人の用途に合わせた様々な着こなしが可能な作りになっている。




全 4 点
伝統的なセルビッチデニムの織機とリサイクルコットンを使用して織り上げられているため、セルビッチのディテールがふんだんに使われているのも特徴のひとつ。「一見ベーシックなデニムも、耳使いを意識したデザインや、着ていく事で色や表情が変わることも楽しんでもらえたら」とコメントしている。
- BRAND CONCEPT -
"これまでの100年とこれからの100年を紡ぐ衣服。 時代、性別を超えて永く愛される衣服。"

デニムやワークウェアの普遍的なアイテムを、性別や年齢、国籍を問わない多様な人々へ提案しているTANAKA。ブランドの立ち上げは、デザイナーのタナカがユニクロ時代にニューヨークに赴任したことがきっかけ。住む人や生活、カルチャー、ファッションの多様性さがインスピレーション源となったという。
コンセプトに掲げる「これまでの100年とこれからの100年を紡ぐ衣服」には、"先人達によって作られたヴィンテージウェアに対するリスペクトがあり、ブランド自体もこれから100年続くスタンダードとなっていく"という思いが込められている。「本当に良いデザインは性別や年齢、国籍などによって変わる必要がないので、その考えがサステナブルなアプローチの一つである」という考えから来ているのだという。
- NEW COLLECTION -
二面性を表現した2022年秋冬コレクション

2022年秋冬コレクションは、「光と影 共存、そして再生」をテーマに、ポジティブな再生の意味を込めて、二面性を表現。リバーシブルで着用できるアウターやブロッキングされたツイード素材など、デザインやパターンで表現された。アイコニックなデニムに加えて、デニムスタイルをモダンにアップデートするダウンやキルトなどのアイテムなどが登場している。
コレクション全体については「今回のデニムの加工は特に、部分ブリーチや絶妙なダメージ、独特なトッピングカラーなど、細部に渡ってクリエイティブなデザインが施されている逸品となっています。また、ダウン、中綿、ツイード、ウール、ボアなどのアウターウェアコレクションもとても充実しているのでデニムと併せて楽しんでいただけたら」とコメントしている。
- FAVORITE LOOK&ITEM-
2022年秋冬、タナカとクボシタのお気に入りルック&アイテム


ルックは引き続きフォトグラファーの小浪次郎が撮影。リバーシブル仕様のダウンジャケットを着用し、別のダウンジャケットを背負い、さらに別のダウンジャケットを肩から下げた1枚をお気に入りとして選んだ。1枚のダウンで多様な使い方ができることが一目で分かるスタイリングとなっている。グリーンヘアのモデルが印象的な1枚については「ワイドデニムを履き、ブルーのウェスタンシャツを着てグレーバックのカメラの前に立った時、その完成度の高さに自然とガッツポーズをしていました(笑)」と振り返っている。

お気に入りのアイテムとして挙げたのは、コットンレザーのセットアップとラベンダーカラーのダウンジャケット。セットアップは深いブラウンカラーとスペシャルなレザー調の質感が特徴で「いつものデニムスタイルをもっと新鮮にシックにアップデートしてくれる」と解説。ダウンジャケットについては「リバーシブルかつパッカブルにもなるなど、パッと見て可愛い、着て何度も美味しいジャケットになっています」とコメントを寄せている。
- COLLABORATION -
キーヴィジュアルの撮影は小浪次郎が担当
印象に残っているコラボとして挙げたのは、2020年秋冬コレクションから4シーズンにわたって、小浪次郎が撮影したキーヴィジュアルだ。ブランドの世界観を体現するように、全てニューヨークのストリートや海辺を舞台に撮影されている。「チームでセッションしながら、フィルムカメラで撮り下ろされる写真はTANAKAのシーズンごとのムードやエモーションを捉え、伝えてくれます」。







2022年春夏コレクション
Image by TANAKA
全 7 点
このほか印象に残っているコラボとして、奄美大島の伝統工芸である泥染め・天然染めを継承して昇華させる金井工芸との協業や、サントロペの老舗レザーサンダルブランド「カージャック(K.JACQES)」とのコラボについても挙げている。
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主要年表
【2022年】
「TOKYO FASHION AWARD 2023」受賞。
ニューヨークの「バーグドルフ・グッドマン(Bergdorf Goodman)」によるFW2022 Radar Designerに抜擢された。
2022年秋冬コレクションを発表。
【2021年】
2022年春夏コレクションを発表。
【2017年】
デザイナーのタナカサヨリが自身のブランド「TANAKA」を設立。
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