【連載:マニアですがなにか コンバース編】第三回「年代判別と選び方」

 広島の古着屋「KAZZIN Time recycler」で働く僕、"自称コンバースマニア"高雄 大善が全4回に渡り「コンバース(CONVERSE)」について紹介する連載「マニアですがなにか」。第3回のテーマは「年代」について。オールスターにハマっていくと"年代物"が欲しくなってくるものです。1917年にバスケットボールシューズとして誕生したオールスターの歴史は長く、スポーツシューズからカジュアルシューズへと変わるなど年代によってデザインが変化を遂げています。現在は販売されていない(古着屋には売っていますよ!)年代物のオールスターをディテールで当てられるようになれば、"マニア入門"と言えるのではないでしょうか。どこを見れば年代がわかるのか?チェックポイントを教えたいと思います。

【連載:マニアですがなにか コンバース編】
第一回「覚えておくべき5モデル」
第二回「オールスターの種類」
第三回「年代判別と選び方」
第四回「レアモデル」

年代判別チェックポイント

年代判別では主に3ポイントをチェックします。

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Point 1>>当て布&サイドステッチ
バスケットボールの激しい動きに対応するためアッパー部分を補強するために付けられた当て布。サイドステッチはその当て布が付いている証拠となるのですが、カジュアルシューズとして使用されるようになってからは当て布の必要がなく、サイドステッチ自体も無くなってしまうため年代の判別がしやすいディテールとなっています。ちなみに採用されたのは63年からと言われていますが、62年頃までのローカットで当て布が付いているものを見たことがあります。そのため、僕は62年からローカットに63年からハイカットに使用されたのだと分析しています。

Point 2>>ヒールラベル
大きな星印が象徴的なオールスターのヒールラベルは各年代で色や星の数、文字の配置が変わったり。これを覚えるだけでもある程度の判別が可能なので、初心者必須ポイントです。

Point 3>>インソール
履いたら見えなくなってしまいますが、オールスターを語る上では外せないポイントのひとつ。各年代で細かい変化が加えられています。

 では、早速この3ポイントに注目しながら年代を追っていきたいのですが、60年代より前のものは劣化していて履けるようなコンディションのものが少なく、何よりコンバースマニアが魅力に感じる「当て布&サイドステッチ」が入っていないということからあまりフォーカスされません。僕自身も集めているコンバースは60年代以降がほとんど。というこで、時代は60年代から90年代までに絞って解説していきます。

「60年代〜70年代 チャックテイラー」color ネイビー

converse-takao03-09-20-17.jpg 60年代〜70年代のチャックテイラーは、第2回で紹介した「CT70」や「ADDICT」の原型になったモデル。おさらいになりますが、オールスターの普及や改良に生涯を捧げたバスケットボール選手チャールズ・H・テイラーの功績を称え、1930年代ごろからヒールラベルに「CHUCK TAYLOR」の文字が入ったと言われています。1946年からアンクルパッチにも「CHUCK TAYLOR」の文字が入ったことをきっかけに、チャックテイラーと呼ばれるようになったと言われています。

converse-takao3-2017-08-29-20170829_001.jpgconverse-takao3-2017-08-29-20170829_008.jpg まずはアッパー部分を補強する為のあて布とサイドステッチが確認できます。現行オールスターには無いディテールで、一目で拘っているということがわかるので人気のデザインです。

converse-takao03-083117-z-20170829_001.jpg 次にヒールラベルは、60年代〜70年代初期には三ツ星のヒールラベルを使用。非常に人気が高く復刻モデルでも三ツ星が採用されています。年代物の中でも価値が高いため、これぞ"憧れのチャックテイラー"という一足。見つけたときは素直に「ラッキー!」と喜びましょう。

converse-takao-03-ct-10-19-1720170829001.jpg 最後にインソール。この年代では、青枠で囲われた黒文字「CONVERSE」のデザインが使用されています。

「 70年代 チャックテイラー 」color マルーン

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converse-takao3-2017-08-29-20170829_016.jpg 当て布とサイドステッチは継続。60年代にも当てはまりますが当時のチャックテイラーは、サイドステッチの大きさや形に個体差があり、アメリカらしさを感じさせるムラがあります。今ではアウトレットで販売されるクオリティだと思いますが、個体差も魅力の一つだと思います。

converse-takao03-083117-z-20170829_002.jpg 70年代のヒールラベルは、左右にあった星がなくなり1つに変わります。三ツ星のほうが価値が高いですが、僕は一ツ星でもあまり気にしません。というのも、1976年からヒールラベルの色が白に変わります。身につける上で白か黒かは重要ですが、星の数が三つか一つかはあまり重要に感じていません。

converse-takao03-083117-z-20170829_003.jpg ちなみに「昔のオールスターは黒いヒールラベル」と認識している人も多いと思いますが、紺のヒールラベルも存在します。理由は分かりませんが、ネイビーとホワイトのチャックテイラーには紺のヒールラベルが使用されています。ボディの色と相性が良く個人的に好きな配色です。

converse-takao03-083117-20170829_006.jpg インソールは青枠で囲われた黒文字「CONVERSE」のデザイン。前年のものに「MADE IN U.S.A」という文字が追加されています。

「70年代コーチ」color グリーン

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 オールスターから話はそれますが、当時人気だったチャックテイラーの兄弟モデルとして「コーチ」というモデルがあります。見た目はほとんどチャックテイラーと変わらないことから注目されていて、近年価格が高騰しているのでここで紹介したいと思います。

▶︎なぜ「コーチ」の価格が高騰?
 
 
コーチが発売されたのは40年代〜50年代ごろ。当時、コーチよりも普及率や質の高いチャックテイラーが選手達から好まれていた影響から、しばらくヴィンテージ界隈ではチャックテイラーの取引価格が圧倒的に高い時代が長く続いていました。しかし、ヴィンテージコンバースが多く見つかっていた数年前と状況が変わり、チャックテイラーとともにコーチの出現率も減少。希少性が高いモデルとして注目が高まっています。背景にはチャックテイラーの金額上昇に伴い、欲しくても買えない人にとって"サイドステッチがありヒールラベルが黒い"コーチはチャックテイラーに非常に近く、どちらのモデルでも然程変わりがないということがあげられます。

converse-takao03-083117-z-20170829_010.jpg では、ディテールを見ていきましょう。当て布とサイドステッチはありますが、よく見るとつま先部分に星がデザインされています。チャックテイラーとの違いがここで判断できます。

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 インソールも異なります。ディテールを見るとチャックテイラーとの違いがわかりやすいですね。

converse-takao03-083117-z-20170829_004.jpg ヒールラベルの星の数は一つで変わりませんが、「ALL STAR」と「CHUCK TAYLOR」の文字がありません。

converse-takao03-09-21-17-001.jpg 同年代のチャックテイラー(写真右)と比べてみると、アッパーのキャンバス地やソール、トゥのラバーが薄く、ワイズが狭く作られているので重さは約55g軽くなっています。個体差があるかもしれませんが、僕が所有してきたコーチは全てあてはまりました。

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