「メッセージを着る」今年注目のスローガンアイテムとその意味を紐解く

左からサカイ、ディオール、ステラ マッカートニー、ヴェルサーチのスローガンアイテム

 なぜその服を着るのか?意味で選ぶ時代がやってきた。「ディオール(Dior)」が発表した"フェミニストTシャツ"をはじめ、女性や政治、平和、環境といった社会に対する主義や主張、心の声を表すようなメッセージを服にのせたスローガンTシャツが多数登場。「メッセージを着る」「ファッションで意思表示する」という意識が浸透しつつある。ファストファッションからコレクションブランドまで、注目のスローガンアイテムをセレクトし、その意味を紐解く。

■Dior 「私たちはみなフェミニストであるべき」

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2017年春夏コレクション Photo credit: Morgan O'Donovan

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2017年フォールコレクション Photo credit: Morgan O'Donovan

 「WE SHOULD ALL BE FEMINISTS(直訳:私たちはみなフェミニストであるべき)」とプリントされたTシャツは、「ディオール(Dior)」初の女性アーティスティックディレクターに就任したマリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)によるファーストコレクションで発表され、瞬く間にモード界に広まった。メゾンの新マニフェストと位置付けられたメッセージは、フェミニスト作家のチママンダ・ンゴズィ・アディーチェ(Chimamanda Ngozi Adichie)によるエッセイのタイトルに由来。2017年春夏コレクションではホワイトを展開し、ほぼ完売したという。2017年フォールコレクションではブラック(税別7万9,000円)が登場する。

■GU「はい、私はフェミニストです」

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(※実際の商品は"YES"が"YUP"に変更)

 「ガウチョパンツ」や「スカンツ」「コーディガン」などの数々のヒットアイテムを送り出してきた「ジーユー(GU)」は、今年の4月からスローガンTシャツを展開している。新作として「YUP, I'M A FEMINIST(直訳:はい、私はフェミニストです)」Tシャツを発表。まるでディオールによる「WE SHOULD ALL BE FEMINISTS」のメッセージを肯定しているかのようだ。価格は税別790円で、7月10日に発売予定。

■KATHARINE E HAMNETT "民主主義"と"愛"について

 キャサリン・ハムネット(Katharine Hamnett)は、80年代にロンドンで活躍し、環境・政治・平和・女性などファッションを通じて社会にメッセージを発信するデザイナーのパイオニアとして知られている。彼女のミドルネームEleanorの頭文字をブランド名に取り入れてあらゆる社会問題に対する強い関心を形にしたライン「キャサリン イー ハムネット(KATHARINE E HAMNETT)」からは、新作として「USE DEMOCRACY」(税別8,000円)と「CHOOSE LOVE」(税別7,500円)のスローガンTシャツが登場する。

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 「USE DEMOCRACY」という12文字には、「デモ行進をしたり嘆願書を送ったりしてもそれらは政治家にとって痛くも痒くもありません。政治家の態度を変える唯一の方法は彼らの再選を阻むことです。あなたの地域の政治家に自身が懸念している問題を投げかけなさい。そして、前向きに取り組まない場合は二度とその政治家には投票しないと伝えなさい。彼らは市民の投げかける問題に応える為に雇われているはずです。もし取り組まないのであれば、次は取り組んでくれる人に投票すればいいのです」という強い思いが込められている。

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 「CHOOSE LOVE」・・・「いつなんどきも愛を持ちなさい それがあなたのあるべき姿」。

■sacai "ファッションは情熱"

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税別10万8,000円


 「サカイ(sacai)」2017年春夏コレクションのテーマは「ゲームチェンジャー」。ジェーン・バーキンやカート・コバーン、セルジュ・ゲンズブールなど、それぞれのカテゴリーで"ゲームチェンジ"を起こしてきた彼らとその作品にインスピレーションを受けて展開するコレクションでは、「FASHION IS PASSION(直訳:ファッションは情熱です)」と施されたTシャツが登場した。彼らに対する祝意と、サカイのファッションへの愛とも言える意思が示されたスローガンTは、あらゆる服好きの心に刺さりそうだ。

■STELLA McCARTNEY "ノー レザー"、"ノー ファー"

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 「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」は、デザイナーが貫く精神と同様に、レザーやファー、スキン、フェザーといった動物由来の素材を使用しないベジタリアンブランドとして知られている。2017年サマーコレクションでは、どこか遊び心を感じさせるデザインに「No Leather(ノー レザー)」や「No Fur(ノー ファー)」といったスローガンが施されたアイテムが多数登場した。

■beautiful people その日の気分で選べるメッセージ

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 メッセージを着られるのはTシャツだけではない。熊切秀典が手掛ける「ビューティフルピープル(beautiful people)」の「ソック ア トロワ(Sock A Trois)」は靴下3枚(1.5足)が1セットになっており、それぞれジャガード織りで「I'm」「I'm not」「Beautiful」の文字入り。「I'm Beautiful」「I'm not Beautiful」など、組み合わせ次第でその日の気分を表現することができる。価格はセットで税別3,000円。

■VERSACE ポジティブワードがいたるところに

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2017-18年秋冬コレクション

 「ヴェルサーチ(VERSACE)」の2017-18年秋冬コレクションでは、勇気を意味する「COURAGE」や、忠誠心を意味する「LOYALTY」、結束を意味する「UNIFIED」など、ポジティブなスローガンがチュールのスカートやトップス、レザーグローブなどいたるところに入っている。クリエーティブディレクターのドナテラ・ヴェルサーチ(Donatella Versace)は、「今回のコレクションは、女性の力を表現し、その力の使い方を知る女性を描いている。ポジティブさと希望から生まれる強さと結束を呼びかけるもの」とコメントを発表している。