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荒木経惟、亡き愛妻との結婚記念日を記した「写狂老人A」の日記を披露

荒木経惟
荒木経惟
画像: FASHIONSNAP

 写真家の荒木経惟による個展「荒木経惟 写狂老人A」が、7月8日にスタートした。最新作の「空百景」「花百景」や、2017年7月7日の日付が記された687点の作品群「写狂老人 A 日記 2017.7.7」など、展示作品の大半を今回の展覧会のために制作。前日の7日には荒木本人がプレスプレビューに参加し、作品解説を行った。

 展示空間は9つに仕切られ、第1室の「大光画」は雑誌「週刊大衆」で10年にわたり連載しているシリーズ「人妻エロス」から50点を展示。「空百景」は葛飾北斎の「富嶽百景」へのオマージュ、「花百景」は伊藤若冲の「百花図」を着想源としているといい、共にモノクロ写真で心情や生と死などが表現された。同展のタイトルにも掲げた「写狂老人 A 日記 2017.7.7」はすべて昨年撮影されたものだが、7月7日にこだわった理由として「(亡くなった愛妻 陽子との)結婚記念日だし、(年齢差が)7歳違いだし、別れても7月7日には会ってセックスしようぜっていう約束の日」と説明。作品群は車窓から捉えた何気ない日常シーンなどを並べたという。読書コーナーでは「写狂老人」全作品をそろえたほか、「八百屋のおじさん」をスクラップブック、インクジェット・プリント、ビデオの3つの手法で展開。スクラップブックは荒木の活動の初期において表現方法を模索する中で生み出され、制作から50年以上を経て初めて公開されている。また、"アンチデジタル"を掲げる中で「非日記」ではデジタルカメラに挑戦。このほか、ポラロイド作品をビデオにした「ポラノグラフィー」や遊郭から逃げようとする遊女を荒木がとらえる場面がイメージされた「遊園の女」を公開し、最後は一度切り裂いた写真をコラージュした作品「切実」の最新バージョンが展示されている。

 荒木は現在77歳。年齢を感じさせない精力的な活動を続けているが「焦っていることがある。それは、天からもらった才能を死ぬまで使い切れるか。間に合うかな」と漏らす場面もあった。同展は満足度の高い内容に仕上がったことから、「世間から天才と言われているが、この会場を見てそれを確信した。(皆さんも)再確認しにてきてください」とアピールした。会期は9月3日まで。

■荒木経惟 写狂老人A
期間:2017年7月8日(土)〜9月3日(日)
会場:東京オペラシティ アートギャラリー 3階ギャラリー1,2
開館時間:11:00〜19:00(金・土は11:00〜20:00/いずれも最終入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、8月6日(日・全館休館日)
入場料:一般 1,200円(1,000円)、大学・高校生 800円(600円)、中学生以下無料
*( )内は15名以上の団体料金

東京オペラシティ アートギャラリー:公式サイト