Lifestyle インタビュー・対談

【インタビュー】セレクトショップ「1LDK」がなぜ今、パリに出るのか?

1LDK 関隼平ゼネラルマネージャー、福澤弘康社長
1LDK 関隼平ゼネラルマネージャー、福澤弘康社長
Image by: Fashionsnap.com

 2008年に中目黒の路地裏に1号店をオープンして以来、静かに東京のファッションシーンを牽引してきたセレクトショップ「1LDK(ワンエルディーケー)」。アパートメントやホテルといった"日常の中の非日常"をコンセプトに注目を浴びてきたが、次の一手は意外にもモードの都、パリだった。1月23日にグランドオープンするパリ店の概要、出店の目的などについて、同店を運営するアイディーランドカンパニーの福澤弘康社長と、関隼平ゼネラルマネージャーに聞いた。(取材・文:ファッションジャーナリスト 増田海治郎)

―いきなりですが、なぜ今パリなのでしょうか?

福澤弘康社長(以下、福澤):日本でセレクトショップが大きくなる過程には、東京を制覇したら次は地方の主要都市に出店、という流れがありますよね。ここ数年、ディベロッパーから出店要請が増えていることもあり、大阪、福岡、札幌などの主要都市の商業施設と街をリサーチしてきました。でも、いまいちピンとこなかったんです。地方でも中心部になると東京とあまり家賃が変わらないし、人口密度は東京より当然すくない。商売ベースで考えてもあまり魅力がないし、「1LDK」らしさもなかなか出せないかなぁ、という印象でした。

 それで関の知り合いから「香港でショップインショップ出店しませんか?」という話が2014年の始めにあって、それから海外に目を向け始めました。でもパリはノーマークで、アジアが先だと思っていたんですね。そうしたらある日、「1LDK aoyama heights.」(現在は閉店)で、同じパレスミユキに入居していた花屋「jardin du I'llony」のオーナーの谷口さんからパリの物件を紹介されたんです。

1ldk-hotel-20141030_014.jpg福澤弘康社長

■決断から約半年、スピード出店

―では、積極的にパリで物件を探していたわけではないんですね。

関隼平ゼネラルマネージャー(以下、関):そうなんです。フランスの法律では、半径50メートル以内に同業の店舗がある場合、既存店は後者へ異議申し立てできる権利があって、谷口さんが出店を希望していた物件がこの条件に該当していました。
普通なら次の物件を探し始めるはずですが、谷口さんは「だれか他に興味がある人がいるかもしれない......」と思ったらしく、「関さん、パリ出店に興味ない?」
とお声掛けいただきました。それが6月のことで、すべてはそこから始まりました。

―店舗はパリのどのエリアですか?

 1区のショッピング・ストリートであるサントノーレ通りから脇道に入ったスルディエール通り沿いになります。パリで有名なお寿司やさん「仁(ジン)」がある通りといえば分かる方もいらっしゃるのでは。パリで一番有名なセレクトショップ「コレット(colette)」から歩いて50mくらいの場所です。

1ldk_paris_001.jpg1LDK PARIS

―良い立地ですね。でも、今パリで一番ファッション関連の出店が熱いのは北マレ地区ですよね。

関:北マレもいいと思いますが、今回はまず物件が先に決まってからの話だったので(笑)。6月に初めて物件を見たとき、人が集まるエリアだし、ちょっと奥まったところにあるのも「1LDK」っぽくていいと思いました。フランスの取引先には他の場所を薦められましたが、以前からこういった偶然のご縁を大事にしてきましたから。

 それと、フランスではお店を出す時に、大家さんではなく前の借り主にお金を払う権利金というものがあるんです。場所によっては億を超えるようなこともあり、日本の保証金よりハードルが高いのですが、今回はそれがないという、夢のような条件だったんですよ。

福澤:そう、権利金が発生しなかったので、日本と変わらないコストで出店できたのは大きかったんですよね。

 次のページは>>パリでも日本と同じ価格で売る独自の戦略

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