Hiroshi Ashida

【ゆるふわ東コレ日記2-2】─スタイリッシュであるということ

蘆田裕史

京都精華大学ファッションコース講師 / 批評家

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今回のコレクションで(おそらく)4シーズン目となる安彦美之によるamiu.c(http://amiu-c.com/)。

「既に持っているワードローブに溶け込める服を」とデザイナー自身が語るように、着用者のことをしっかりと考えながら丁寧なもの作りをしているブランドです。こうした誠実な態度をもって作られる服は、ファッションショーで発表されるようなわかりやすく派手な服と異なり、ともすれば数多ほどあるブランドのなかに埋もれてしまいがちです。

そこで重要になるのが「イメージ」を作ることです。amiu.cのルックブックはスタイリッシュな印象を与える写真ではあるものの、どこかで見たことのあるようなものになってしまっています。これはamiu.cのみに当てはまることではなく、ほとんどのブランドがそうです。

一般に、スタイリッシュ(stylish)という言葉は肯定的な意味で使われます。しかしながら、字義通りに日本語に訳すと「様式的」となります。様式というのはすでに確立した形式であり、大多数の人がそこにある種の「定型」を見いだします。それだからこそ、「○○っぽい」とか「××風」という認識が生まれるのです。

「様式的になること」ではなく「様式をつくること」。それを意識することでamiu.cのようなブランドはより多くの人に届くのではないでしょうか。

ファッションは面白いもので、服自体が同じでも、写真やモデルによって見る人に与える印象が劇的に変化します。言ってみれば、ファッションとは服がイメージをまとうことによって成立するものなのです。イメージという表層をうまく作ることによって、服作りのスタンスを変えることなくそのブランドらしさを提示することもできます。

もちろん、表層を作るだけでもいけません。誠実に服と向き合い、そしてその服に適切な表層を与えること。そのバランスをうまく取ることができるようなデザイナーが増えてほしいと思います。

>>amiu.c 2015-16年秋冬コレクション

【ゆるふわ東コレ日記2-1】─枠組み

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