Fumitoshi Goto

米ショッピングセンター、トレンドは「空きテナントに"エンタメ施設"」

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

在米28年のアメリカン流通コンサルタント

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■全米77都市のショッピングセンターをモニターしている不動産調査会社レイス社によると、今年第2四半期(4月~6月期)のモール空室率は7.9%だった。7.8%だった前期から0.1%増加しており、モール空室率が増加したのは2014年の第4四半期以来となった。今後もモール空室率の改善を期待できない。アマゾンの勢いに衰えはなく今後もリアル店からのお客を奪っていくからだ。そんな中、今年に入って41店舗の閉鎖を発表したばかりの老舗デパートメントストアのメイシーズは8月、来年に本体のデパートメントストア100店舗を閉鎖することを発表した。オフィス・スーパーストアのオフィスデポも3年間で新たに300店を閉鎖することを発表した。オンラインストアに押され、モールなどから撤退するチェーンは枚挙に暇がないのだ。これにはショッピングセンターも頭を抱えている。ショッピングセンターはこれまで大手チェーンストアが撤退した場所に映画館やレストランの他、メディカルクリニックやジム、ミュージアム、水族館、オフィスまで誘致してきた。最近はハイエンドなエンターテイメント施設に熱視線を送っている。良く知られているところでは、インドア・トランポリン・パーク(Indoor Trampoline Park)がある。トランポリンパークとは、800坪~1,200坪の床一面をトランポリンで埋め尽くしたスポーツセンターだ。また、室内スカイダイビング施設も徐々にショッピングセンターに展開を始めている。「アイフライ・インドア・スカイダイビング(iFly)」はショッピングセンターの敷地内などに24ヵ所展開しているのだ。インタラクティブなゴルフゲームと自動スコアリング機能付きのゴルフボールを備えたエンターテインメント施設の「トップゴルフ(Topgolf)」もこれまでの打ちっぱなしと異なり、食事もついていることでパーティとしても盛り上がれるよう工夫されている。小さい子供を持つファミリー層をターゲットにした室内ミニゴルフの「グロウゴルフ(Glow Golf)」もショッピングセンターのテナントになっている。エスケープルームと呼ばれる謎解き&リアル体験型脱出ゲームもモールに出店する事例が増えている。謎を解いて制限時間内に部屋から脱出するエンターテイメント・サービス事業では「5ウィッツ(5 Wits)」がモール内に出店している。
ショッピングセンターはこういったエンターテイメント施設の利用を1日券として38~48ドルで売り出しており、モール内の滞在時間を長く保つようにしているのだ。ただし、いずれも安い投資ではなくリスクも高い。トップゴルフを誘致する場合、1,800万ドル~2,400万ドルの投資となり、どれほどの集客の助けになるのかわからないのだ。集客が成功しても、SC内の物販テナントまでお客が流れなければ痛い投資にもなる。

トップ画像:ロサンゼルス郊外にあるウエストミニスターモール内のオールドネイビー跡地に昨年5月オープンしたスカイゾーン・トランポリン・パーク(Sky Zone Trampoline Park)。トランポリンの他、ロデオやビデオゲームもある。スカイゾーンはモール等に117ヵ所に展開している。

室内スカイダイビングの「アイフライ・インドア・スカイダイビング(iFly Indoor Skydiving)」。

インタラクティブなゴルフゲーム&エンターテインメント施設の「トップゴルフ(Topgolf)」。

室内ミニグロフの「グロウゴルフ(Glow Golf)」。

謎を解いて制限時間内に部屋から脱出する「5ウィッツ(5 Wits)」。

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アーバイン・スペクトラム・センターの広場にオープンした1年間限定ハロー・キティ・カフェ。オープン当初は4~5時間待ちだったそうだ。高コストなハイテク・エンターテイメント施設よりハロー・キティが人気になるだろう。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。先日、オープンモールのアーバイン・スペクトラム・センターに視察で寄りました。7月15日に期間限定でオープンしたハロー・キティ・カフェを見る機会があったのですね。ハロー・キティの1年間限定のポップ・アップ・カフェです。日曜日の朝10時という時間にも関わらず、可愛すぎる?ドリンクやスィーツを求めて30人ぐらいの行列が既にできていました。ド派手なピンクのコンテナに並ぶのには、オジサンにとって子供でも連れていない事には相当な勇気がいります。ちなみにオープン当初は4~5時間待ち!だったとか...嗚呼。ショッピングセンターには、「アメリカ人が正気を失っている(People are losing their minds over America's first Hello Kitty Cafe)」という記事があるほど凄い集客を見込めるハロー・キティ・カフェは垂涎の的です。サンリオ本社にモール関係者が日参していると思います。モールにとっての問題は撤退した核テナントなど、大型店舗の跡地です。
メイシーズの跡地には、いっそのこと和食からイタリアン、メキシカンをピンクでまとめた「ハロー・キティ・フードコート」でもいいのではないかと、長いながーい行列を見て思いました。

後藤文俊

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