Fumitoshi Goto

ドレスなどの貸出サービス「レント・ザ・ランウェイ」が新レンタルプラン開始

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

在米28年のアメリカン流通コンサルタント

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■若い女性が憧れる高級デザイナー・ドレスなどをオンラインや実店舗を通じて手頃な価格で貸し出すレント・ザ・ランウェイ(Rent The Runway)が新たなレンタルプランを打ち出した。昨年スタートした無制限プラン「RTRアンリミテッド(RTR Unlimited)」に続く、新レンタルプランはより安価な「RTRアップデート(RTR Update)」。RTRアップデートは200を超えるブランドから毎月4アイテムをレンタルできる。マス市場に向けた月額89ドルのプランには送料や返品時の送料の他、クリーニングや保険等の費用も含んでいる。ただ、RTRアップデートのレンタル対象品には高級ブランドのフォーマルなドレスやガウンは含まれていない。一方、一回に3つまでのアイテムを借りられる無制限プランのRTRアンリミテッドは新規会員から月額139ドルを159ドルに値上げする。既存会員は生涯、139ドルの月額料金を維持できるという。RTRアンリミテッドはフォーマルドレスやガウンを含む500以上のブランドやデザイナーからレンタル可能だ。
80坪の店舗内店舗としてオープンしたレント・ザ・ランウェイは2009年にオンラインストアとして起業、3年前には実店舗でのレンタル・サービスも開始している。すでに会員数は800万人以上となっており、実店舗はニューヨークやロサンゼルスなど5ヵ所で展開している。レント・ザ・ランウェイのビジネスモデルは、若い女性が憧れる高級デザイナー・ドレスなどをオンラインや実店舗を通じて手頃な価格で貸し出すことにある。利用者はサイトやアプリ経由でカテゴリーやオケージョン、レンタル予定日などから検索。レントしたいアイテムを見つけたら、サイズやレンタル期間(4日間もしくは8日間)、到着日を指定して予約する。リターンは受け取ったときの専用ケースにアイテムを入れ、宅配企業UPSの拠点もしくは実店舗に返却をする。クリーニングは必要ない。レンタル価格帯は商品によって異なり、ドレスなどウェアが40ドル~130ドルでアクセサリー類は10ドル~150ドルとなる。レンタル料金にはリターン用の配送費と5ドルの保険料も含まれる。
レント・ザ・ランウェイはマスに向けた新レンタルプランの他、全米に向けた初のコマーシャルも流す。コマーシャルのコンセプトは、衣類がなくなったクローゼットの使い道だ。レント・ザ・ランウェイの共同創業者でCEOのジェニファー・ハイマン氏は「私たちレント・ザ・ランウェイでは将来的に(アパレルはすべてレンタルとなるため)クローゼットは存在しなくなると思っています」と語っている。

レント・ザ・ランウェイのコマーシャル。全米向けでは同社として初となるCMだ。コマーシャルのコンセプトは、アパレルすべてがレンタルとなることで、衣類がなくなったクローゼットの使い道だ。必要なくなったウォークイン・クローゼットを音楽バンドの練習用ルームやエクササイズルーム、仕事部屋、カラオケルームにしている。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。後藤は様々な業界の方(しかもトップ)と話しをする機会に恵まれています。同時に彼らの古い考え方に閉口することもしばしあります。これから消費の中核となる人たちは20代~30代です。彼らの消費に関して無関心な方が多いように感じます。アマゾン・プライム会員になっている社員がどの程度いるのかさえ知らなかったりします。いつまでも、自分たちの若かった時のような消費トレンドを繰り返すと感じているのです。しかも情報を得る先は、取引先だったりします。自分たちの業界内に偏った、耳障りの良いことしか聞きません。取引先は自分たちの営業に有利な情報しか流しませんから、バイアス情報であることさえわからないのです。後藤が「日本はアメリカの5年~10年遅れている」と云うと中には、ムっとする役員もいます。成功体験があるから、そうなるのでしょう。しかし後藤が説明を続けると、逆にいかに日本が遅れているかが腹に落ち、慌てるのです。

⇒困ったことに彼らの多くは、一つの業界しか知りません。例えば食品なら食品、家電なら家電、アパレルならアパレル、百貨店なら百貨店です。しかし今の消費者は業種・業態を区別して買い物をしません。買い物さえしないのです。子供のころからネットがある若い世代にはクラウドが常識かもしれません。つまり持たない。そんな消費者が台頭すればアパレルさえ持たなくなってきます。衣類もレンタルで済ませる「アパレルのクラウド化」です。レント・ザ・ランウェイの新プランは普段、TJマックスやザラ、H&Mを購入しているユーザーに向けたマス市場向けのものです。テスト展開のようですが、上手くいけばさらにマス・ユーザーに向けたアパレルのクラウド化を促進する格安レンタルプランをだしてくるかもしれません。これからの若い世代は、我々の世代が考えなかった価値基準でアパレルを見ているのです。いつまでも同じ発想や、現行の延長線上にある発想に縛られているようでは生き残れません。
衣類収納もクローゼットもクラウド化することで、インスタ映えする時代になるのでしょう。

後藤文俊

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