インスタカートが四半期で初の1500億円超えを達成 アメリカネットスーパー市場の爆発的成長

成長著しい米国のネットスーパー市場を牽引し、四半期収益で初の1500億円超えを達成した最大手インスタカート。

成長著しい米国のネットスーパー市場を牽引し、四半期収益で初の1500億円超えを達成した最大手インスタカート。

成長著しい米国のネットスーパー市場を牽引し、四半期収益で初の1500億円超えを達成した最大手インスタカート。

アメリカネットスーパー市場の爆発的成長
アメリカの食品小売業界における最新動向から、デジタルシフトの凄まじい現実が明らかになった。
米国のスーパーマーケットや食品小売業界を代表する団体であるFMIとニールセンIQ(NielsenIQ)が発表した2026年の最新レポートによると、アメリカのネットスーパーの売上は2028年までに4520億ドル(約67兆8000億円)に達すると予測されている。
店舗での売上が横ばいで推移する中、デジタルチャネルが成長の絶対的な牽引役となっているのだ。
驚くべきことに、2025年の食品小売全体の売上成長のうち、実に75%近くをネットスーパーが占めている。
買い物客の94%がオンラインと実店舗の両方で食品を購入したオムニチャネル・ショッパーであることも判明しており、ネットスーパーこそが小売業の成長エンジンそのものなのだ。
インスタカートが四半期で初の1500億円超えを達成
この凄まじいデジタルシフトの波に乗り、アメリカのネットスーパー最大手であるインスタカートが驚異的な成長を遂げている。
同社が発表した2026年第1四半期決算によると、総収益は前年同期比14%増の10億2000万ドル(約1530億円)となり、初めて四半期ベースで10億ドル(約1500億円)の壁を突破した。
また、プラットフォーム経由の総取引額は13%増の102億8800万ドル(約1兆5432億円)に達し、こちらも初の100億ドル(約1兆5000億円)超えを記録している。
純利益は1億4400万ドル(約216億円)で前年比36%増と絶好調だ。
消費者がインフレ下で価値を重視する中、店頭と同価格で提供する価格パリティ(Price parity)を導入した小売業者は、そうでない業者に比べて10%も速いペースで成長しているという。
クロード連携が実現する最強の買い物代行エージェント
さらに見逃せないのが、生成AIを活用した新たな購買体験の構築である。
インスタカートは、オープンAIのチャットGPTの強力なライバルとして知られるアンスロピック(Anthropic)のAIアシスタント、クロード(Claude)との連携機能を追加した。
これにより、クロードは単なる相談相手から、実際に店舗の棚を把握して買い物かごに商品を入れる凄腕の買い物代行エージェントへと進化した。
たとえば消費者が夕食のレシピと予算を伝えると、クロードは最寄りのクローガーやアルバートソンズのリアルタイムな在庫データや価格情報にアクセスし、顧客の過去の購買履歴まで加味して最適な商品を提案し、自動的にカートに追加する。
顧客の意図を実際の行動へと変換するエージェンティックAI(Agentic AI)の真骨頂である。
また、自社のアプリ内でもカートアシスタント(Cart Assistant)と呼ばれる対話型AIをアメリカの顧客の25%に提供し始めており、消費者のレシピ検索や献立作りを強力に支援している。
広告事業とケイパーカートが切り拓く実店舗のデジタル化
この圧倒的なデータインフラは、強力な広告ビジネスも生み出している。
第1四半期の広告およびその他の収益は、前年同期比16%増の2億8600万ドル(約429億円)に達した。
現在、9000以上のブランドがインスタカート上で広告を展開し、キャロット・アズ(Carrot Ads)と呼ばれる広告ネットワークを通じて、小売業者の自社サイトでも広告収益を上げられる仕組みを提供している。
そして、インスタカートのデジタル化はもはやオンラインにとどまらない。同社が展開するAI搭載のスマートカートであるケイパーカート(Caper Carts)は、すでに100以上の都市で導入されている。
実店舗における買い物客の購買行動をデータ化し、リアルタイムでの在庫管理や店内広告の配信を可能にしているのだ。店舗内とオンラインの垣根は完全に消滅しつつあるのだ。
インスタカートの「キャロット・アズ」に9000以上ものブランドが群がるのには明確な理由があります。それは「リテールメディア」の圧倒的な威力です。
リテールメディアの最大の強みは、顧客が「ログイン」を前提として買い物をすることにあります。
単なる年齢や性別といった属性ではなく、過去の購買履歴や、今まさにカートに何を入れているかという正確な顧客データがすべて紐づいているのです。
小麦粉と卵をカートに入れた瞬間、即座に「お菓子作りですね?バニラエッセンスもいかがですか?」とドンピシャの広告がパーソナライズされて表示されます。
行きつけのバーのマスターが、常連客の顔と今日の気分を見ただけで、何も言わずとも最高のカクテルをスッと差し出すようなものです。
不特定多数に紙チラシをばらまいたり、店内テレビで広告をながしたりとは、精度も購買率も次元が違います。
だからこそ、小売業者は自社サイトでも莫大な広告収益を上げられるのです。
顧客の好みを完璧に把握し、絶妙なタイミングで先回りして提案してくれるこのシステム。
あまりに優秀すぎて、深夜に「ペヤング超大盛」と「ストロングゼロ」をカートに入れたら、気を回しすぎて翌朝用の「胃腸薬(キャベジン)」や「黒烏龍茶」、さらには「近所のダイエットジムの入会案内」までご丁寧に表示してくる……なんていう「ありがた迷惑」な事態になる日も近いかもしれませんね(笑)。
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