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メガネ業界でも存在感の増す製造小売業、海外進出も

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アイウェア市場で製造小売業型眼鏡専門店が堅調だ。アパレル業界に習い、01年にジンズとゾフが同方式を導入した眼鏡専門店の出店を開始。従来型の眼鏡専門店は中小を中心に淘汰(とうた)が進む中、両社は店舗網を拡大し、業績を伸ばしている。5年程前から国内外で出店を増やしているオンデーズも加わって、競合も強めながら、海外まで市場を広げて製造小売業型企業の勢力拡大が続きそうだ。

(河邑陽子=本社編集部専門店担当)

国内アイウェア小売市場は、低価格専門店の伸長に伴う客単価の下落、眼鏡販売店の減少、コンタクトレンズの普及などを背景に、10年まで大幅に縮小。11年頃から回復基調に入り、現在は4000億~5000億円規模を保っているものの、市場規模は17年前より約2000億円縮小したと言われる。

業界の再編が進む

11年以降も価格競争と視力矯正眼鏡市場の縮小傾向が続く一方、青色光やUV(紫外線)カットなど機能性アイウェア、高齢化による老視用や遠近両用などのレンズの需要は増加中。新興の企業が出店と売り上げを増やす半面、後継者問題や人手不足で店を閉める街の眼鏡店も多く、業界再編が進んでいる。

インターメスティックが運営する眼鏡ブランド「ゾフ」は、自社で企画・製造・販売を手掛け、5000~9000円の低価格で提供できる仕組みを構築。スリープライスで商品を即日渡す、分かりやすいスタイルを定着させた。年商は10年頃に100億円、16年12月期には200億円台に達し、右肩上がりで成長中だ。店舗数は10月末時点で国内214、海外35。この3年、国内は年に17店前後のペースで増やしつつ、昨年から海外出店も強化している。

軽くて柔らかいフレームの眼鏡が定番の人気商品。15年秋に発売したUVカット率100%の無色レンズのサングラスも、美容目的などで女性性や若い世代に人気だ。最近はディズニーやファッションブランドとの協業品や、ファッション性の高い高付加価値商品の販売と発信を強めている。

アイウェア製造小売りのジンズは18年8月期の全社売上高が約548億円(前期比8.8%増)で、4期連続の増収だった。直営店は前期末で国内349(26店増)、海外134(27店増)。今期は国内で30店を出店する計画で、郊外ロードサイド型路面店の出店を加速し、書店やカフェと共同の店舗開発など市場規模の大きいシニア層向けの取り組みを強化中だ。一方、昨年11月に全国の店舗で導入したJINSアプリが好評で、累計ダウンロード数が8月で180万件を超え、オンライン販売にも力を入れている。

ジンズは09年発売の軽量眼鏡に続き、11年に発売したパソコン用や花粉症用の機能眼鏡で、視力に問題のない人を対象とした新たな市場を開拓。数年前からは著名プロダクトデザイナー監修など品質とデザインの向上を追求した新定番、子供用など全世代向け商品を拡充している。

海外でも成長を狙う

製造小売業型眼鏡専門店の新興勢力で、急成長中なのがオンデーズ。10年前に田中修治社長が経営に就き、眼鏡の低価格販売店から移行。「団塊ジュニアが40代になり、スマートフォンで子供の近視も増え、眼鏡業界はバブル期に入る」(田中社長)と見て、10年前の50店から現在、国内117店、海外150店と意欲的に出店中だ。国内市場は飽和状態で、当初は入居できる商業施設が少なく、国内より先に海外から出店を広げてきた。

13年に国民所得の高いシンガポールに1号店を出し、14年に台湾、15年にタイ、カンボジア、フィリピンなど10カ国に店舗網を拡大。先行者利益を発揮でき、経済成長中の東南アジア中心に、インドやロシアへの出店も準備中だ。消費者保護に厳しい欧州の基準に合わせ、手厚い製品保証体制を整え、4、5年前から国内都市部でも出店を拡大し、19年2月期の売上高は前期比33%増の200億円を見込んでいる。

先行組のジンズも、10年に中国、15年に北米と台湾、今春にはFCでフィリピンと出店先を拡大中。今期は秋に香港にも進出し、北米でも新規3店を出す予定で、前期、今期とも国内と中国は同ペースで新規出店し、今期末には中国は160店、台湾も29店体制とする計画だ。ゾフも10年に中国に進出し、昨春からシンガポール、昨秋から香港で出店を開始。3拠点を軸に、今後も海外店舗網を広げる計画だ。

先行組の2社は海外、後発のオンデーズは国内での出店を強化してさらなる成長を目指しており、眼鏡業界でも製造小売業がますます、存在感を増していきそうだ。

(繊研新聞本紙18年12月3日付)

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